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刹那的虹色世界

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ビブリア古書堂の事件手帖 -栞子さんと奇妙な客人たち-

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち-

ビブリア1

著:三上延  発行元(出版): KADOKAWA(メディアワークス文庫レーベル)

≪あらすじ≫
不思議な事件を呼び込むのは一冊の古書

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。
(裏表紙より抜粋)


感想は追記からどうぞ。

≪感想≫
今更のように手に取った『ビブリア古書堂』。

少しだけ本書の感想に入る前に語らせてもらうなら、この作品、帯の通りならすでに累計640万部というヒット作で、賛否あるものの剛力彩芽さん主演でTVドラマ化されたこともまだ記憶に残っている。どうやら最近になって全七巻で完結したようで、ヒット作が蛇足のように続いていくのではなくちゃんとピリオドを打ったのか、という部分でも関心はあった。

実は今のように通勤のお伴として文庫を読むようになった最初の頃、一度手を出そうかどうかと悩んだことがあった。当時、悩んだ理由は松岡圭祐さんの『Q』シリーズを読もうか、この『ビブリア』を読もうかということ。どちらもシリーズ作であることが分かっていたため、一度読み始めればたぶんどちらか片方にかかりきりになるだろうということが容易に予想出来たため、悩んだ結果、私は『Q』シリーズを選んで今に至っている。

『Q』シリーズを読み終えた後に手を出しても良かったのだが、そこはなんというか一度悩んだ末に自分の中で除外してしまった作品なだけに変な負い目があったというかなんというか(苦笑
ただまぁ、実写およびアニメ化が決まったらしいのでその予習がてら、食わず嫌いならぬ読まず嫌いも曲りなりに読書家ならダメだろうと思って手に取った。


さて、本書だが古書を題材にした短編ミステリ、という感じ。古書の内容をトレース、類似させているようなものもあれば、物語を動かすためだけのキーアイテム的に使うだけというのもあって、そこはそれぞれの短編次第というところ。本は基本的に古い文学系がメインなので、そちらが好きな人にはかなり興味をそそられる内容なのだと思う。

ミステリとしては、発行されているレーベル通りというか本格的なものよりもだいぶライトな感じ。日常系ミステリだが、その中でもミステリ要素は軽めという印象。
ストーリーは、四篇全て総じて面白いと思う。短編集の中では珍しく外れをあまり感じなかった。ミステリ自体は前述のように軽めだが、人情物語としてはその軽さを補うかのように深く、そしてやや重く作られていると思うので、その辺で全体としてバランスを取っていたのかもしれない。ただ裏を返せば四つの短編があって、その中でインパクトに残るような尖った「一つ」みたいなものがないので悪い意味で上手く纏まり過ぎている、ともいえるのかもしれない。

キャラクターは、ラノベっぽい感じ(いや、実際この作品挿絵がないだけでラノベなのかもしれないが)。栞子と大輔はある種分かりやすいくらいのヒロインと主人公。
主人公である大輔は二十三歳とラノベとしてはやや年齢が高めに設定されているが、第四章の最後からエピローグまでの言動は、(私がもうおっさんということなのかもしれないが)まるで十代の思春期の子供のだたっこのようにも見えて、そこがややアンバランスさを最後の最後で覚えてしまったのが残念。あそこで次に出てくる言葉が「退職」というのはちょっとね。

ヒロインである栞子の方は、なんというか男性の理想像的なヒロインかもしれない。
「本以外では他人と目を合わせることも難しく会話もままならないほど内向的だが、本のことになるとスイッチが入る。しかしスイッチが入り過ぎると他人を引かせてしまいそれが負い目となっていたが、主人公だけはそうではなかったために好感度がうなぎ登りに上がっていき、二人だけの親密度が増えて行く」
というのは(個々人の趣味・趣向の差はあるだろうが)比較的広い範囲で男受けヒロインであり展開だろうな、と(笑 それこそ第二章の『落穂拾ひ・聖アンデルセン』のようにね。ただまぁ、主人公の大輔と違って栞子の方は多くの読者は「そういったヒロイン」であることを論理的か、あるいは直感的に感じ取りそうなものなのでこれはこれでアリなヒロインであり、そして探偵役なんだと思う。 


評価は、★★★☆(3.5点 / 5点)。前述のように良くも悪くも一冊の本として上手く纏まっているので、本全体で「面白かった」とは思うが、個別に印象に残った短編というのが薄い。最後の展開を納得するには、ちょっと年を重ねすぎたかな(笑

個人的な話だが、今後シリーズ作を読む足掛かりにはなったかも。正直、3.5点という評価が示すように「時間とお金があれば続きは読みたいけど、他の本やスケジュールを押し退けてまでドンドン次が読みたいかと言えばそうでもない」という程度。そういう意味で、読み終えたら「よし、次」と思った『Q』シリーズほどの熱量は私には生まれず、累計640万部というのは私の中では数字と内容が一致していない。ただ、読みたい新刊が途切れた時なんかに少しずつ読んでいく本の候補としては十分だった。

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