グランベルム 第11話
『たとえさよならが届かなくても 』
≪あらすじ≫
自分の存在について悩む満月は、九音の姉である四翠に出会う。四翠と話しをするうちに、心を動かされた満月は、新月にメッセージを送る。一方、新月は自分が願ったせいで満月を苦しませていることに悩み涙する。満月と話をするうちに、堪えきれなくなった新月は家を飛び出すのだった…。
(公式HP STORY 11話より抜粋)
≪感想≫
「まぁ、こうなるよね」というのが本音ではあるけれど、素直なところで満月の消滅をストーリーに絡めたのは私の中では案外予想外で、満月と新月の闇堕ちにしなかったことをここにきて評価している自分もいる。
§
忘れられてしまう。
そんな設定とストーリーをどこかで観たなと思ったら、たぶん『CLANNAD』の風子ルートかな、と思い出した。私には、誰かに――身近で大切な人にこんな形で忘れられてしまうという経験はないし、今後もないのだと思う。人が、社会性を重視した生き物であり、群れを成して生きて行く動物なのだとすれば、他者から忘れられてしまう、認められないというのはきっと自分が思う以上の恐怖のはずなのだ。それは私たちが思うよりもずっと、ずっと、それは怖くて、逃げ出してしまいたくて、地獄にも等しいこと。
人間は誰かに評価されて生きて行く動物だと私は思っている。自分で自分を評価し、他人からの評価なんて気にしないと言う人もまた『他人からの評価』という外的要因を意識して生きているということに変わりはない。
それはこの作品に出るみんながそうであった。新月も、アンナも、ロサも、寧々も、九音も、みんな周囲からの評価に人生が左右されて生きてきた。
それが満月にはもうないのだ。
それでも彼女は笑う。彼女は大切な人を最後まで導こうとする。そういった意味ではすでに満月はある種の神に近しい超越者的な立ち位置にいるのかもしれない。それは、あるいは視聴者的目線とも言えるかも。
苦しむ新月たちに対して、満月はこの作品を観る視聴者と同化して、私たちの目線で劇中のキャラクターたちが少しでも幸せになれるようにと――ただし、その中に自分はいない――行動している感じが、そんな風にも見えたのだ。
自分には何もないと言っていた満月。
けれど、この世に残るものはある。
満月はそれを実感した。もしかしたら、それはこの作品を作られているクリエイターの想いなのかもしれない。無数のアニメ作品が乱立する昨今。そうした中で、この作品も他作品に埋もれて行ってしまうかもしれないけれど、必死に作った作品なら何かが見てくれている人の胸に残るのではないか、と。
残るものはある。残せるものを残す――出来ればそれは希望であることを願う。
なんか、そんなことを感じた11話だった。
§
でも、最終話では満月にも幸せになって欲しいけどね…。
≪TB先 参照リンク(URLアルファベット順)≫
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