屋上

著:島田 荘司 発行元(出版): 講談社
≪あらすじ≫
自殺する理由がない男女が、次々と飛び降りる屋上がある。足元には植木鉢の森、周囲には目撃者の窓、頭上には朽ち果てた電飾看板。そしてどんなトリックもない。死んだ盆栽作家と悲劇の大女優の祟りか?霊界への入口に名探偵・御手洗潔は向かう。人智を超えた謎には「読者への挑戦状」が仕掛けられている!
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
文庫本としては御手洗シリーズの最新作。2016年に単行本、18年にノベルスとして出したものを文庫化している。
幾つかのシリーズにあるように中盤まで御手洗は登場せず、関係者の視点によって物語は語られていく。ただ、今作の難点はそれによる視点移動が多すぎるということ。著者および編集者もそれを強く感じているからなのか、わざわざ印刷時に文字フォントを変えているというのは、視点変移が多すぎるということだろう。
まぁ、素直に読みやすくはない。読んでいて文字フォントが変わるし、語り部も変わるし、口にしている会話もちょっとイマイチだし。
そうした中でのミステリ。正直、偶然の産物でしかないのでこれをどこまで「ミステリ」の枠内に入れて良いのかは個人差がありそうなところ。正直、そんなことあるかな、としか思えない内容。
そして、さんざん語り部で進めていた田辺信一郎がどうなったのかが謎のまま、というね……。うーん、構成もイマイチか。
評価は、★☆(1.5点 / 5点)。全体的にイマイチ。ミステリ、ストーリー、構成、キャラクター、どこかでもっと見どころがあれば良かったのけど……。
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