Fate/Apocrypha 10話 感想
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[Fate/Apocrypha]
※原作ネタバレ、補足コメント等は極力避けていただければ幸いです。その後のストーリーで分かることなら取り立てて補足は不要です
今回はピンポイントに。
◆ジークの善意とアストロフォの善意
いや、彼らの気持ちを「善意」と決めつけるのは正しくないことかもしれない。
こんなことを書こうと思ったのは、ほんのわずかなやり取りのシーンがきっかけだ。赤のセイバーことモードレットと戦い窮地に陥ったアストロフォの前に現れたジーク。「こんなこと(戦うため)に助けたんじゃない(意訳)」とジークの登場を非難するアストロフォだが、ジークは「助けたい、それだけだ(意訳)」とモードレットに言い放つほどの覚悟を決めてきた……サーヴァントと対峙するという絶対的な死を前にして震えていても、だ。
別に私はどちらの言動が正しいとかそういうことを言うつもりはない。ただ、どちらの言動も同じくらい貴いものだと思うのだ。
ジークに自由を与えたアストロフォ。一度は死んでしまったジークが今生きていられるのは黒のセイバーことジークフリートが自らの心臓を授けたからだが、アストロフォなくして彼の自由はあり得なかった。アストロフォは、決して人と同じ長い余命がなかったとしてもジークには平穏に生きていてほしかったのかもしれない。幾度となく、アストロフォは魔力負担が大きい宝具の使用を躊躇い続けているのは他でもなくジークの同胞たちの生命とも言うべき魔力を代価にすることを嫌っているからだ。それはホムンクルスたちの命を縮めることを拒んでいるとも考えられる。彼(?)がそう考えるのは言うまでもなくジークの存在が大きい。
アストロフォが助けたこと、戦いからは遠ざかって欲しかったという願いは貴いものだ。
一方、ジークの願いもまた貴い。先が分からぬ、見えぬとはいえ同胞たちをただの「魔力貯蔵庫代わり」の状態からは解放し、さらに自分を助け自由を与えてくれたアストロフォのためにはせ参じる。例え自分ではサーヴァント同士の戦いにおいては役立たずどころか足手まといであったとしても、だ。
現実に考えてアストロフォの足手まといにしかならないなら確かに出向くべきではないと考えるのがリアリズムかもしれない。モードレットの性根が最悪ならジークを人質にとってアストロフォを…という可能性だってある。
だが、それでもジークは駆けつけた。彼がそこまで考えていたかどうかは分からないが、自分の恩人が殺される(という表現がサーヴァントに正しいかどうかは別として)かもしれない時に黙って見ているだけなんて出来なかったということだ。
その勇気を切り捨てることが出来ようか、いな出来るものではない。彼の気持ちもまた貴いのだ。
ただこの二人のそれぞれに見れば貴い気持ちが時としてこうしてぶつかり合い、相反してしまう。正直、このシチュエーションを作ったのは上手いと思う(原作通りなのだろうが)。どちらが正しいかと言うことを、おそらく誰もが明瞭で明確で決定的な答えを出せないだろう。だからいい。だから意味がある。どっちも正しいからこそ、「もしもこの時~」と視聴者ないし読者が想像し妄想することに意義がある。どちらにとっても貴いと言える言動だからこそ、よりベストな選択肢はあったのか(フランの宝具の余波などで再度ジークが蘇生したとはいえ、ジークは殺されてしまったわけだ。ならばそれが良かったのか悪かったのかと考えてしかるべきだろう)。あるならば何なのか。あるいは、あったのなら準備不足ともいえるジークやホムンクルスたちの魔力は使わないと決意したアストロフォにとれた策とは何なのか。
そうした空想は、このアニメのこの回の中に留まらない。全く同じ場面はまずないだろうが、そうしたものが時として自分が生きている中で何か応用できる場面があるかもしれない。アニメを見て、もちろんそれは娯楽であることが第一なんだけど、ただの娯楽に終わらせないことが、実は大切なんじゃないかと常々思っている。
余談だけど、(意訳)を多用しているのはこうしておかないと「いや、台詞はこうでしたよ」と一部の方のコメントが……まぁ、率直にうるさいからである。台詞集とかの記事やその台詞が一文字でも間違えると意味が伝わらないならともかく、そうでない記事に一字一句、一言一句正しいことを求められてもね…。
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宝具
『乙女の貞節』を地面に突き立て、全リミッターを解除して行う全力放電。聳え立つ大樹のシルエットで降り注ぐ、拡散ホーミングサンダーである。
リミッターで制御されているが、解除した場合の威力は絶大。ただしその場合、使用者は完全に活動を停止する。つまり『死』である。
この電撃には、ジークを甦らしたある力があるのですが、それは後々でるので割愛します。