文豪ストレイドッグス 太宰治の入社試験

作:朝霧 カフカ 発行元(出版):KADOAWA(ビーンズ文庫レーベル)
≪あらすじ≫
カタブツで理想主義者の国木田独歩は、軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門とする“武装探偵社”の一員。そんな彼は、うさんくさい新入りの自殺マニア・太宰治とコンビを組むはめに。二人は奇っ怪な幽霊屋敷事件を捜査するうちに、多数の行方不明者の存在に突きあたる。しかも、探偵社と敵対するマフィア・芥川龍之介からの襲撃をうけてしまい…!?腐れ縁はここから始まった!闇が蠢く横浜で、“異能力”対決、開幕!!
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
『文スト』の小説オリジナルエピソード。
そう思って手に取ったのだが、いざ読んで観て「あ、これアニメ化してる」と分かった(笑
なので本筋を知ってしまっていたが、読むと小説としてはなかなか。ちゃんと筋は通っているし、「正義」とは何かと言う部分を描く形は嫌いじゃない。
印象的なのはやはり最後の太宰の言葉だろう。「正義」は弱者を救うことは出来ない、と。誰かを傷つける道具にはなっても、っていう感じの。現代だと正義と言う単語より正論という言葉の方がそれを多くの人は実感するんじゃないだろうか。正論は正しいことだけど、それは他人を傷つけることにしかならないことも少なくない。正しいことのはずなのに、それは誰かを護る盾にも救う道具にもならず、ただただ他人を傷つけるだけの刃にしかならない。
まぁ、そこまで描くならもう一歩踏み込んで、「じゃあどうするのか」というところまで描いてほしかったところか。
文章は読みにくいというのはあまり感じなかったけど、それはもしかしたらアニメ化しているものを先に観ていたからかもしれない。特に文字というか単語の使い方が、古風なのか厨二的なのかは分からないが特徴的なので人によってはその辺りをウザったく感じるかも。
評価は、★★☆(2.5点 / 5点)。原作やアニメを観て楽しめたなら楽しめるかな。
Comment
Comment_form