機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第45話(第二期20話)
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]
『これが最後なら』
≪あらすじ≫
紆余曲折の末、鉄華団もアリアンロッド艦隊との戦いに臨むこととなるが…。
(公式HP あらすじ より抜粋)
≪感想≫
◆純真さは愚の骨頂か
今回で印象的だったシーンは二つ。ガエリオと対峙した石動が、ガエリオに対して「(感情的なことや関係を)私は准将に望んでいない」という台詞。そして、シノが一度引いて体勢を整えようとするオルガに叱咤し、自ら突っ込むことを選んだシーン。
このシーンに共通するのは「純真さ」ではないかと私は思う。
石動はマクギリスに対して情に基づく関係を求めていない。最初から、マクギリスと石動の間にあるのは「革命を成す」ということ。マクギリスにとって革命と、その先に彼が思い描き語った理想の世界が「自分が権力を手に入れるための手段」に過ぎなかったとしても、石動はそれすら承知の上でマクギリスの描く未来を望み、それに自らの身命を賭すと決めた。
シノもまた同じだ。オルガが言う未来、アガリ。もうすぐそこまで見えて居る。最後の敵も目の前にいる。だから、そこに向かって今まで通り突っ走ろうぜ! と言う。自分の死、というものを全く理解してないわけではなかっただろう。半壊のフラウロス――いや、今回は彼に敬意を表して流星号と呼称するとして、その流星号での出撃が何を意味するのか、を。
それでも彼は迷わなかった。純粋に、純真に、全てを背負わせてきたオルガの言う「未来」を誰よりも信じ誰よりも望んだからこそ、今この時にはこれこそがベストだと彼なりに考えた結果だ。
その対極にあったのは、ラスタルとガエリオだ。
マクギリス側に間者(スパイ)を送り込んでおき、革命側からダインスレイブを使わせることで自陣営がダインスレイブを使う口実を作り、狙うのはマクギリスと言う「頭」を喪った後に使いようがある部隊は残してそれ以外を叩く。
これは聡明だ。しかし、狡猾でもある。
同じことがガエリオにも言える気がした。彼は石動に自身やアイン、カルタが持っていた感情とその結末を語った。だが、どうだろう。私には相手に向けた感情への見返りを求めているようにしか見えないし、(それが例えアインの意志だったとしても)アインを道具として使い続けている者の口から出るのは片腹痛いようにすら感じた。
彼らに共通するのは純真さとは対極にある狡猾さ、あるいは「見返り」「対価」というような無償の精神とは別のベクトルにあるものだ。
最後の流星号の一撃で決着がつかなかったので、この戦いの結末をどうするのかは分からない。ただ、今回大人の傲慢さと狡猾さと、それとは対極にある覚悟や純真さという部分を描いた。ある意味で、ラスタルたちを「敵」として再設定した脚本だったように思うのだ。
シノの死、ホタルビの撃墜を考えるならラスタルにも相応の結末があってこそ、とも思うが…。
余談。
シノ、どうしてブリッジを狙っちゃうかな(苦笑
戦艦の装甲すら貫くダインスレイブなんだから普通に戦艦の中心や動力部に照準を合わせていれば、ジュリエッタの横やりで微妙に照準がズレたとしても戦艦は沈んだだろうに…。その辺も「若さ」の表現なのかね。
そしてバエルとマクギリス。バエルにはもう少し絶対的な特殊能力を期待していたけど…。
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NoTitle
>しかし、狡猾でもある。
しかし、有効でもある。マクギリスが現状有効な手を打てていないのは、ここに起因するのではないでしょうか。
今回のラスタルの作戦は、ダインスレイブを除けばとても堅実でした。弱いほうに攻撃を集中する、砲兵(ダインスレイブ部隊)による集中砲火といった戦術の基本を全うしていることもさることながら、ポイントは自身の強みを活かしている点です。アリアンロッド艦隊という数も質も場数も圧倒的な戦力を事前に確保しておくこと。革命側からダインスレイブを使わせ大義名分を作っておくこと。艦隊司令の立場を活かした前者は言うまでもないとして、後者のマッチポンプは、ラスタルの真骨頂です(ドルトコロニーや鉄華団地球支部のように)。戦いのあとまで考える大局的な視点も含めて、自身の強みを最大限に活かした作戦でしょう。
では、マクギリスの真骨頂は何か。これこそ、1期で度々見せてきた人心扇動・掌握能力です。1期のマクギリスの成功は、この力があったからこそと言っても過言ではありません。今回のクーデターも、もっと時間をかけて準備するべきだった。ラスタルとイオク以外のセブンスターズを、権威に依存せず自分の人心扇動・掌握能力で取り込む機会を、それこそ狩りをする狼のようにじっと待つべきだった。アグニカの持つ力に目を奪われ、自分の強みを放棄した結果が、現状の劣勢にあるのではないでしょうか。
>私には相手に向けた感情への見返りを求めているようにしか見えない
これは確かに、その通りだと思います。前回ラスタルに対する考察をしていてふと思ったのですが、ガエリオも自分の価値観や思考を相手も共有していると思い込む傾向があるのではないかと思います。
ガエリオの根底には、「相手に与えてもらったものがある以上、自分も相手に同じだけのものを返さなければならない」という考えがあるように思います。「狡猾な」、すなわちギャラルホルンの不正の象徴であるラスタルに従っていることがその傍証です。その考え自体は、とても尊い。でも、自分ができることが相手にもできるとは限らない。そのことを今一つ理解しきれていない気がします。
相手の自分への同調を求めず、敵なら問答無用な鉄火団とはこのあたりが対照的で、だからこそ敵側のキーキャラクターとして設定されたのではないかと私は考えています。
>シノ、どうしてブリッジを狙っちゃうかな(苦笑
個人的には、シノには「焦り」があったのかなと思います。何も考えていないような普段の言動とは裏腹に、シノの鉄華団への愛着はオルガと遜色ありません。その上で。
・撃てるのは一発。
・これに自分の「家族」の命運がかかっている。
・敵の頭がいるのは艦橋。
これだけの条件があれば、まず艦橋を狙わずにはいられなかったでしょう。
今回も長文、失礼しました。