ゴブリンスレイヤー12話(最終回)に観る対比演出の妙
まぁ、今更感もありますが(笑
昨年の秋クールでの1クール作品において頭一つ抜けていたようにすら思える『ゴブスレ』。その中でも最終回は、とりわけ優秀な出来だったと思う。演出面やストーリー面ももちろんだし、作画も良かった。バトルシーンもそうだが、それ以上に最後の打ち上げシーン。妖精弓手が「兜とってる~」というシーンでは、その背後のモブがタイミングがズレて表情を変えていたほど。この手のシーンはメインキャラ以外の背景モブは表情やモーション固定が多いんだけど、そうしなかったのは最終回故か。
さて、タイトルにあるように観て行きたいのは対比演出。誰と誰かと言えば、それは言うまでもなくゴブリンスレイヤーとゴブリンだ。
1)狩る者と狩られる者
対比というか、常に立場が逆転。圧倒的な数と平野という立地から、これまで「狩る側」だったゴブリンスレイヤーは「狩られる側」になってしまったが、そこから冒険者たちが集うことで状況が一転。再び「狩る側」へと回ったゴブリンスレイヤーが、経験値と学習能力で人間を「狩って」いたゴブリンロードを「狩った」わけだ。
非常にシンプルなシーソーゲーム。一方でそこに味付けとしてあるのは、ゴブリンスレイヤーもゴブリンも「よく学習すること」なんだと思う。互いに生き延びることで学習を続け、知恵をつけ、策略を練る。バトル物ではあるけれど、この作品のバトルは基本戦術や策略だ。勇者のようなチート能力で敵を一掃するような展開はない。だからこそ11話・12話で狩る者と狩られる者が入れ替わる様が観ていて楽しかったのだと思う。
2)帰るべき場所
ゴブリンスレイヤーにとっての牛飼娘(牧場)であり、ゴブリンにとっての仲間の生産場所。互いに帰るべき場所を持っていたが、そこでの決定的な差はきっと「次はない」という不退転の覚悟なんだろう。
ゴブリンスレイヤーにとってこのミッションに「次はない」。いつもそうなのだろうが、牛飼娘の住む牧場が狙われた以上いつも以上に彼にとって「引く」ということはあり得ない。けれど、ゴブリンロードは違った。「自分さえ生き残れば次がある」と思っていた。その辺りの対比が、執念となり、戦術や策略と同等の価値を持たせたのかなと思えた。
3)関係性
ゴブリンロードは非常にシンプルな関係性を他のゴブリンと築く。つまり、支配する側と支配される側だ。
ゴブリンスレイヤーも本来はそうだった。そうだったというのは「支配する側」と「される側」というものではなく、他者との関係性と言うのはシンプルだったように見える。しかしここにきて、それは「そう見えていただけ」だと分かる。冒険者は仲間じゃない。無償で働いてはくれないが、報酬が出て契約が成立するなら彼らは立ち上がる。
もちろんゴブリンスレイヤーにも仲間と呼べる人たちもいる(女神官など)が、やはり大多数の冒険者とはそういった関係ではない。一見するとゴブリンたちの関係性の方がシンプルだし、ゴブリンスレイヤーの方が複雑なんだけど、ゴブリンスレイヤーに勝利が転がったところを見るとその辺りの対比も面白く興味深い。
番外
個人的に最終回で好きだったのは、勇者が「ボクたちが世界を救ったって、村が滅んじゃったら嫌だからね」という台詞。世界を救うクラスの英雄冒険者と、他の冒険者にも小ばかにされてきたゴブリンスレイヤーだが、二人ともその点において意見が一致していたわけだ(以前ゴブリンスレイヤーは「魔王が倒れても、ゴブリンたちが村を襲うのをやめるわけじゃない」的な発言をしている)。チートで勝ってきている印象の勇者だったが、ここはかなり好感度が上がった(笑
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あの強さを持ちながら、そこまで無邪気にいられるのは、彼女のバックアップにある王や仲間たちなど彼女を支えるたちも素晴らしい人格者でしょうね。
サブキャラクターに人格者が多いのもこの作品の魅力の一つと思います。