ルパン三世 PART5 第21話
『時代遅れの大泥棒』
≪あらすじ≫
「ヒトログ」――ネットにある膨大なデータをAIが解析し、「その人物が何者なのか?」が客観的にわかる社会変革型SNS。シェイクハンズ社・社長であるエンゾの野心的なサービスに、混乱する世の中。ウィーンの美術館へ泥棒に来ていたルパンは、ヒトログにより居場所が特定されてしまう。逃げるルパンだが、逃走経路すらヒトログに瞬時に予測され……。
(公式HP あらすじ 21話より抜粋)
≪感想≫
機械化と人間味と
とにかくそんなところだろう。
高性能AIとSNS、ネット上にアップされる情報からプライベートを丸裸にするアプリ「ヒトログ」。その性能を証明するためのターゲットにされた形のルパンたち。
ヒトログに振り回される人々は見事にスマホの――その先にあるAIの言いなり状態。そこに自分の感情があるとはとても思えない。元よりモブキャラだが、余計に機械(ロボット)っぽく見えた。ただ情報に振り回されて、流行りに飛びつくだけの蛆虫のよう。それは一歩引いてみれば、ある種の現代人なのかもしれない。「いいね」が欲しい、インスタ映えする画像を撮りたい、動画の再生数を伸ばしたい…、人という種族が群れを成して生活している以上、他者からの評価というものに一定の価値があることは事実だが、それにしたってあまりに他者に自分の価値を委ね過ぎているのではないか。今回観ていて一番思ったことは、まさにそれだった。自分の意志や感情すらAIによって評価づけられていて、それに全く疑っていない。
決して笑い話ではない。AIの進歩は目まぐるしく、この「ヒトログ」だって実現の可能性はゼロじゃない。そういったテーマを扱っている、というのはルパンらしいのからしくないのかは分からないが切り口として面白いと思う。
そうした中で人間味を見せているのが、世間が犯罪者であると糾弾するルパンだという皮肉だ。スマホなどで勝手に写真を撮って(盗撮)、それを勝手にネットにアップして、興味あることなら客でもないのにカフェでもどこでも利用しなくても足を踏み入れて行く(不法侵入)。当人たちは自分たちが正義をしていると思っているのかもしれないが、AIに操られたロボット兵でしかない。
けれどルパンは違った。自分たちが住んで贔屓にしていたカフェに悪い評判が立たないよう自分たちを意図的に悪者として演出して印象操作をして見せた。そこには彼らなりの流儀と主義と、そして人間としての感情が入っていた。
思えばアミ編も総じてそんなところだったか。機械みたいだったアミは、ルパンと出会って親交を深めていくことで人間としての感情を再び芽生えさせていった(恋心含めて)。
そういう意味ではパート5の主軸はしっかりと一本通っていたのかもしれない。まぁ、終わってみないと分からないけれど。
≪TB先 参照リンク(URLアルファベット順)≫
・https://tiwaha.blog.fc2.com/blog-entry-1328.html
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NoTitle
今回の話はおもしろかったしいろいろ考えさせられました。
>それにしたってあまりに他者に自分の価値を委ね
>過ぎているのではないか
それは言いえて妙だと思います。
現代人は「いいね」やインスタ映えにあまりにもこだわり
すぎているのではないでしょうか。
SNS「ヒトログ」に踊らされる人たちはまさに現代人ですな。
そして厄介なのは「ルパン・ゲーム」とは違って
大々的に利用され人々が飽きることがあるのか、
ということですね。
>AIに操られたロボット兵でしかない。
シェイクハンズ社のエンゾは「ヒトログ」を使って
うまく大衆を操っているというわけですな。
神様ごっこでもしているんでしょうか。
SNAにはやっぱりSNSで対抗して解決するんでしょうか。
それだと面白みがないので、なにかいい解決法があると
いいのですが。