最底辺からニューゲーム! -あえて奴隷になって異世界を実力だけで駆け上がります-

作:藤木わしろ 絵:柚夏 発行元(出版):ホビージャパン
≪あらすじ≫
日本人の青年タクミは、生まれ育った環境が恵まれ過ぎていたため、自分の本当の実力を知る機会を得られずにこの世を去った。その未練から異世界転生の資格を得た彼は、これ幸いと女神に対して“実力だけが評価される過酷な世界への転生”を要求!優しい環境もチート能力もすべて断り、無事、非力な奴隷の子どもに転生したタクミは、牢屋の中で奴隷の子どもたちを相手に情報収集を開始!さらにエルフと獣人の奴隷美少女を交渉の上で配下に加え、あっという間に奴隷商人へと出世していき―!?
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
普通の文庫本の新刊入刊率があまりに悪かったのでラノベに手を出していますw
最初に引っかかるのは8頁目でのやたら多い誤植。カギカッコ「」が変な形になってる。作者も編集もこんな最初の方のページの目に就くものを多数見逃すとか、商業仕事としてそもそも失格なんじゃなかろうか。
さて、本編は端的に言えば俺TUEEEE系。とにかく挫折もなければ失敗もない。淡々と、ただ主人公が想定した通りに物事が進み、当然主人公は事前に策を講じているのですべてに対応して思い通りに進んでEND。まぁ、これだけで説明が終わってしまうくらい中身はページ数の割にはあっさりしている。
正直、あらすじ詐欺な面が若干ある。実力だけが評価される過酷な世界なんてものはまるでない。優しい環境もチートの能力もないというが、実際には初期で最高クラスの身体能力を持つ狼人と優秀な頭脳を持つエルフを仲間にするという恵まれた「環境」。神視点と言わんばかりに二年くらい先に起こることすら予見して策を講じる主人公の頭脳はチートと呼ぶにふさわしく、結局全部恵まれている。まぁ、頭脳明晰な部分は十歩譲るとしても、銃の構造や弾丸の構成(雷管など)を熟知していてマスケット銃しかない魔法の世界で現代のようなリボルバー製作するなど、「お前前世でなんの仕事してたんだよ」と言いたいことばかり。
もっと普通に幼少期篇で一冊やるとか、幼少期篇すっ飛ばして最初から青年奴隷スタートとかでよかったんじゃないかな。そもそもにしてスタート設定を誤った感が強いかな。
っていうか、表紙も詐欺だよね、これ。最後の一瞬だけじゃねーか、この表紙(苦笑
評価は、★(1点 / 5点)。奴隷商人という立場をどう活用するか、という点に関しては悪くはないが、それ以外は商業作品でいいのかと首をひねる。作者さん…というよりも編集担当者の能力を疑うレベル。
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