寸評『PERSONA5 the Animation』第26話まで
高校2年生の春、雨宮 蓮は東京の「秀尽学園」に転入する。
ある出来事をきっかけに“ペルソナ”使いとして覚醒した蓮は、
新たに出会った仲間達とともに「心の怪盗団」を結成。
悪しき欲望に塗れた大人達の“歪んだ欲望”を盗んで改心させていく。
一方、街では不可解な精神暴走事件が次々と起こっていた……。
大都会“東京”を舞台に高校生として日常生活を送りながらも、
放課後は「心の怪盗団」として暗躍する―。
壮大なピカレスクロマンの幕が切って落とされる!
(公式HP イントロダクションより抜粋)
≪前置き≫
本記事は、簡易採点+短評レビューの連載形式の記事となります。最新話の感想のたび、前話までの感想がログとして残った状態で最新話分を付け加えて記事を公開していきます。各話寸評の移り変わりや点数の変動を含めて短評を楽しんでいただければ幸いです。終盤になるとかなり膨大な量になってしまうと思いますが、全部一挙に行くことにしました。
管理人(筆者)は原作既プレイ(クリア済み)のため、今回は原作ネタバレを含めて深く考察する長文形式は止めてこの形式としています。アニメ版と原作との比較のための軽度のネタバレは致し方ありませんが、コメント含めて重度のネタバレは控えたいと考えておりますので、ご協力をよろしくお願いします。
≪テンプレート≫
『各話タイトル』 採点:5点満点
採点:★=1点、☆=0.5点です。記号は、「↑=前話から急上昇、↗=前話から微上昇、-=前話と同じ、↘=前話から微下降、↓=前話から急下降」を示します。
短評
その話の短い批評です。
TB先 参照リンク(URLアルファベット順)
同じ話数の感想を書かれているBlog様です。
『#01 I am thou, thou art I』 採点:★★★★★(-)
短評
一話としてはかなり良い出来だったのではないかと思う。割と原作だと雨宮蓮(主人公)がペルソナ使いに覚醒するまでの時間が長かったが、そこを上手く短縮して30分でギリギリ覚醒シーンまで持ってこれたのは「一話」というカテゴリーで見た時には大きい。加えて覚醒シーンも良く、アバンや杏と鴨志田の関係性、担任川上が落としたチラシなど今後の伏線で外せない部分はしっかりと押さえてある。チラッとサブキャラのコープの顔も出てたけど(誰とは言わないが)、本編でどこまで絡めるかも川上の一件でちょっと期待。
P4からりせの姿と直斗の名が出るなどのファンサービスも。強いて不安を言えば、勘の良い人だとアバンと公式ホームページで伏線となる「違和感」に気付いてしまいそう、というくらいか。
『#02 Let's take back what's dear to you』 採点:★★★(↓)
短評
原作既プレイの立場としては「仕方ない」と理解・同情も示すのだけれど、いざアニメ作品として観た時にはやっぱり面白さが失速してしまっている部分ではある。モルガナの合流、竜司の覚醒といった見どころは確かにあるのだけれど、そういった要素が「流れ作業」的な感じになってしまっている。まぁ、原作の情報量から考えれば2クールでも足りないくらいだろうから、この辺りを駆け足でやらないとならないのだろうが。
原作を知る者からすると、竜司が蓮の保護観察に至った経緯を知るシーンやCパートで冴と探偵王子の再来と言われる明智とのやり取りの追加は、原作にはなかった良い補完シーンだと思う(竜司と蓮が牛丼食べながら過去の話をするシーンは原作にもあるが、原作では竜司が怒りっぱなしだった気がするがアニメでは泣いて同情、蓮のやったことを「認知する」という形になっているほか、竜司が「レッテルを張られた自分は構わないが、元陸上部の面々だけは」という男気みたいなものもアニメの方がより強く出ていた気がする)。
『#03 A beautiful rose has thorns!』 採点:★★★★☆(↑)
短評
杏の覚醒や過去といったどうしても駆け足な感じは否めないし無理に繋げたようなシーンもないわけではないが、それでも全体として観た時には本作らしいところが良く出ていた一話になったと思う。
