コードギアス 自論14
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[コードギアス 反逆のルルーシュ]
24・25話がおそらく大都市圏では放映され、あとは各地で徐々に放映されていくかと思いますが、熱が冷めないうちに24・25話について自論を展開しておきたいと思います。
ただ、これまでのキャラ個別の自論とは違い、ピンポイント狙い撃ちの自論&考察なのでちょっと雰囲気が変わりますが。
では、続きはOPENからどうぞ。
※24・25話のネタバレが多分に含まれます。未視聴の方は、閲覧は自己責任でお願い致します。また、私の自論は完全中立ではなくルルーシュ擁護派の意見が多いかと思いますが、その辺りを許容していただけるようお願い致します。
今回のテーマ
「なぜルルーシュはスザクを生かしたのか?」
始めに
各Blog様の感想を閲覧していて、ゲフィオンディスターバーでランスロットを稼働停止に追い込んだ際にスザクを生かしていたことに関して「甘い」と言う厳しい指摘を多々見受けました。
はたして本当にそうなのか、と言うのが私の感想でした。なので、その部分を考察してみようと思います。
考察・結論
結論から言えば、ルルーシュはスザクを殺したくても殺せなかった、と言うのが自論である。もちろん、ルルーシュの甘い部分は私も感じているので、より正確に述べるなら「殺したくはないが、邪魔になるようなら殺すつもりだったが、あの時は殺せなかった」と言うべきだが。
まず、ゲフィオンディスターバーでランスロットを稼働停止に追い込んだ際にルルーシュにはスザクを殺すチャンスがあった。だが、それをしなかったのには幾つか理由が考えられる。
理由1:ラクシャータとの密約(前編)
そもそも、ルルーシュがランスロットをゲフィオンディスターバーで封じた際に、ラクシャータにはこう言った旨の発言をしている。
「約束通り、その機体は隙にするがいい」
この発言から、事前にルルーシュとラクシャータはランスロットに関してゲフィオンディスターバーの使用と引き換えに、ランスロットを鹵獲すると言う密約をしていた可能性が非常に高い。と言うか、していたのは間違いない。
この発言により、ルルーシュはランスロットを破壊すること=スザクを殺すことが出来なくなった。
ただコクピット部だけを破壊すると言う方法もあるが、それについては後述の理由により不可能となる。
密約を無視する、と言う手もなくはないが、それが無謀であるかは後編で記述する。
理由2:高威力のハドロン砲
ゲフィオンディスターバーが発動している以上、ガウェインもその有効範囲内に入ることは出来ない。この時点でガウェインのパワーでコクピットを潰すorスザクをコクピットから引き出して殺す、と言う手段は取れない。
その場合、ガウェインの攻撃手法はまずハドロン砲が挙げられる。具体的には不明だが、特定の素粒子を用いたビーム砲のようなハドロン砲は威力が高すぎてコクピット部分だけを狙い撃てるものではない(狙ったとしても熱量の高さでランスロットそのものが爆発する可能性が高く、ラクシャータとの密約を破ることになる)。
よってガウェインは最大威力の攻撃を行えなくなった。
理由3:KMFの装甲とスラッシュハーケンの特性
ガウェインに残された遠距離攻撃法は、両手のスラッシュハーケンと言うことになる。これでコクピット部分だけを貫くのはどうだろうか?と考えてみるが、結果的に無理があると結論付けた。
まずKMFの装甲である。どれほどの強度があるかは明確ではないが、通常の設計思想から考えれば、機体全てが同一強度と言うのは考え難い。強度は当然ながら機体の部位によって異なるはずである。
スラッシュハーケンでコクピットを狙うとして、はたしてコクピットをスラッシュハーケンで貫けるのかと言う疑問がある。コクピットは当然ながら、機体動力部と並んで最も装甲強度が高いと考えられる。通常のKMFでは脱出装置を兼ねているため、その落下による衝撃からパイロットを守ることもあるため、かなりの強度だと思われる。まして、試作機で脱出機能が付いていないランスロットのコクピット部ならその強度は量産機とは段違い程度の差があるであろうことは十分考えられる。
加えてスラッシュハーケンの威力にも疑問を呈したい。スラッシュハーケンは、単なる攻撃兵装ではなく、そのサイズや単体飛行が出来ないことなどから移動にも用いられる特殊な兵装である。スラッシュハーケンを攻撃用と置くか、移動用と置くかによって威力には差が出て来るだろうが、現時点でのKMFの運用方法(輸送など)を観る限り、当初から移動も想定したものであることはおそらく間違いないだろう。
そうなると、スラッシュハーケンの威力は自ずとそこまで高くないことになる。何せ移動(特にビルなどを利用した移動術)を考えれば、威力が高過ぎて壁などを貫通してしまうと移動が成立しない可能性や、移動後にスラッシュハーケンが抜けなくなると言った可能性も考えられるためである。
