ガンダムビルドファイターズ バトローグ 第5話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[ガンダムビルドファイターズ]
『ガンプラは最高だ!』
≪あらすじ≫
ある日、イオリ・セイの実家であるイオリ模型店にやって来たユウキ・タツヤ。
翌週からメイジン・カワグチとしてヨーロッパを回ることになったタツヤは、ヤサカ・マオから伝え聞いたセイのビルドストライクコスモスの改修機、ビルドストライクギャラクシーコスモスと遠征前にガンプラバトルをするためやって来たのだった。
海外遠征用としてΖガンダムをベースに製作されたタツヤの新型ガンプラ・A-Zガンダムを見てその出来映えに目を見張るセイ。
ガンプラバトル開始直後、タツヤはお互いをイーブンの状況にするためA-Zの性能をセイに披露し、改めて全力での一騎打ちのバトルを開始するのだった。
(公式HP STORY より抜粋)
≪感想≫
ネット上で大変お世話になっているtuyukiさんに教えてもらい、第5話も無料配信を始めたと知って。いや、てっきり5話は配信しないのかと(苦笑
物語は非常にシンプルに、セイvsタツヤ。この二人の戦いで始まり、この二人の戦いで『ビルドファイターズ』の歴史は幕を下ろすことになるのだろう(ガンダムエースなど誌上の外伝漫画は続いているが)。そう考えればこれ以上なく相応しい選択だったのだと思う。
イオリ・セイとユウキ・タツヤ。それぞれはおそらく互いに認め合いながら全く違う道を歩むのだろう、ということをこの後のビルドファイターズトライも視聴していると感じる。このバトローグ5話ではそれをより強く感じた。
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メイジンとしての立場、スポンサーの要望などもあるのだろうがタツヤは次々に新しいガンプラを生み出していく。彼は生粋のファイターだ。故に、より強い機体を求めることはもちろん、対戦相手やフィールドに応じてより適した機体を求めて行く気がする。外伝漫画含め彼が次から次へと新しい機体へと乗り換えて行くことは、自身のレベルアップの象徴であり、今の自分の技量や相手の技量等をいろいろ考慮した末の戦術のようにも思える。
もちろん変わるのは機体だけではない。誰もが目指す絶対王者としてのメイジン・カワグチの三代目としてのポジションが、彼をファイターとしてより高みへと押し上げる。地位や役職が人を作る、ともいう。元来「ユウキ・タツヤ」としても十分強かった彼が、「メイジン・カワグチ」という立場を与えられたことでさらにファイターとして形作られた。
それが『トライ』で明かされることになる、世界大会三連覇の殿堂入りという絶対王者としての進化に至っているわけで、今回の5話にもその片鱗が確かにある。セイが言うように、「初見での最大火力やマニューバの披露」「大気圏突入の援助」などがあってあの引き分けである以上、タツヤの技量はセイの数段上であることは間違いない。
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一方でセイは少し毛色が違う。レイジとの出会いや世界大会を経て彼はファイターとしても覚醒をした。より強い相手と戦いたいというファイターに欠かせない本能も持ち合わせる。だがしかし、彼はタツヤや他のファイターのようにより良い性能や勝利を求めての機体の乗り換えはしない。ビルドストライクから始まった自分の系譜を愚直に守り、自身の生み出したビルドストライクをより高みへと導き続ける。この戦いもまたビルドストライクの進化における現時点の到達点の一つとして生み出されたものだ。
セイは生粋のビルダーなのだ、きっと。自分の作る機体への愛着は、きっと誰よりも強い。強いから自分が愛する機体が壊れ、負けて欲しくないと心の底から願っているし、そのために自分もまたファイターとして強くあらねばならないと考えているのではないだろうか(本編でもそういった言及があったはずだし)。
印象的なのはバルカンの応酬。互いのバルカンの打ち合いに装甲はびくどもしなかった。つまり両者の機体の装甲強度は互角。しかしPPSPの支援も得ているであろうタツヤに対し、セイにはそういった支援や後ろ盾はない。セイは一目でA-Zガンダムに特殊な塗料が用いられていることも見抜いており、その塗料がガンプラの性能に少なからずプラスの影響があるであろうことは明白だ。そういったハンデをものともせず、セイはタツヤと互角のガンプラを作っている。ビルドファイターズ本編の序盤、タツヤがとにかくセイの技量を買っていたわけだが、ここでもそれは変わらない。むしろ個人で言えばセイのビルダーとしての技量や発想はタツヤをわずかであっても超えるものがあるはずだ。
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ファイターとして歩むタツヤとビルダーとして歩むセイ。もちろんそれはタツヤがビルダーであること、セイがファイターであることを捨てることではない。ただどちらに軸足があるか、と問えばこうなるのではないかなという私なりの見解である。だからこそ、二人は違う道を歩む。ガンプラをこよなく愛する二人の目指すべき頂上はきっとガンプラがより多くの人に愛されること。二人が目指す頂上が同じだからこそ、二人は互いに違う道で登るのだと思う。
時折こうして互いの近況を知り、互いが歩んできた道の情報を交換しながら。
頂上が同じなんだから一緒に登る、という選択肢もある。けれど二人が選ぶのはそうじゃないってことなんだと思う。言葉選びが難しいけど、セイとタツヤの関係性って友情じゃないんだよね、たぶん。友情なら一緒に登ることを選んだかもしれない。けど、二人はなんかこう好敵手というか「カッコいい自分を見せなきゃいけない相手」同士みたいな感じ? そういった感覚は先輩であり先達であるタツヤの方がセイに強く持っているかもしれないけれど、タツヤを破って一度はレイジと共に世界チャンピオンになったセイにも同じくらいのプライドはきっとあると思うし、だからこそ『トライ』でセイは(彼自身も世界大会などには出続けているようだが)タツヤのように第一線で戦い続けることよりも、チナと共にガンプラ普及のために世界を回っているのだろう(まぁ、タツヤもトライでは似たように各地を回っているから、結局二人は違う道を登るんだけど実は良く似た道を登っているともいえるのかもしれないがw)。
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結びとなるが、前述のように『ビルドファイターズ』はセイとタツヤと言う二人で始まり二人で終わるのだと思う。二人の機体が壊れ朽ちて引き分けとなったシーンは、『Vガン』や『X』などのラストのようにボロボロのガンダムがまるで自らの役目は終わったと言わんばかりに静かに眠るようにも見えた。
いまだ外伝作品は漫画で続き、こうして映像化もトライを経て続いてきた本作。個人的にはビルダー<ファイター的な描写が多かったことへの一抹の不安や憤り、無念さみたいなものもないわけではないが、それでもガンプラへの情熱というのは感化されたしそれくらい愛や熱量がある作品だと思う。
春からはバトンを受け継ぐ――設定がガラリと変わるのでそういった表現が正しいかは分からないが――形になる『ガンダムビルドダイバーズ』。『ビルドファイターズ』と比較されることはまず間違いない。だからこそ、決して負けないガンプラ愛や情熱を見せてくれるのだと期待したい。
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参考サイト
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・http://koisananime.com/now/2017/12/gbf-b5.php
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- [アニメ(放送終了):ガンダムビルドファイターズ]
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NoTitle
ビルドファイターズも一区切りでしょうか。
春のアニメも楽しみですね。主人公機がダブルオーという事でオーライザーみたいなドッキング要素があったらいいなと。というか絶対あるな(笑
セイのバトルもライフル損傷時に蹴り殴る描写があったのでレイジの影響を受けているなぁとしみじみ思いました(確かGMの逆襲でも抜刀せずにサーベルを展開した描写があったような)うん、こういうの大好きです(*^-^)