ゴーストハント 第25話(最終話)
ゴーストハント 第25話「FILE8 呪いの家 #4」(最終話)
<あらすじ>
麻衣たちでは死霊に対処しきれない。そんな状況で、辛うじて危険を察知した法生がベースに戻ってきた。すぐにベースに結界を張り、死霊たちを近づけないようにすると、踵を返して戻る。そこには白い霊のようなものと吉見家の人たちを守りながら戦うジョンの姿が。
その窮地も何とか脱し、ひとまず朝を迎える。今晩も襲われたら今度は持たない、と言う法生は一連の事件が三六塚に眠る三人の僧の霊が、他の霊を使役して行っていると考え、除霊に向かおうとする。
「あたしがやる」
疲労困憊、満身創痍の法生やジョンに代わって自分が除霊をすると言い出した綾子。しかし、過去の実績では法生やジョンには遠く及ばない綾子の発言に、真っ向から反発する法生。しかし、自分を信じてと言う綾子の言葉に折れる結果となった。
神社で行われる除霊。麻衣はそこでいつもと変わらないはずの綾子の儀式とその影響がいつもとはまるで違うことに気づく。
それこそが、綾子の真骨頂だった......。
感想はOPENからどうぞ。
<感想>
無事終了、ですね。
個人的には、オコブ様除霊に対してもっとナルが秘策やら切り札やらを持っていると思っていたので、割と素直に何もできないまま、最後の気功術使用に展開してしまったのはとても残念な気がします。彼の性格上、勝てない戦はしないタイプだとばかり思っていたので。まぁ、彼の潜在能力そのものが常に最後には切り札になると言う意味で、切り札はあったとも取れますけど。
麻衣は、ナルがプライドのためだけにオコブ様の除霊をしようとしていると思って、祠の中ではだいぶ反発しましたが、私はナルの意見が正しいと思います……まぁ、せめて一時的にでも祀っておいて、その間に法生たちに休息を与えて、もっと万全の状態を取ってほしかったとは思いますけど。
何故なら、ナルの言ったように「祀らなくなれば、再度同じことが起きる」からです。数代先までは良いかもしれませんが、土地が転売され続けた経緯を考えれば今後転売される可能性も十分に考えられ、転売時に面倒な「祀る」と言う部分が抜け落ちて転売される可能性が高い。そうなれば、同じ事件を果てしなく続けることになる。
普通、これまでの麻衣だったら在住者たちへの感情移入からナルと同じ道を選ぶと思ったのですが……そうにはなりませんでしたねσ(^◇^;) 前々回も前回も自分が無理をしてでも何も知らない在住者たちに被害が及ぶことを避けようとしていた彼女とは正反対な気もする……。それだけ法生たちが消耗し切っていた、と言うこともありますけど。
そう言えば、珍しく真砂子の洋服姿が見れた気がします(ぇ
何はともあれ、ナルや綾子の力の一端も見れ、満足して終われた話だったと思います。
<MVC>
綾子
巫女としての真骨頂。実力発揮ですね。まぁ、最後くらいはこれまで良いところのなかった彼女にMVCを上げたいです。
<考察>
一連の推理について
1)事件全容
以前コメントでいただいたように、確かに根っこの部分は単純なものですね。その周囲に言い伝えやら伝承やらに残るほどのものが絡まっているからそこが難しく見えたわけで。
>>この男女(あるいはどちらか)が、霊能力者と裏切られた村民を束ねている可能性も十分考えられると思う。
上は、前回の推理です。結果、伝承に残っていた男女もまた使役されていた存在に過ぎず、すべてはオコブ様に宿る神の怒り、だったわけですね。まぁ、それでも霊が単発で行っている事件ではなくどこかにそれらをすべて統括している存在がいる、と言う部分では大まかに大枠くらいは当たっていた、と言っても良いのでしょうか?
