イチロー引退
お 疲 れ 様 で し た
ネットニュースで拝見したものばかりで、イチロー選手(以下敬称略)当人が記者会見を開いていないものをこうして信じるのもどうかとは思う一方で、「やはりそうだろうな」という感覚もあって…。
10か月ぶりの現役復帰。穿った見方をする人なら、マリナーズの日本開幕に合わせての(言っては悪いが)「客寄せパンダ」的な存在なんだろうというのはしていただろう。実際にそういうビジネス的な側面はきっと誰もが否定し切れるものではないと思う。
ただ、これをマリナーズがかつて自チームを優勝へ導いた功労者の一人であり、メジャーを代表する巧打者であったイチローへの「花道」だったのかな、とも考えられる。引退試合もセレモニーもなく去らせるには惜しいし、そういうことをさせるべきではないとマリナーズの球団側が考え、イチローがその打診に納得しての今日の日なのかな、と。もちろん、マリナーズが日本で開幕戦をすることは決まっていただろうから、そこに合わせてってことだろうけど。
案外、その辺りメジャーリーグ(アメリカ)って日本以上にロマンティストなところがある。もちろん、それに見合うだけの結果を残した選手がアメリカで引退した場合に限るから、日本人選手だとこういった「演出」がなされたのは松井秀喜さんとヤンキースの組み合わせ以外にはなかなか思い浮かばないけど。
もちろん、イチローとしては選手として見返してやるというくらいの気持ちはあったのだと思うし、自分がまだまだやれることを証明するつもりだったのだとも思う。ただ、OP戦通してのこの結果。10か月の実戦から遠ざかって「生きた球(本気の勝負の中での珠筋)」というのから離れてしまったのは決定打だったのかもしれない。それはきっと、ご本人が案外誰よりも理解していることかもしれない(イチローのことだから、それを記者会見などで口にするということはないとは思うが)。
個人的なことだが、私にとってイチローというのは客観的に偉大な選手だと思っているけれど、主観的には実はそこまで好きな選手ではなかった。というのも、私はどちらかと言えば同年代で対比されやすい前述の松井さんの方が好きだったから。
マスコミへの素っ気ない対応(少し前風に言えば「塩対応」)でクールな選手だと扱われがちだけれど、WBCの言動から感情的な人間であり選手だと思う。対して松井さんはマスコミへの丁寧な対応とは裏腹に、一部例外はあるものの基本的はホームランを打っても相手投手へのリスペクトからガッツポーズをとるなど感情的なことを意図的に遠ざけてきた選手だった。松井さん自身は先日のTV番組内で「(イチローと)比較すること自体が失礼。イチローさんの方が選手として全然レベルが上。またバッターとしてはタイプが違うので何かの参考にするということはなかった」みたいなことを発言しているが、そこは野球ファンとしてはどうしても対比をしてしまうし、その結果としては私は松井さんの方が好きということなので…。
ただまぁ、そういった主観的な部分を除けばやはり長い日本球界や日本人ベースボールプレイヤーの中で王貞治さんと並んで群を抜く存在であることに違いはない。長らく現役を続ける選手を「レジェンド」と称する風潮が今の日本にはあるが、イチローこそレジェンドと言うべき存在だと思う。悪いが他のレジェンドと自他で言われる人が、長く現役は続けているのかもしれないが実績でレジェンドだと本当に言えるかは微妙な人が本当に多いし。
そういった選手の第一線から退くということは悲しい。ただ、リアルタイムでその活躍を目に出来た幸運に感謝もしている。きっと、この引退を悲しめるくらい彼の活躍というものをTV画面を通じて観れたのは本当に幸せだったのだろう。
今後、イチローがどういった道を選ぶのかは分からない。まぁ、マリナーズがここまでしているのだから当面はマリナーズに何らかの形で残ることにはなるのだろうが、第二の人生のスタートを拍手と賞賛で背中を押したいと思う。
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