Fate/Apocrypha 3話 感想
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[Fate/Apocrypha]
※原作ネタバレ、補足コメント等は極力避けていただければ幸いです。その後のストーリーで分かることなら取り立てて補足は不要です
今回はちょっと語ります。
◆ 裁定者 -ルーラー-
『Apocrypha』は原作を読んでいないので何とも言えないが、ルーラーは聖杯戦争における裁定者ということらしい。語源となった「Ruler」は英語で支配者や統治者、主催者を意味する。聖杯戦争を裁定・管理するという意味では、おそらく教会が選出する監督役のサーヴァント版といったところか。
今回、英霊ジャンヌ・ダルクことルーラーは赤のランサー・カルナに襲撃されるも、彼と黒のセイバー・ジークフリートが戦いを始めると裁定者としてどちらにも加勢せず、その戦いを見守った。そうやって聖杯戦争(聖杯大戦)が滞りなく進み終えるのを見届けるのが役目なのだろう。
そう考えると、三つの疑問が出てくる。
1.サーヴァントである彼女自身が聖杯にかける願いはないのか
2.彼女に見せ場はあるのか
3.彼女が語り部ではない意味は何か
この三つだ。
「1」は問うまでもない。今回、黒の陣営では聖杯にかける「願い」を口にする面々もいたように、聖杯とは願望器だ。故に、その聖杯を巡る戦いは、自身の願いを叶える戦いでもある(特に願いはないが呼ばれたから来たとか戦いたいだけとか例外はあったようにも記憶しているが)。
そうなるとジャンヌ自身の願いはないのだろうか。魔女として拷問を受け最後は火炙りで死んだ彼女に願望がない、とは思いづらい。ただ公平中立であろうルーラーはその役目を放棄しなければ勝者にはなり得ず、今のルーラーにそういった野心は見えない。
あるいは彼女には本当に聖杯によって叶えたい願いなどなく、むしろ願いがないからこそルーラーとして選出されたということか。
「2」は単純にバトルシーンとしての見せ場だ。まぁ、それ以外にも交渉なりなんありあるかもしれないけれど。中立である以上積極的に戦う姿勢は取れない。あるとすればどちらかの陣営でルーラーとして見過ごせない違反や不正が出た場合にその処罰的な感じか。まぁ、そういうのが全くない清廉潔白な聖杯戦争なんて聞いたことがないので、可能性は高いのかもしれない。
「3」は彼女が語り部ではない意味だ。メタな話になってしまうが、彼女が裁定者として公平に、中立に聖杯戦争を見届けるというのであれば、物語は彼女視点で描く方が利点も多かったはず。もちろん、ルーラー一人の視点ではそれぞれに抱える内面なんかは描写不足にはなるのだろうけれど。
ただふとルーラーが語り部ではないのであれば、やはりどこかのタイミングで彼女はルーラーとしてではなく一人の英霊として戦うタイミングがあるからこそ、彼女視点でこの物語は語られないのかもな、とも推察する。
これが合っているか否かは最後まで観て答え合わせとしよう。
◆ ホムンクルス -有限の命-
逃げ出したホムンクルス。彼は生きられて三年。その間に何をするべきか、何をなすのか。それが決められないなら、今死んでも今生きながらえても変わらない。
物腰が穏やかで丁寧な割に、結構辛辣なことをズバリと言ってのけた黒のアーチャー。だが、その意味は決して彼に限ったものではないのだろう。
誰もが持っているの命は有限だ。不老不死だという人はいないだろう。私たちがあのホムンクルスと違うことがあるとすれば一つだけ。それは余命が分からない、ということ(残念なことに医者の見立てで分かってしまっている方もいるだろうが…)。
だからこそ、黒のアーチャーの言葉が意味するところは決して死を前にした生物への言葉ではない。今をどう生き、未来をどう生きるか。それは私たち一人一人に投げかけられた言葉だろう。
そんな彼の願いが「不死」を取り戻すこと、というのは皮肉なのだろうか…。
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>zaxさん
>ルーラークラスの特徴については、公式ラジオが説明したみたい。
うーん、そうですか。まぁ、まだ始まったばかりでしょうし、これから先にアニメの中でもルーラークラスの特徴については説明してくれると思うんですけどね。
あくまで私論なのですが、あまりアニメ本編の補足にラジオや雑誌などの媒体を経由するのはよろしくないと思っているのですよ。アニメ観ている人が必ずラジオも聴いているかと言えばそうではないし、関連する雑誌の特集やインタビューに目を通すかと言えばそうじゃない。けれど公式には「いや、そういうところで補足してるんで」っていうのは私には手抜きに見えてしまうんですよね。
まぁ、前述のようにまだ3話ですし、これからまだ20話以上あるわけですから、アニメ内で解説される可能性も十分あると信じていますが。
NoTitle
このホムンクルスが主人公のジーク君ですが、なぜジークと呼ばれるようになるのか、楽しみにしていてください。
>piadaiさん
>原作者の東出さんがアニメ用に所々変えるとおっしゃってましたので、これもその一環でしょう。
そうですか。その辺も難しいですね。どうしてそこを変えるのか。まぁ、原作小説の文量をそのままアニメ化出来ない中でカット・改変出来るところをして尺を調整するためなんでしょうけど、あまりこの手の形でアニメに原作者がかかわってロクなことがあった思い出がないので逆に不安です…。
NoTitle
>piadaiさん
そうですか。まぁ、それが原作とどの程度同じなのかどの程度違うのかは原作未読の私には判別できない部分ではあります。原作を知る方やファンにとって、序盤の滑り出しをどう評価しているのかも判りかねます。
ただ、私の不安を体現しているかのように『Fate』シリーズのアニメ化としてはちょっと盛り上がりに欠いている印象はあります。もちろんその全てが原作者(東出さん)が脚本をしているせいではないでしょうけれど。
あくまでブロガーとしての私の心象なのでSNSではもっと盛り上がっているのかもしれませんし、パッケージが発売されればFateシリーズらしい売り上げが出るのかもしれませんが。
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