ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』


(公式ホームページ)
ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』を観てきました。
ヴァンパイアの存在を信じて疑わない異質な教授・アブロンシウスとその助手・アルフレート。彼らはヴァンパイアの故郷とされる極寒のトランシルヴァニアにフィールドワーク(現地調査)にやってきた最中、猛吹雪にあってしまう。凍死寸前の彼らを救ったのは、その地域の小さな宿屋の夫婦。その地域では「ガーリック、ガーリック」とニンニクを信奉する謎の信仰をしていた。ヴァンパイアが苦手とするからニンニクを信仰しているのだと感じたアブロンシウス。一方、アルフレートは美人な宿屋の娘・サラに恋してしまう。しかし、サラはこの地方に城を構えるヴァンパイアのクロロック伯爵に魅入られていて――
というお話。
きっかけは、今夏見た『THE BANK ROBBERY!』で凄いなと思った、桜井玲香さん(元乃木坂46)が出演されていること。あの時に、凄いなと思って機会があればもう一度観てみたいと思えたので。
さて、とはいえミュージカルといっても当然だけど作品によって全く雰囲気が違うのは凄いなと。帝国劇場での観劇は今年四月の『レ・ミゼラブル』以来二度目だったのだけれど、やはりセットで雰囲気が全く違うし、演出も全然違う。感覚的なことなんだけど、『レミゼ』に比べて現代的な技術をふんだんに演出に取り入れている印象だった。血のりとかもふんだんに使っていて(衣装汚しているので、毎回新しいのか?と変なことを気にしたりw)
何よりも、「ミュージカル」と言う要素が非常に強い作品だな、という感じ。舞台とか演劇ではなくて、ミュージカル。派手なライトの明減、ダンス専門チームによるダンスはバレエからヒップホップやブレイクっぽいダンスを取り入れていて、ザ・ミュージカルといった印象が本当に強い。
さらに舞台はもちろん劇場全体を最大限に活用。通路をキャストが走り去ったり、やってきたりする演出も随所に入る。たまたま通路端の席だったので、そういった迫力というかライブ感みたいなものをひときわ感じられたのラッキーだった。
最後には観客全員でダンスという、なかなかにない演出。ただ日本だとスタンディングオベーションする感覚が薄いというかタイミングが分からないので、最後に全員で立っているとそのままスタンディングオベーションが出来るので、そう言う意味でも観客としてはキャストと一緒にダンスして一体感もあるし、良い演出だなと思った。
一方でストーリーはちょっと雑かな、とも思った。まぁ、その辺も「ミュージカル」っぽのかもしれないが。
あぁ、そうそう。最初に触れていた桜井玲香さん。この作品でも良かったです、素人目ですけど。とても透明感があって、でも迫力もあって、ずっと本職でやってきたミュージカル俳優の方とも遜色のない声量と歌声。シリアスな作品より、コミカルな作品・キャラをやらせるとギャップ含めて上手いのかも。またの機会があれば。
あと同じく目を引いたのは主演の山口祐一郎さん。声量と迫力が半端ない。クロロック伯爵の怪しげな雰囲気とその内に占める哀しみ、虚しさみたいなものも感じられて凄いなと。この方の違う舞台も機会があれば観てみたい。
劇場内の様子。



完全に一色でしたねw

天井にはコウモリが飛んでいたり


細部にヴァンパイアを意識した装飾が施されていました。
評価は、★★★★(4点 / 5点)。
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