映画『決算! 忠臣蔵』
(公式ホームページ)
今年の映画納めに選んだのはこの一本。というのも半年以上前に劇場で予告編を観た時からずっと観たいと思っていた。お金の面から忠臣蔵を見直すというのは面白い着眼点だと思ったのだ。
ストーリーは、
清廉潔白な赤穂藩主・浅野内匠頭は、賄賂大好きな幕府の重臣・吉良上野介に江戸城内で斬りかかり、即日切腹となった。
当然、浅野家はお家取り潰し。赤穂藩士たちは徹底抗戦を訴えかけるも、筆頭家老の大石内蔵助は周囲の意見に流されつつ最終的には浅野家のお家再興の道を残すため、城を無血開城することを決めた。
残務整理に追われながら、幼馴染でもある勘定方の矢頭長助たちの力を借りてお家再興を目指すが、そうした努力や幕府への働きかけも虚しく、お家再興の夢は絶たれてしまう。
重ねて起きた「とある事件」によって奮起した大石はいよいよ討ち入りを決意。しかし、討ち入りするにも予算が必要で…。
というもの。
率直に、前置きが長い。大石が討ち入りを決意するまでで1時間以上(1時間半近く?)要してしまっていて、締まりがない展開に。吉本興業の芸人さんがたくさん出ているけれど、ストーリー的にはヤマなしオチなしといったところ淡々と進んでしまっているところも余計にそう感じさせるのだろう。
ストーリーとしては敢えて討ち入りシーンをほとんど見せないことは個人的にプラスだと思った。そういうことを目的として描く作品ではないからね。その取捨選択はしっかりしている。
キャラクターとしても、実物・実録としての大石のことは分からないけれど、ちょっとあれかな。「矢頭が自分の身代わりのように殺されてしまって」からようやく覚醒してリーダーシップを発揮し、ずぼらだった金勘定もしっかりするように見えて良かったけど、上記のようにここに辿り着くまでが長すぎる。
というか番方――いわゆる戦うことをメインにした武士たちが、まったく金勘定出来ない上に理解を示さないのものちょっとあれかなぁ、という感じだし(まぁここはエンターテイメントとして仕方ない部分でもあるのだろうが)。
キャストは吉本興業が大きく関与しているからなのか芸人の出演数も多い。というか多すぎる(苦笑 岡村さんなんかは普段のギャップもあって役者・岡村隆史が見れて個人的には高評価なのだが、他はちょっと「普段通りの芸人が芸人のまま芝居をしている」という感じで、役者として立ち回った岡村さんとは裏腹で作品内でも浮いた存在に見えた。
それをコメディ、エンターテインメントとして活かせれば良かったのだが、活かせたとも言い難い…。っていうか、コミカルな役なら毒味役の大高(濱田岳さん)の役を濱田さんじゃなくて芸人にやらせればよかったのに、と思ってしまう。ひょうひょうとしていて、風俗好きで、なんて役なんだから。
評価は、★☆(1.5点 / 5点)。結局、討ち入りが確定してからの金勘定が演出含めて本番開始という形なので、そこからは面白いけれどそこまでがやっぱり長すぎる。もう少しバランスよい感じが欲しい。
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