ランチ探偵 容疑者のレシピ

作:水生大海 発行元(出版):実業之日本社
≪あらすじ≫
大仏ホームのOL・麗子は「トラブルが起こっている」の一言で、ランチの外食を渋る同僚・ゆいかを誘い出すことに成功。訪れた洋食店には、呪われた社宅に住んでいると悩む男性が…(「その部屋ではなにも起こらない」)。閉ざされた美容室での盗難、命を狙われるペットなど、合コン相手が持ち込む謎にOLコンビが挑む全5話。好評シリーズ第2弾。
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
同期のOL・麗子とゆいかのランチタイムでの推理作品。実際にはシリーズ第二巻なのだが、肝心の一巻が地元の書店では見かけなかったのでとりあえず手に取ってみた。
作品は短編集で、いずれも安楽椅子探偵形式に分類出来るミステリー。「ランチ探偵」のタイトルだが、実際には合コン探偵と言った方が正しいかも?(笑 その名の通り、一応食事処(主にランチ)での合コン中で謎を全て解いてしまうというスタイルで食事は謎に絡まないので、若干タイトルが微妙かなとも。
中身は前述のように短編集で、おまけに安楽椅子探偵形式なのでサクサクと進んでいく。ただ肝心のミステリ自体は若干こじつけっぽいところもあって「なるほど!」と感心出来るシーンや描写は少ない。
また文章としてのリーダビリティ(読みやすさ)も正直なところ高いとは思わなかった。短編としての読みやすさやテンポの良さはあるのだが、全五篇ある短編の多くで事件現場の間取りなどが全て文章でつらつらと長く説明されるため、どうしてもその部分を理解しながら読むとそこで必ずテンポが落ちる。こういうところは目次ページや挿絵でもう少し図解を活用するなど読みやすさを向上させることが可能ではないかと思うし、その配慮が一つあるのとないのとでは文章だけでなく本一冊としての総合的な読みやすさという部分で違ってくる。
評価は、★★★(3点 / 5点)。前述のような部分に難点を覚えたが、まぁ及第点というか文庫の日常系ミステリーとしては良くも悪くも平均的な水準には収まっていると思う。
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