ポイントはコミカルさ。モルガナと言う「現実世界だとしゃべる猫、異世界だとマスコット」みたいな存在がそもそもにしてコミカルだが、終盤での杏を中心としたやり取りは中盤までシリアス一辺倒であったため、余計に際立った。人によっては「方向性が統一されていない」という人もいるだろうし、それも尤もな意見ではあるが、原作既プレイ者からすると重すぎる雰囲気というのはちょっと作風と離れてしまう部分があるため、私は良い展開だったと思う…。さりげなく作品終盤へ向けてモルガナの声という「伏線」もちゃんと張られていたし。
『#04 Steal it, if you can』 採点:★★★★★(↗)
短評
4話で鴨志田編終了。まぁ、尺的にはこんなものかといったところ。
原作既プレイ者にはニヤニヤ出来るシーンやフォローが多かったな、という印象。なので評価も高い。杏が見舞うシーンなんかは原作にはなかった(言及はされていた)シーンだし、竜司のコミカルさは原作をより良い意味で誇張している。
ペルソナシリーズとしてはやはり主人公が有する複数のペルソナの使い分けと合成というのはゲーム的要素が強いため、「どうアニメ化するのか」というのはポイントの一つだと思うが、今作は割と原作通りというか出来るだけ原作を再現したいという意欲を強く感じられた。特にペルソナを説得して仲間にしたり、合成したり、そのペルソナを使ったり。まぁ、不安があるとすればこれが今回一回切りにならないかどうか、といったところか。
TB先 参照リンク(URLアルファベット順)
・https://tiwaha.blog.fc2.com/blog-entry-788.html
『#05 The Phantoms』 採点:★★★(↓)
短評
ゲームで言うところのサブイベント的なものがメメントスなわけだけど、かといってそこを無視して本筋が完璧に進むかと言えばそうではないのが、『P5』の難しいところ。そのための補足がこの5話といったところか。
正直、あんな駅前でメメントスに入ってしまう辺りの「迂闊さ」が原作プレイ時からずっと気に入らなかったところだけど、それはそれである種の伏線でもあるので一概には頭ごなしに否定し切れないのだけど、スタッフはそこを意識しているのだろうか?
というか、明智推しが凄いな(苦笑
『#06 Our next target is…』 採点:★★★☆(↗)
短評
原作既プレイ者からするとニヤリと出来るシーンが多かった。
相変わらず空気読めないというかウザい竜司は苦笑いといったところではあるが、今回特に良かったのはモルガナか。リーダーは主人公である蓮が務め、竜司・杏はムードメーカー。そうした中でモルガナは、このメンツの中でパレスやメメントスに対する知識を有しているということで参謀役として機能している。近づいてきた生徒会長・真に注意するように言ったり、あるいは班目邸を探ったりと「参謀」として、あとはモルガナ自身が口にするように「怪盗」として振る舞っているところで、竜司に引っ張られて緩みがちなザ・ファントムのチームを引き締めている。
当然、その「参謀」であること、「怪盗」であることというのがちゃんと伏線だからモルガナの立ち振る舞いで視聴者に印象付けることが効果的なのは言うまでもない。
『#07 He is my other self』 採点:★★★(↘)
短評
祐介が仲間になるまでを描いた部分。ある意味では、鴨志田編の焼き増しではあるのだけど、そこにどう鴨志田編とは違う要素を加えられたか、といったところか。
良く言えば順調に進んでおり、悪く言えば起伏なく進んじゃったなー、と。まぁ、仕方ないが。
『#08 Put an end to all this and use your own artwork for once.』 採点:★★★(-)
短評
順調すぎる形で班目編終了。順調が悪いことではないし、むしろ特に下手につまずくことなく終わったことは評価したいところ。
ただ、バトル戦はこれまでの鴨志田編までのバトルに比べると雑になった感じが強いかな。墨塗りの部分は原作ゲームからの部分ではあるけれど、それ以外のバトルがちょっと……。せっかくこれまでは弱点要素含めてアレコレと頑張っていたんだけどね…。吸収要素はあったけど……。
でもまぁ纏め方は良かったか。そういう部分で前話と比べてプラマイゼロかな。
『#09 Operation maid watch』 採点:★★★☆(↗)
短評
