横浜ヴァイオリン攻防のホームズ2

著:上津 レイ 発行元(出版): KADOKAWA(メディアワークス文庫)
≪あらすじ≫
横浜・本牧にある楽器修理工房『響』店主の響子さんは、元天才ヴァイオリニスト。天才的な「絶対音感」で様々な音から謎を解く名探偵だ。ひょんなことから工房の下宿人兼助手となった大学生の広大は同級生から、いわくつきの楽器の相談を持ちかけられる。それは、所有者に不幸をもたらす「呪いのヴァイオリン」だった。オカルト嫌いの響子さんに、依頼を受けてもらうため画策するが―。横浜を舞台に、名曲、楽器に隠された秘密を解く、芸術ミステリー第2巻!
(上巻裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
まさかの続編。出るとは思わなかったし、結構酷評していたので自分も買うとは思わなかったんだけど……。
さて、本作。
正直ミステリーとしては落第だろう。そもそもこの作品をミステリーとジャンル分けして良いのかさえ謎だ(あらすじもそうだが)。それくらいミステリー要素は皆無に等しい。強いて言えば、第四話(連番らしいので、第一巻が三話までだったため、本作の一話目)はミステリーと言えるか。
褒めるところは褒めておくべきだと思うので書いておくと、前述の四話目はミステリーとしてはそこそこ王道として通っていると思う。結末の描き方が雑だったし、いきなりヴァイオリンを暖炉に放り込んだりと纏め方に難はあるが、そこに至るまでの進め方は良かったと思う。
またキャラクター性も前作よりは整ったというか、落ち着いている印象。響子と広大の関係性は良いところに落ち着いている。
ただそれ以外はあまり評するところがない、というのが実情。五話、六話はミステリーとして成立していないし、じゃあ何か他のジャンルとして成立しているかと言えば実はただのエピソードの羅列に過ぎずストーリーとしても正直成立しているとは言い難い。
評価は、★★(2点 / 5点)。キャラクターが安定したことが前作からの唯一の改善点か。ストーリーにもう少しちゃんとしたミステリー要素が欲しい。
Comment
Comment_form