もちろん、KMFも関節部を狙えば貫通出来るほどの威力はあるのだろうが、関節部以外の部位には突き刺さる程度だろう。ましてパイロットが搭乗するコクピット部の強度の高さを仮定すれば、なおのことスラッシュハーケンによる攻撃の有用性の低さは言うまでもない。
また、ガウェインが装備するタイプのスラッシュハーケンにどこまでの威力があるのかも難点である。ガウェインは指の形をしているため、アンカー型の他の機体に比べて鋭利さが同一とは少し考え辛い。10基と言うハーケン数の多さは威力の低さを補うためでもある、と考えると余計にガウェインのスラッシュハーケンでランスロットのコクピットを貫くのは難しいと考えられるだろう。
以上の理由により、ルルーシュはスザクへの攻撃方法を失ったことになり、この時点で殺害は事実上不可能になったと考えられる。
理由4:現状
攻撃方法がなくなったのであれば、劇中にあったようにバーナーでコクピットを焼き切ってスザクが生身を出した瞬間に攻撃をする、と言う手もある。だが、ルルーシュはスザクに対して「偽善に付き合っている暇はない」と言う旨の発言をしている。
ルルーシュの言うとおり、今の彼にはスザク個人に付き合い続けられるほどの時間的余裕がなかった。テロ活動をするイレブンたちを扇動し、トウキョウ租界を攻め入っているとはいえ、ルルーシュもブリタニア本国or他のブリタニア支配エリアからの援軍が来るだろうこうとは、当然想定していたはずだ。
そうなればルルーシュはいかに迅速に政庁を掌握し、独立宣言を行い、ブリタニアと停戦に持ち込めるかが重要になる(コーネリアをルルーシュが確保しようとしたのは、まだ聞き出したいことがあったため、とも考えられるが、ブリタニアとの停戦協定を有利に進めるための人質にするため、と考えられる)。
そうなると、ルルーシュはスザクにいつまでもかまけているわけにはいかない。素早くコーネリアを捕虜にする必要があるのだ(加えて言えば、ルルーシュの目的故にそれ以前にギアスをかけて真相を聞き出す必要もある)。よって、コクピットハッチを焼き切るのを待つほどルルーシュには時間的余裕はなかったし、他の優先順位を落としてまで固執するほど今のルルーシュにとってスザクはそれほどの優先順位のある存在ではなかった、と言うことにもなるだろう。
理由5:ラクシャータとの密約(後編)
こうなると、あとはラクシャータとの密約を破ってランスロットをハドロン砲で攻撃するしかない。だが、それはラクシャータとの密約を破ることになる。
何をそんなことを、と思うかもしれない。それくらい出来るだろう、と。だが、ルルーシュにはそれは出来なかったのだと思う。
立場としてラクシャータは黒の騎士団への協力者に過ぎない。インド軍区から派遣されてきた彼女は、今彼女の善意にも近い意志で黒の騎士団にとどまり、技術開発担当の役職を引き受けて入れているに過ぎない。
彼女との密約を破ることは、同時に彼女の黒の騎士団からの離反となりかねないのである。
輻射波動、ゲフィオンディスターバーの第一人者にして紅蓮弐式をはじめKMFの開発能力も持つ非常に有能な技術者であるラクシャータと敵エースパイロットのスザク。この場合、どちらを優先するかなど組織のトップとして考えるならば、迷うことなくラクシャータを取るだろう。
ラクシャータがもたらす恩恵は大きい。現に今ガウェインのハドロン砲が実用化したこと、ゲフィオンディスターバーをどの組織よりも先駆けて運用出来ていることはその顕著な一面だ。
対してスザクに関しては、すでに行動アルゴリズムの解析から彼を追い詰めることに一度ルルーシュは成功している。また、幾らランスロットとスザクが凄かろうと、KMFである以上エナジーフィラーが切れれば何の問題もなく、組織戦ないし長期戦や消耗戦を仕掛けた場合、ルルーシュ側の優位性は高い。また、ランスロットが単独行動を取る傾向が強いのも、そう言った作戦が組みやすいとルルーシュに思わせる一因になったに違いない。
故にラクシャータとの密約を破って彼女に組織を去られるよりも、邪魔だとは言え今は密約を無視してまでスザクを殺すことは出来ない、とルルーシュは考えたのだと思う。
最後に
とまぁ、こんな具合にルルーシュには「甘い」以外にもちゃんとした理由があって、スザクを殺さなかったと言うのが一応証明できたかな、と思う。
ただ、ルルーシュに甘い一面が完全に消えたかと問われれば否と言うしかない。それもまた、ルルーシュの魅力ではあるので、それを全否定するつもりはないけれど。
でも、24・25話では確実にルルーシュの甘い部分は減っていると言えるなぁ、と感じてはいるのだが…。
- at 19:29
- [特集:コードギアス 反逆のルルーシュ]
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- [Edit]
なるほど
あと今回ルルーシュは甘いと言うより卑怯に感じました
いわゆる悪役みたいな(笑)
それだけなりふりかまってはいられないと言うことだと思います
今までの姿からしたら甘いとは違いますよね
ただ私も甘さ自体はやはりまだあると思います
だからこそのルルーシュなのだし