サブイベント進行中。
今回は竜司と川上か。この分でいくと、ゲームで出来るサブイベント(コープ)は省略しつつも全部やるって感じかね。杏の入浴シーンは完全にサービスだが、そこから各所に原作プレイしている人なら気付ける伏線が幾つもある辺りは、スタッフが頑張っているなと実感出来るところ。
『#10 I want to see justice with my own eyes』 採点:★★★(↘)
短評
金城編突入。
原作から思っていたことだけど生徒会長・真の尾行の拙さと頭脳のキレっぷりのギャップが凄いw でもまぁ、そうした中で随所に真の性格の良さというか生真面目さみたいなものが出ている辺りは、原作未プレイの人へは悩ませてくれるところなのかな? EDとか公式HPとかでもう仲間になるのバレバレなのがちょっと難点だが(苦笑
テレビ局との明智との邂逅もより分かりやすくなってたと思う。気付く人はたぶん気付ける。
『#11Let's be friends, shall we?』 採点:★★★★☆(↑)
短評
個人的に原作から一番好きなキャラは容姿的にも性格的にも真だったので、真メインの金城編は好きなシリーズ。30分の中に上手く「真面目な生徒会長」として「期待には応えたい」という真が追い詰められていく過程が分かりやすく描かれ、そこから彼女の暴走、ある種の改心、そして覚醒までが綺麗に纏まっていた。
異世界でのやり取りがないとモルガナは現実世界で声が聞こえない(猫の鳴き声にしか聞こえない)、彼女のペルソナは白バイがモチーフ(と思われる)、亡き父親に買ってもらったパンダのペンケースの過去描写など案外原作では描かれなかった部分もあったので、その点でも原作プレイ者にとっても新しい情報があったと思う。
『#12 I found the place where I belong』 採点:★★★(↓)
短評
割とあっさり終わったなぁとも思ったが、まぁこんなものか。やっぱりバトル面ではそれぞれに活躍の場を与えたいという想いもあるのか、属性関係なくペルソナぶっぱしている感はちょっと雑かな、と思ってしまう。
真と姉の冴の確執はもう少し掘り下げても良かったかも?
『#13 Dreams and Desires』 採点:★★★(-)
短評
祐介コミュ回。まぁ、長々とやっても仕方ないし、竜司の時がそうだったように基本は1話完結させるようだ。まぁ、分かりやすさと言う点においてはメリットはデカイ。一方で、原作やっていた頃のような「タメ」がないのでその辺りは原作を知らないと「軽く」感じてしまう部分もあるかも。
全体的に明智が原作よりも首を突っ込んできているな、という印象。その後の展開を知っているだけに、これそのものや明智の随所の台詞の効果の大きさも分かるので、この辺りは上手い。
『#14 What life do you choose?』 採点:★★★(-)
短評
二週連続でコミュ回。原作知らない人だとあんまり気にしないのかな?
とはいえ、人の多面性みたいなものは示せたんじゃないかなと思う。祐介にとって班目は育ての親であることは変わらない――それが仮に優秀な若い芽を早い段階で積むためでも、その着想を盗むためであったとしても、彼が幼少期の祐介が熱を出して困惑して各所に連絡していたのは事実なのだから。
同じように真と冴の関係も似たようなものだ。進む道は違ったとしても、同じ父親を違ったように評価しようが、姉妹であることに違いはない。
P5はこうした家族や親子関係というのがストーリー上で重要なのでそういう意味でやや退屈気味ではあったけど、やらずには通れない道だったとも理解は出来る。
っていうか蓮(CV福山潤さん)が全力で「スザクッ!」って叫んでるんですが、これはネタですか、そうですか(爆
『#15 I am Alibaba』 採点:★★(↘)
短評
ちょっと単調というか、緊迫感が足りなかったかな、という感じ。そういう意味で、打ち上げの花火大会イベントをAパートに持ってきてしまったのは若干失敗か?
金城を経て次の相手は、世界規模のクラッカー(ハッカー)で相手の顔も名前も居場所さえも分からないということは、怪盗団はパレス攻略によって相手を改心させられない、ということ。
そのあまりの絶望の大きさをもう少し実感出来る内容の方が良かったかな?
