ガンダムビルドダイバーズ 第22話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[ガンダムビルドダイバーズ]
『君の想い』
≪あらすじ≫
全ダイバーに向けたGBNの臨時放送で、クジョウ・キョウヤの傍にサラが並んでいたことに驚くビルドダイバーズのメンバー達。今までとは別人のような厳しい表情を見せるキョウヤ、そして自ら仲間の元を去ったサラの真意を確かめるため、リクはキョウヤに連絡を取ろうとする。
(公式HP あらすじ 22話より抜粋)
≪感想≫
世代交代
序盤に「オトナvsコドモ」なんて記事を書いたせいで、書くことねぇよ(笑 表向きというか、表面上はたぶん誰が見てもそんな感じだから仕方がないといえばそうなのだが。
なのであれこれ頭を捻って見い出した切り口は「世代交代」だった。リクとチャンピオンのやり取りはまさにソレといったところだろう。チャンピオン自身が、万が一の可能性にかけて飛び込むリクのその姿勢を「かつての自分」と評している。彼自身も赦されるならば、その可能性にかけたいのだろう(それについては後述)。しかし、それが出来ない現状においてチャンピオンはリクの助言を与えたわけだ。それは前任者から新任者への引き継ぎのようなものだったのかもしれない。あるいは、GBNの頂点に立つ者の矜持か、あるいは心意気か。
同じように世代交代を明示したのはタイガーウルフとフォース「トラブリュー」だ。格闘タイプのダイバーの先駆者であるタイガーウルフが設立したトラブリューだが、彼自身は隠居――ではないが、フォースを抜けてまで自分の道を貫くことを選んだ。故に、その運営は彼の手を離れて門下生・弟子たちへと託されたわけだ。同じようにマギーさんもまた「私のフォースは自由だから」というが、おそらく立場的にはタイガーウルフと似たようなもののはずだ。
「託す」という言葉だけを捉えるなら、いろいろなことに当てはめられるだろう。GPDに執心しているツカサの協力とそれを得ての合作を作り上げたコーイチが用意した救済法はGPDからGBNへ別の形でバトンを託しているようにも見えるし、かつてツカサが作ったブレイクデカールで辛酸をなめながらも未来のためだからとそれをベースとしたビルドデカールを認めたアヤメもブレイクデカールからビルドデカールへという託す形に見える。
イメージとしてはとても分かりやすい形だ。保守派として描かれる運営は言ってみれば悪政を敷く君主、チャンピオンはその時代に活躍した旧き英雄で、ロンメルは同じくそうした智将。旧い時代の権威に従う有志連合は君主にひれ伏す諸侯たち、といったところか。
対してリクたちは革命派。勇者であるリクは幽閉されている姫・サラを助けるべく、仲間たちの力を借りて旧き権威に執着する連中、そして旧世代の英雄であるチャンピオンやロンメルをなぎ倒していくことで新時代到来、世代の交代を告げる、と。
前期ではGBNを守るという立場についたリクが改めてこうした立場に立つということは皮肉と言えば皮肉だが、勇者が「世界を守るべきだ!」⇒「世界を敵にしてでも姫を守る!」という変遷はファンタジー的には王道だ。ガンプラを使ったRPG風ストーリー。収まるところはそこか。
ここからは少しだけメタ的というか演出的な感想を。
正直、GBNの世界の存亡をかける割に代償がないんだよなぁ、というのが緊迫感が欠ける最大の要因だと思う。チャンピオン・ロンメルは運営側についたことで、本当にメタな見方で申し訳ないが最終的にリクとビルドダイバーズに負けた敗者側に立つことになる(仮に途中で離反したとしても、あそこまで明確に運営と通じていてサラ消滅を容認した時点でその汚名をそそぐことは適わないだろう)。その時に彼らがGBNに居続けることを許容できる視聴者が果たしてどれくらいいるのか、というのは個人的な疑問なのだ。ぶっちゃけ、大団円(という可能性が高い上で語るが)の中でチャンピオンやロンメル、そのフォースメンバーや有志連合がいることは気持ち悪い、その一言に尽きる。
ならばどうするべきだったか。批判する以上、代替案を提示するべきだと思うので私なりの代替案・改善案を出すとするならば、このフォースバトル、お互いのアカウントを賭けるのも手だったんじゃないか、と思う。サラを救う、GBNを守る。互いの大義に優劣をつけることは主観の上では出来ない。だからこそ、お互いに自分の全てを賭けて戦うという選択肢があっても良かったんじゃないか――これまでGBNで培ってきた富と名声、その根源足るアカウントを負けた方は消し去るという手法を取ることもアリだったのではないかと思ってしまう。
これならばリクの、チャンピオンの覚悟は伝わってくる。同時に、「この戦いに参加し、敗北した側の者はアカウントが全て消去される」という前提ならば参加する有志連合やビルドダイバーズのアライアンスにも相応の覚悟が求められる。
お互いに覚悟の上で、それぞれが望む未来を勝ち取るための戦いとしての覚悟がそこにある。所詮データ上のオンラインゲームでしかないGBN。しかし、その覚悟があるからこそ、データ上でしかないサラという存在もGBNという世界も彼らにとって是が非でも守るべき存在だと視聴者に訴えかけられるのではないだろうか。
これは同時に運営にも言えることだ。メタな見方として、大団円でハッピーエンドを迎えた場合運営は総辞職しないければならないレベルだ。ここでいう「レベル」は現実的な運営者としての手腕ではなく、エンターテインメントとしてここまで悪役として描かれた以上は消えなければらないという存在価値としての意味だ。運営側がもう少し譲歩(例えばサラの電子生命体としての稀少性を加味し、GBNの世界崩壊寸前まで猶予を持たせてギリギリまで修正パッチの行使を遅らせサラを救うためのプログラム構成にも協力していたなど)があればまた違ったのだろうが、そういうのが一切ない以上、チャンピオンらと共に潔くGBNからは足を洗わなければ視聴者はきっと納得しないだろう。
この展開は、メタな見方だがそういう展開なのだ。果たして脚本家や監督はどこまでそれを理解しているのか…正直、期待より不安の方が大きい。
それにしてもチャンピオン弱ぇなぁ……。ブレブレじゃん。あそこまでブレるならあの場でロンメルと運営とは手を切ってタイガーウルフみたいにフォースすら辞めてリクにつくくらいの度胸は見せて欲しかった。確かにチャンピオンはGBNを愛している。ならば、GBNがどんな姿でも構わないのか? そうじゃないだろう。そもそもチャンピオンはバトルの優勝者への称号であってGBNの世界を守る役職じゃない。結局、覚悟だなんだと言いながら覚悟が最も出来ていない中途半端なキャラがチャンピオンというのは、痛すぎる。これならロンメルというキャラは居ない方が良かった。そのロンメルのポジションにチャンピオンが入って、明確にブレることなくGBNの世界を守ることに専心してくれた方がまだ好感持てるよ……。
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- at 22:57
- [アニメ(放送終了):ガンダムビルドダイバ-ズ]
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NoTitle
残念さが酷くなっていくとは思いませんでしたね…。
もうあと3話ですし、なんか次はリクたちほっといて
ウルフVSシャフリとかやってる時間あるの?とまで思ってしまい。
ビルドファイターズの方が何倍も面白かった、な評価をしたくないなあ。