たったひとつの冴えた殺りかた

作:三条ツバメ 絵:赤井てら 発行元(出版):ホビージャパン
≪あらすじ≫
異能力が売買され、個人が圧倒的な戦闘力を持つ時代。強力な異能が高額で取引されるなか、代金の支払いを滞納する者を追うための「債権回収機構」が組織され、活動していた。機構の凄腕エージェントであり、情け容赦無さで名高いノーマンはマフィアが支配する町バリオスにて高性能の異能の滞納者の情報を得る。早速、相棒でありボスであるアイビスと共に異能回収に向かったノーマンだが、待ち受けていたのはマフィアの抗争だった。圧倒的なパワーで無慈悲に敵をなぎ倒す異能バトルアクション登場!
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
たまにはといいつつ、最近頻度が上がっているライトノベル。いや、地元の本屋の新刊が入る率が大きく落ちてて…。
さて、本作は簡単に言えば異能バトル系の作品。異能はお金で買うシステム(複数購入可)だが、ストーリーには購入シーンは一度だけ。そういった異能を使った主人公(ゴツイおじさん)が、バリバリ異能や物理的な銃やナイフを使って人を殺していく感じ。
とはいえダークかと言うとその辺の殺しの描写がやや微妙だと思うのでその辺は良く言えば読みやすく、悪く言えばダークでハードボイルドな作品にしたい感じなのにその辺が出てきてない。
主人公のノーマンは俺TUEEEE系。渋い主人公ではあるけれど、ちょっと殺す基準が分からないというかなんというか…。
俺TUEEE系なので仕方ないことだが、ノーマンの経歴は世界最強系。世界の重鎮も一目置く感じ。まぁ、その辺は良いが喪った腕を一瞬で蘇生・再生するレベルの異能を有しているため、全体的にそれが明らかになってからの中盤以降の戦闘に緊張感が消えてしまった上に、基本パワーでのごり押しメインなのでせっかく多数の異能が使えるのにそれが完全に活きているとはちょっと言い辛い。
キャラクターはノーマンの同僚たちも出てくるがほとんど出てこず、要る意味を疑う。それならばもっとそういった部分をそぎ落とした方が、作品としては質が少しかもしれないが高まったと思う。
ストーリーは、まぁ可もなく不可もなく。特筆すべき点はないが、裏を返せば悪いというわけでもない。ただ欲を言えば、異能を債権として回収する職業という利点がほとんど活きてないのはどうかな、と。
まぁデビュー作らしいし、それならこんなものなのか。
評価は、★★(2点 / 5点)。設定自体はやや使い古された感もあるが決して悪くない。しかし、キャラもストーリーもその設定を活かされたものとは言い辛く、センスの原石っぽいせっかくの設定をつまらないキャラ回しやストーリーで無駄にしてしまった感じ。
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