『#16 This place is my grave』 採点:★★☆(↗)
短評
双葉篇。これまでとは流れが違うという部分があったけれど、やはり前回同様もう少し緊張感が欲しいところか。
ただ、これは原作からそうだったような気もするけど、ちょっと双葉の境遇に関して杏があそこまで憤るというか怒るっていうのはちょっとバックボーンが足らないかも。どうせなら実の姉から「お荷物だ」とか酷いことを一瞬でも言われたけれどそれを乗り越えた真の方が双葉に対しては干渉しようとする部分に説得力がある気がする。
まぁ、杏も親友が自殺未遂をしているから自殺という部分に反応しているのかもしれないけれど…。
『#17 X Day』 採点:★★★(↗)
短評
双葉編終了。
この双葉編が本作におけるテーマの「家族」という部分をより強く感じさせるエピソードの一つなので、そこがちゃんと丁寧に描かれているところについては評価したい。
欲を言えば惣治郎をもう少し巻き込んで欲しかったくらいか。まぁ、それは双葉との個別イベントでどうにでもなるか。
『#18 I'll guide you to victory』 採点:★★★★(↗)
短評
インターミッション。
双葉の決意と、モルガナの苦悩という二つがしっかりと描かれていたのでそこは良かったところ。加えての水着回や惣治郎の想いなど、この先の奥村(春)編へのつなぎとしても申し分ない。水着回ならもう少し水着的な見せ場を、とも思ってしまうが、そこは尺的に難しいか。
どちらにせよ、中盤を過ぎて回を重ねるごとに良くなってきている印象。
『#19 Aloha』 採点:★★★★(-)
短評
水着回再び。
先生も水着着てたりして、全体的にやはりサービス的要素が強いのがAパートか。そういえば先生コミュ進んでないけど…一二三とは接触もてたか。原作にはない形だっけ?
そこからの奥村編。モルガナ離反だけど、原作ではそこまで深刻というかシリアスな感じがしないまま終わってしまったけれどTV版ではどういう描き方をしてくれるか。
『#20 My name is Beauty Thief!』 採点:★★★★(-)
短評
自分の居場所、の回。
こうしてみると必要な展開だったんだな、と思う。原作ゲームやってた時は結構こき下ろしていたけど(苦笑 とはいえ、本来ならもっとシリアスになるような一度は裏切る展開をここまでコミカルに出来るのだから、そこは素直に原作・アニメ共に筋書きというかストーリーの構築が上手いな、と思う。
『#21 My name is Beauty Thief!』 採点:★★★★(-)
短評
殺人をした怪盗団、の回。
そろそろクライマックスに近づいているんだなぁ、と感じるような内容と展開。原作プレイ時から本音を言えば「この辺りから急にシリアスになって」と批判的な気持ちがある一方で、「怪盗団と言う形に終わりをつけるために必要なエピソード」とも理解しているので、賛否は半々かな、というのが正直なところ。
コミカルさが残りつつ――と言うのが本作の特色だとも思うので、アニメ版ではそれをどこまで維持出来るかが今後の期待と課題か。
『#22 Is it our fault...?!』 採点:★★★(↘)
短評
自分を見つめ直す、の回。
イケイケだった怪盗団の水を差すような出来事。原作時点からなかなかに上手いなと思っていた。
あとは内容的にはサブイベント消化だったんだけど、展開が展開だけにちょっとシリアス過ぎたかな?
『#23 How about a deal with me?』 採点:★★★(-)
短評
気付けるかな、の回。
明らかに怪しい明智を仲間にすることになった怪盗団。ゲームをやっていた時でも十分怪しかったけれど、さてその怪しさに蓮たちも気付くのだけど、どこで気付いたか。それもちゃんとした理由があって、その理由の土台となる描写がここまで定期的にされてきたのだけど、原作未プレイに方は気付けたかな?
そういうところがちゃんと残っているのは原作既プレイ者として良かった。
『#24 A challenge that must be won』 採点:★★★★(-)
短評
あれ改心なし? の回。
双葉コミュって改心バトルあったような気がしたけど……これが今後の伏線? あるいは明智をかなりカッコよく描くことが目的なのか。明智の過去と双葉の過去、そして主人公の過去が似たような境遇であることを絡めたのはなかなかに演出面では上手いと思ったから別に良いけどね。
それにしてももう24話か。これ、絶対に2クール以内に終わらないよね(苦笑 分割4クールとかいう凄まじい、昨今のアニメ業界では珍しい壮大なプロジェクトなのだろうか?
『#25 Jealous Sinner』 採点:★★★★(-)
短評
そして舞台は、の回。
冴パレス攻略。明智の優秀さを際立たせているところかな、とも思う。ただ原作時から思っていたけど、ちょっと明智の加入が唐突な部分もあったので、正直怪しさ満点だったのだけどね。
もう少し加入が早ければ?
『#26 I won't let it end here』 採点:★★★(↓)
短評
まぁここで終わるよね、の回。
3クールと言う噂すらあった本作、年末特番になったようだ。それを見越しての終わり方。まぁ、あのまま終わったらBADエンドだけどね。実際、原作ゲームでもミスるとあのまま終わりだけど。
特番視聴込の終わり方というのはあまり好きじゃないかな。
- at 16:53
- [アニメ(放送終了):PERSONA5 the Animation]
- TB(0) |
- CO(0)
- [Edit]
Comment
Comment_form