個人的には、海に身を投げた男女の存在を忘れるべきではないと言いながら、オコブ様の存在に忘れていたところが最大の反省点です。
もともと大きな神社が5人の一揆首謀者の墓を造るために分断され、そして切り売りされて……と時代の流れを感じさせる展開には、綿密だなぁと思わされました。
2)綾子の正体
予想は大外れです( ̄∇ ̄;) 綾子、すまん。
綾子は総合病院の一人娘。でも、その本質は木々と言葉を交わせる感応者、と言ったところでしょうか。まぁ、正確には木々を始め自然界に宿る精霊たちと会話しているのでしょうが。
そう言った意味で、そう言った精霊たちの力を借り受ける巫女と言うのは彼女にとって天職だったんだと思います。巫女本来の実力はおそらく彼女が言うように低いとも考えられますが、彼女には持前の感応能力で他の巫女よりも精霊たちの力を借り受けやすいんだと思いますから。だから、そう言った場所では他の巫女に負けない力を発揮出来たし。
ただ、彼女が各地で法生やジョンのように安定した力を発揮するには、あまりに「生きた(精霊の宿った)」木が少なすぎた。それは、綾子に限らず巫女そのものの汎用性が現代においては欠けているのだと思います。その分、力を借り受けることのできる場所ならば法生やジョン以上の除霊能力を誇る。
だからこそ、今回は最後の最後にして綾子の真骨頂を観た気がします。
尤も、彼女が本来いるべき神社などから離れた理由は不明ですが。「半年間は木を休めないといけない」と言う制約から離れている、配属された神社の木が「死んで」いてそこでは力を発揮できないと考えたなどなど憶測だけだったら、幾らでも出てきますけどね。
余談。
何となくですが、おそらくナルは綾子の真の力もすべて見抜いていた気がします。もし、感応能力があるならその世界ではちょっとは有名でしょうし、ナルの情報収集能力ならそれくらい知っていそうです。
何より、法生やジョン、真砂子と違ってSPRと活動を共にしたSPR外の人間の中で実績をほとんど残していなかった綾子を、それでもナルが呼び続けたと言うのがその証拠でしょう。
3)ナルの能力
こちらについては、ネタバレによって知っているので多言しないような形で感想だけ。
とはいえ、リンの口から「ポルターガイストを無意識に起こす少年だった」と言う言葉があれば、あとは自然と答えは導き出せるかと思います。特にFILE1を思い返せばσ(^◇^;)
ただ、ナルももっと力を使えれば、と思ったこともあったでしょうね。もっともあの力が、物理的ではない霊たちには効くかどうか不明ですけれど。
ゴーストハントは、個人的には名作だったと思います。原作既読者には、重要部分のカット等があってそこまでの名作だとは感じていないかもしれませんけどね。でも、シナリオ、作画、演出、作風を生かしたOPとEDなどとても良い出来だったと思います。個人的には、第二期を希望したいところですね。原作既読者の方曰く、ここで終わってもまだまだ謎は残っている、とのことですし、実際ナルたちのことなど謎は残ったまま。
しかし、兎にも角にも、ひとまず2クールの間、スタッフの方々、お疲れ様でしたm(_ _)m
<TB先 参照リンク(URLアルファベット順)>
・http://aaillnv.blog16.fc2.com/blog-entry-641.html
・http://ameblo.jp/rayran/entry-10029065254.html
・http://blog.goo.ne.jp/sweet-lovely/e/1298943a929221ea2ff1934fea11499d
・http://blog.kansai.com/aimugi/574
・http://hukahireke.seesaa.net/article/37086809.html
・http://koianiut.blog96.fc2.com/blog-entry-36.html
・http://kouyanoblog.blog61.fc2.com/blog-entry-118.html
・http://plaza.rakuten.co.jp/yorozucat/diary/200703280000/
・http://rincolu.blog15.fc2.com/blog-entry-1267.html
・http://seraraku.blog58.fc2.com/blog-entry-615.html
・http://takoyaki-tako-tako.de-blog.jp/takotako/2007/03/post_6d7c.html
やはり最後まで行き着けませんでしたが、最終回の追い込みようを見ても、あれで精一杯だったのだろうと、スタッフの皆さんの苦労が忍ばれる内容だったと思います。
ただ私個人としては、EDの一際明るい光は、夢ナルだと思っていたので、彼に名前がないまま終わったのが残念です。
毎回の月詠様の考察、毎週の楽しみでした。
アニメを何倍も濃く楽しむことが出来ました。ありがとうございました。
あとひとつ、綾子さんはどこにも属していないはずです。病院の後とり娘なので、修行だけで、神社の巫女さんというより、シャーマンといった感じだったように思います。