文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦

著:朝霧 カフカ 発行元(出版): KADOKAWA
≪あらすじ≫
“殺人探偵”と呼ばれる綾辻行人は、殺人事件の真相を見抜くと犯人が必ず事故死するという危険な異能を持つため、異能特務課の新人エージェント・辻村深月から監視を受ける身だ。ある日、2人は奇怪な殺人事件にまつわる謎解きを政府から依頼される。だがそれは、綾辻の永遠の宿敵で社会の敵でもある妖術師・京極夏彦との命懸けの闘いの始まりだった―。異能バトルミステリ、待望の文庫化!書き下ろしのあとがきを収録。
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
ニコ動での動画(現在削除)から、この著者のことは知っていて、その当時は結構頻繁に視聴していた。それからこうして『文スト』に至っているのだから、本当に凄いと思う。
まぁ、それはさておいて『文豪ストレイドッグス』の外伝である。外伝を選んだのは原作を知らなくても何とかなりそうだったから。原作ファンの人に変な感想書いて「お叱り」を受けずに済みそうだから(笑
さて、実在の文豪たちの名前を拝借して有名な著書を「異能」として扱うキャラクターが多数出演する本作。タイトルにあるように、綾辻行人と京極夏彦との戦いを描いたものである。そこに辻村深月という存在が上手く絡む。名有りで原作にも出ているところだと、異能特務課の坂口安吾やポートマフィアの中原中也も出てくる。
ストーリーはミステリというよりサスペンスに近い。あとからあとから起きる事件を解決して先に進んでいく、と言う形。サクサク進んでいくが、個人的にはやや視点変更が頻繁にある印象でそこはちょっと「ウルサイ」感じがしたかもしれない。これは私の推測だが、たぶんこの構成は「小説」の構成ではなく「動画」の構成だ。これが仮に映像化した時を考えれば、ちょっと多い視点変更もうなずける部分がある。元が動画投稿者だから、これを著者の「味」と評価するか、著者の「切り替え(勉強)不足」と断じるかは好みが分かれるところだと思う。
最後の「どんでん返し」も同様に評価が分かれるところか。ネタバレになってしまうからあまり言えないところではあるけれど、私は不要だったかなとも思う。
とはいえ、終わり方が終わり方なので続編は難しいだろう(相手が京極以外になれば別だが)。その点は評価したい。
キャラクターに関して言えば、もうちょっと作り込んでほしかったと思う。どのキャラクターもちょっと上っ面というか、読んでいて表面的な感じ(描写)が否めない。キャラ総数自体は多いわけではないので、もう少し作り込めたかな、と。探偵役である綾辻や相手の京極は描けないだろうから、だからこそ深月はもう少ししっかりと構築を望みたい。場面場面でちょっと都合が良いキャラクターになり過ぎている。
評価は、★★(2点 / 5点)。
Comment
Comment_form