ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常

著:三上 延 発行元(出版): KADOKAWA(メディアワークス文庫レーベル)
≪あらすじ≫
鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。変わらないことも一つある―それは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、人の秘密、そして想いがこもっている。青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あるときは優しく紐解いていき―。
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
ビブリアシリーズ第二巻。すでに完結している作品なので読んでいくのが楽しみであり、そして勿体なくも感じるのが良い。
さて、今回も基本的には本に纏わるミステリーがベース。ただ全体的に一巻が主人公・大輔に纏わるエピソードがメインだったことに対して、二巻はヒロインで探偵役でもある栞子に纏わるエピソードがメインかな、という印象。まぁ、大輔の過去の恋人の話も出てくるから一概には「栞子メイン」とは言い辛い部分もあるけど。
栞子の過去。特に失踪した母のこと。それに似て行く自分への恐怖が描かれつつ、それでいて大輔と栞子の関係も一歩前進しているので、着実に描かれているな、というのが率直な感想だ。大輔の元恋人の登場も、それ自体が栞子を刺激しつつ、ある意味で大輔に過去の恋愛の反省を促いしている感じもあるし、この二人がもしうまく行くならそういった一因になればな、と。
古書に関しては私自身が詳しくないため「へぇ」とか「ほぉ」とか唸りながら読むことしか出来ないので何とも評価が難しいところではあるのだけどね(苦笑 基本は日常ミステリなのであまり目立ったトリック的なものはなく、どちらかといえば古書に関する雑学メインか。それを楽しめるかどうかがやはりこのシリーズを楽しめるかどうかを分けるのだろう。
評価は、★★★☆(3.5点 / 5点)。安定して読める。ただ安定し過ぎてミステリ的な要素は薄れつつあるように感じるのは気のせい?
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