スタイリッシュ武器屋2

著:弘松 涼 絵:切符 発行元(出版):主婦の友社(ヒーロー文庫レーベル)
≪あらすじ≫
外な一面を見せたカトリーヌ。あれほど意地悪ばかりしていた少女は、本当はノエルのことを…。だがカトリーヌの人生は、闇の覇王となって君臨する父親によって大きく狂わされていく。この世界で幸せを掴む唯一の方法は悪しかない。そう教え込まれていく。一方ノエルは母親に認められるために試練の旅を始める。彼女が手にするのはひのきの棒。それは攻撃力たった1の、世間でいうところの無いよりマシなガラクタ。されどノエルは、その小さな手にひのきの棒を握りしめ、強大な試練へと挑むのだった―。
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
第二巻。ちなみにネタバレかもしれないが、終わり方的に第三巻もある模様。
正直なところ、第二巻ですでに飽きが来ている。というのも、物語の構成がどこまで行っても同じなのだ。「そのパートのメインキャラ登場⇒悲惨な過去を披露⇒伊藤とひのきの棒が活躍⇒ハッピーエンド」の流れが延々と繰り返されるだけ。出てくるキャラがそろいもそろって全員不幸自慢のような物語構成は途中から嫌気をさされた。
かといってそういった不幸話を完全に覆すだけのカタルシスを生む文章力や内容があるかと言えばそうでもない。その上、売りであろうひのきの棒による戦闘シーンは片手で数えるほどしかない上に描写ページ数が少なく内容も希薄。1巻はまだアレコレとひのきの棒でどうやって最強足りえるかを考えていたことが文章や内容から察することが出来たものの、今作ではそれを一切感じない。自ら売りを放棄しているようなものだ。ひのきの棒で(難癖付けて)無双するからこそ最低限保てていたこの作品のアイデンティティーは自滅したと言っても過言ではない。
終わり方も納得いかない。これは自論なので他の方に強要するつもりはないのだけれど、それでもやはり個人的には「もう少し一冊完結を心がけて欲しい」と思ってしまう。シリーズとして続くのは構わないが、この一冊を読んだ人が必ず次も読むとは限らないのだから、その一冊の中である程度ちゃんと区切りは付けて欲しいと願う。少なくともそんな私の自論とは真逆のベクトルの本がまさにこの本と著者だった。次巻へ展開を引っ張るのを全否定するつもりはないが、引っ張りほどの内容があるわけでもなし…。
評価は、★(1点 / 5点)。次巻はあるような終わり方だったが、もう二度とこのシリーズとこの著者の本は手に取らないだろう。
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