神酒クリニックで乾杯を(BSテレ東ドラマ版総評)
原作既読。なので実はずっと観たかったのだけどBSが観れる環境にはなくて…。そうした中で今期、テレ東が地上波で再放送をしてくれたのでようやく観れた。
原作は今のところ二巻が文庫としては既刊になるのかな。正直、原作うろ覚えにもほどがあるので原作との対比は辞めておく。ただ、たぶん二巻目の内容は翼の妹(おそらく鷹央)のこと以外はほとんど使われていないはず。そういう意味では文庫本一冊で話の「芯」は変えないまま多彩な肉付けで10話の1クールドラマを仕立て上げて見せたのだから、見事と言うほかない。
さて、ドラマ版ではあるが上手く纏まっていると思う。極めて秘匿性の高いながらずば抜けた技量を持つ医師たちによる治療。さらに患者の治療のためならば非合法スレスレ(アウト?)の手段すら辞さない。医療ミステリというよりはシンプルなサスペンスとして仕上がっているところが観ている側からすると小難しい知識が不要なので心地良い。
キャラクターは、原作の時点でイラスト化されており、翼、黒宮、ゆかりは原作を明らかに意識している印象で再現度はかなり高い。ゆかり役の松本さんは、個人的にはFF10のリュックやUN-GOの風守の印象が強くて声優さんって感じだったんだけど、近年は『ブラックスキャンダル』などで女優さんとしても高く評価されているようで何より。今作も良かった。それ以上の翼役の板垣さんのビジュアルが仕上がってて凄かったんだがw
主人公・勝己は可もなく不可もなくかな。ただ原作では神酒に引けを取らずプロ顔負けの格闘技を習得していたはずだが、そこはなぜかカットされた模様(神酒の格闘センスを際立たせるため?)。
真美は乃木坂46の山下さん。原作イラストと最もかけ離れた感じで、アイドルが演じている余波なのは真美が「ハンドルを握ると性格が変わる」というネタはカットされていて、二面性というか毒気がない感じになってしまったが……まぁあれはあれで清純なイメージはあるから悪くはないか。
ビジュアル的に違和感があるのは神酒の方かも。あんな明るいキャラだったっけ、と(笑 でもまぁ最終回迎えるころには馴染んでいたけどね。
ストーリーは前述のように原作ベースにしつつ、10話分に上手く仕立て上げていたと思う。流れも良い。当初はBS放送だったが、勿体ないくらい良かったと思う。
原作が続編出ていないので、続編は厳しいかな。二巻目の内容を使えば2時間SP1回分くらいは出来そうだけど。
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