映画「プロメア」
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[2019年新作アニメ]

映画プロメア、観てきた。
(公式ホームページ)
見た目で分かるように『グレンラガン』『キルラキル』の系譜の作品。私は監督以下スタッフは詳しくないですが、TRIGGERなのでたぶんほぼ同じ方々の作品だろう。
舞台は近未来。突然の人体発火現象、それによって特殊な炎を操る人類「バーニッシュ」が地球に出現して三十年余り。
何かに導かれるまま炎を操り火災を広げる彼らバーニッシュに対応すべく設置された高機動救命消防隊「バーニングレスキュー」に配属された新人・ガロは、真っ直ぐな消火精神で突き進み、「バーニッシュ」の中でも過激的な一団「マッド・バーニッシュ」のリーダー・リオと幹部二人の拘束に成功する。
バーニッシュ駆逐にもてはやされ、ついに自治共和国プロメポリスの司政官(トップ)で大財閥フォーサイトの理事長・クレイから勲章を受けるまでに至るガロ。幼い頃、左腕を犠牲にしながら自分を助けてくれたクレイを「ダンナ」と呼ぶほど慕う一方で、プロメポリス内で横行している人権を無視した非道なバーニッシュ狩りに心を痛めていた。
ある日、捕まえたはずのリオは力づくで拘束を破壊し、捕えられていた施設にいた他の仲間ともども収容所を脱出。偶然、その逃走中に行きあたったガロは、リオから「クレイがバーニッシュに対し非人道的な人体実験を繰り返している」と教えられる。居ても立っても居られなくなったガロは、クレイに問い質しに行くが……
というストーリー。
ストーリーは二時間という尺の中に収める中では上出来と言って良い。正直、この二時間ならアイナの恋心っぽいのはなくても良かったかなぁと思うし、その辺りを上手く調整してバーニングレスキュー面々の活躍が観たかったところが個人的には本音。
とはいえ、それなりに見どころはあったと思うし、裏切りからの復活、二度目のバトルからの新機体の付与で終わらずさらにもう一段階持ってくる辺りはさすが。
欲を言うならばもう少しガロとリオが心を通わせるシーンも欲しかったところ。まぁ、ガロがクレイに疑念を抱くシーン含めて物足りなさはあるし、仮にこれがTVシリーズだったならもう少し丁寧だったのかなとも思う。
一方で、この作品を1クールでやられたら苦しかったかなとも思う(ガロのアホさや暑苦しさとか)ので、二時間の劇場版というのは英断だったと思う。
アクションシーン(バトルシーン)も見ごたえ十分。ただぶっちゃけると、個人的には冒頭十分か二十分くらいの戦闘シーンがアクションシーンとしてはピーク。その後の戦闘シーンは確かに規模が大きくはなるのだけれど、その分細かい部分での詰めや盛り上がりという点では欠けてしまっている印象だったのが勿体ない。
キャストは、主要三人を松山ケンイチさん、早乙女太一さん、堺雅人さんと俳優さんで固めている。申し訳ないが堺さん以外は違和感なく聞けたけど、堺さんは声を張り上げて「圧」が欲しいところでちょっと物足りなさを覚えてしまった。
他キャストは物語の鍵を握ったプロメス博士を古田新太さん、マスコットキャラ・ビニーをケンドー・コバヤシさんが演じる以外は声優さんが揃う(このお二方に関しては台詞の絶対数が少ないので可もなく不可もなくといったところ)。キャストの中に新谷(真弓)さん、吉野さん、檜山さん、小西さん、稲田さんがいる辺りはTRIGGER御用達といったところなのか(笑 もちろん、彼ら彼女らの「声」がグレンラガンから続くこの系譜の作品において「味」を出しているので私はこのキャスティングには肯定的だ。
総評としては、シンプルに面白い。細かいところを観てツッコむことは幾らでも出来てしまう作品ではあるのだけど、そういった細かいところを気にしないで見れば単純に楽しくて面白いのだ。二時間映画はこれくらいの明快さとちょっとの細かさなんて気にせず勢いで突進するくらいが良いのだろう。そう感じれた作品だった。
評価は、★★★★☆(4.5点 / 5点)。細かいツッコミどころもないわけではないが、勢いが凄い。
プロメアは観てないけど……
TRIGGER繋がりで思い出したんですけど、現在月詠さんが感想を書いている執事 西園寺の名推理で主役を演じてる俳優の上川隆也さんもグレンラガンでラスボスのアンチスパイラルの声をあててましたねえ。