機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第47話(第二期22話)
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]
『生け贄』
≪あらすじ≫
敗北し火星へと戻ってきた鉄華団。だがラスタルの策によって鉄華団はマクギリスと共に指名手配犯となってしまう。状況に絶望したオルガはラスタルにマクギリスと自分の首を売って事態を打開しようとするが…。
公式ホームページ更新後に改訂予定
(公式HP あらすじ より抜粋)
≪感想≫
なんというか、前回の存在意義が疑われる回(笑 オルガ、迷わないって前回言ったあとにコレだもんね。もちろん火星から戻ってくる途中で劇的に変わり過ぎてしまった状況を考えれば分からないことではないけれど、それなら前回のオルガを含めたやり取りはなんだったのか、という話にもなってしまう。まぁ、小さい齟齬ではあるので、そこは各回の個別の脚本家による台詞回しの管理・チェックがずさんだった、というだけでもあるのだけど。
さて、未だに武力に全てを頼ろうとするマクギリスとは対比する形でオルガはあの手この手を使ってでも鉄華団――に属する家族たちの未来を探そうと苦心している。その際たるものがあらすじで書いたように自分とマクギリスを「売る」ということであり、それが迷いまくっているように見えるのだけども。
これはある意味ではオルガが過去の自分を自分で壊している、ということでもあるのだと思う。ユージンたちが「オルガは一度を手を結んだ相手を裏切らない」と評価しオルガ自身もそれをきっと自分の長所でありウリだと思っていたはずだが、それすらも放棄したのだ。
今の自分を形作る全てを放棄して壊して、そこまでして何とか鉄華団の家族が救える道を模索した。思えばあそこまで他者に土下座しそうな勢いのオルガっていうのも初めてか、あるいはそんなに多々あったものではなかった。
そうした中で彼を支え、新しく作っていくのもまた鉄華団。三日月の「オルガのいる場所が自分たちの居場所」というのは上に立つ人からすれば胸打たれる台詞だろう。
一方で、過去の自分が壊され続けているのはマクギリスも同じだ。同じだからこそ対比となっている。全てを暴露され、自分がファリド家の血筋の一切を引いていないと言われてもなおバエルと「力」に頼ろうとする。勝算は現時点ではゼロに等しいだろう。マクギリスが独自に火星に降り立ってから調べたことが、「他にモビルアーマーが眠ってないかどうか」でなければ。
こうなってくると、モビルアーマーの復活は状況逆転の可能性を持つ「芽」ではある。
ラスタルは、ギャラルホルンの地に堕ちた権威を復活させるためにはより強大な敵――マクギリスと、さらに悪魔の如き戦闘力を持つ鉄華団を葬ることでこそが必要だと語った。
ただ、モビルアーマーが復活するなら状況は少し変わる。復活したモビルアーマーがアリアンロッド艦隊を壊滅させ、その上でバエルと鉄華団が復活したモビルアーマーを倒したのであれば大衆の目も変わる可能性がある(もちろん可能性があるというレベルであり、同時にそれらが地球・火星でありのままが報道されなくてはいけないが)。同時にこれはセブンスターズが言う「モビルアーマーという倒すために『個』の力が必要だった」という部分の復活でもあるため、他のセブンスターズがバエルに集うということもないわけではないだろうし、もし本当にモビルアーマーが出てくるようならマクギリスの狙いはソコになる。
こうなった時のポイントは、鉄華団がそれに付き従うかどうか。
オルガたちは地球の蒔苗を頼り、管理されているIDを変更し別人になりすますことで上手く逃げ延びようと考えている(もちろんこれは蒔苗が了承し、それが可能だと分かった上で、だが。ID変更だけで別人になれるものだろうか…)。ただもしモビルアーマーの復活、あるいはそれに等しい状況の逆転によって情勢が「マクギリス有利」となってもそれを選び続けられるのか。あるいは掌を返したようにマクギリスと共にまた戦うのか。その辺が結末を左右しそう。
まぁ、メタな見方をすれば完全に二者択一でどちらか片方を選ぶというより両方選ぶということも考えられるけどね。モビルスーツに乗れる人間やオルガはマクギリスの目を欺く意味もこめて敢えてマクギリスと共に死覚悟で戦って、他の鉄華団メンバーはその隙に地球へ逃がすというのがシナリオとしてはありそうなところか。
でも逃げたとしてクッキーとクラッカー、どうするんだろ?
