執事 西園寺の名推理2 第6話
6話は時代劇の撮影現場を舞台にしたもの。制作費の高さと若者の時代劇離れから地上波ではほとんど作られなくなった時代劇。その内情みたいなものを語りながらのストーリー構成というのはなかなかに興味深い。
そうした中に見える二つの姿。
一つは、かつての栄光を知るベテランたち。年齢を重ねて中年を過ぎて初老と呼んでも差し支えない人たちの姿は、過去の栄光に固執しているようでいて正直観るに堪えない部分が私には大きかった(それは私の年齢もあるのだろうけれど)。ただ、最後に百合子は、「過去に捉われているか、伝統を受け継いでいるかは考え方次第」みたいなことを言って、そう言う一面もあるのかとも思えたのは事実だ。
もう一つは、若手。次の時代を担う上で若い人たちの存在は欠かせない。理由は単純だ。旧い人たちの方が寿命で先に亡くなったり、現役を引退したりする確率が若い人よりはるかに高いから。ただ若者からすれば、凝り固まった昔の人々を「頑固」と軽視してしまいがちなところもあるのだろう。少なくともベテランたちが培ってきた経験や技術と言う部分は、一朝一夕ではどうにかならないのだから。
それぞれに想うところはあった。小さな農村みたいな凝り固まったグループは、新参者を無条件に排除しているようで「それが伝統を受け継ぐ?」とも思うが、一方でリスペクトの足りない若手・新参者のやり方も「それじゃあ円滑には進まないだろ」とも。
二つの立場がある中で、最後は若手が頭を下げて教えを請い、覚悟を語ったことで融和への第一歩となった。ただ、これだけだと若手側が歩み寄っただけで、ベテラン勢の姿勢みたいなものが見えづらい(実際には、所長が若手俳優に「期待している」となんでも言っているのでベテラン側としても歩み寄っている人もいるのだが)のが勿体ない。
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