おまけ。
ラスタルの判断の是非が難しいね。オルガからの提案を受け入れたフリをして相手が油断したところをアリアンロッド艦隊で一網打尽にすれば勝率は上がっただろうし、この話をエサにマクギリスと鉄華団の仲違いを引き起こせれば万が一にも相手が一致団結して予想外の力(それこそフラウロスによるダインスレイブのような)を発揮する可能性も詰めただろう。
でも、そうはしなかった。自らの腹の内を見せるかのように、鉄華団を生け贄にしてギャラルホルンの権威を取り戻すのだと語ってしまった。もちろん、その発言自体は仮に録音されて暴露されてもなんの問題もないが、ここまでの策略を考えるラスタルらしからぬ部分であり、同時に「詰めが甘い?」とも思ってしまうが果たして…。
そしてザックはいよいよ退団。彼が普通に「去れる」というのがオルガや三日月らの優しさでもあるが、キャラクターとしてザックの存在意義は結局ここまで見えないまま来てしまったのが残念。ザックの「考えろ」発言が結局団内でもさらに同期入団の仲間内程度ですら広まらないからね。みんな集まる前でよく啖呵を切ったとも思うが、一方でザックの発言も実は他のみんなの「諦めない」という感情論とそう大差ないしね。結局発言には具体案や具体例がなく、その差はポジティブかネガティブかの差でしかない。
まぁ、残り話数もまだあるし見せ場があるかもしれないけど。
≪TB先 参照リンク(URLアルファベット順)≫
赤字はTBが現在弾かれてしまっているBlog様です。
現在、nifty系、so-net系はほぼ全滅。livedoorは調子がいいと送れます。
・http://104bk.blog.fc2.com/blog-entry-7968.html
・http://blog.livedoor.jp/pro_g_mania21/archives/g_tekketsu2nd-022.html
・http://blog.livedoor.jp/rx_78g/archives/52181945.html
・http://craft89.blog105.fc2.com/blog-entry-2257.html
・http://fanblogs.jp/animeigen/archive/6189/0
・http://guutaranikki.blog4.fc2.com/blog-entry-14024.html
・http://howdolikemodeling.blog.jp/archives/49606163.html
・http://magi111p04.blog59.fc2.com/blog-entry-2893.html
・http://mirumo.serika.ciao.jp/?eid=913712
・http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-5908.html
・http://riksblog.fool.jp/public_html/mt5/anime/now/2017/03/gtk-47.php
・http://seeing04.blog39.fc2.com/blog-entry-6544.html
もしよろしければ、拍手ボタンをポチッと押して下さいm(_ _)m 管理人のモチベーションが上がります(ぉ
Web拍手に頂いたコメントは後日『Web拍手レス』にてお返事させていただきます
- at 17:57
- [アニメ(放送終了):機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]
- TB(10) |
- CO(4)
- [Edit]
モヤモヤしますなぁ
以前、私はこの作品の事をガンダム版新撰組と評したのですが、いよいよ持ってそんな感じになってきました。現在の鉄華団本部は五稜郭、マクギリスは榎本武揚といった所でしょうか。
ファン諸氏の意見も現在のカタルシスの無い展開に賛否が分かれている様ですが作中でザックに突っ込まれている以上この展開は狙ってやっているのでしょう。
私などは富野監督作品等でバッドエンドに慣れてしまっていたりするのでこのまま終わってしまうのも有り得ると思ったりもするのですが、月詠さんのおっしゃる様に主人公達が体制に呑み込まれてしまうのも嫌だなぁと(しかも日5最終作品ですからね)モヤモヤした物を抱えています。
私のお得意の無理矢理シンクロ的な事を言えば土6としてヒット作を連発してもてはやされた枠が日5になってヒット作品がそれ程出てこなくなって注目もされなくなり、最終的には土曜の朝6時30分という流れにシンクロしている様に見えるんですよ。
ですからできればある程度のカタルシスは欲しいなと願っています。
まぁそれがバエルを手に入れてから別人の様に無能になってしまったマクギリス(それにも理由があると思いたい)頼りというのも口惜しい気がするのでできれば鉄華団によって見せて欲しいと思います。
長くなって申し訳無いのですがオマケに一つ
三日月はアトラと子供を作った訳ですがクーデリアが同じことを願ったとしても作っただろうなとクーデリア派の私は思ったりしています。負け惜しみですかね。
それでは、本当に長文失礼しました。お大事に