日曜劇場「IQ246~華麗なる事件簿~」 第9話
(公式ホームページ)
比較的好意的にこの作品を評価してきた私ではあるものの、それでも今回ばかりはさすがにいただけない。いや、さすがにその展開と結末はないだろ、と思ってしまった。
最もそう感じたのはやはり結末か。結末と言うよりはあそこまで追い詰めておいてマリア・Tを逃すという大失態っぷり。それそのものが悪いというよりもその経緯が良くない。
マリア・Tを庇った沙羅駆。逆にマリア・Tにあそこまでの憎悪を見せる賢正。その根源がやはり曖昧というのがそう感じさせるのだろう。もちろんこれで作品が完結したわけではなく、またマリア・Tとの対決も残っているので最終回までその根源の部分は引っ張られるのかもしれないが、それを差し引いても突飛な感じが否めない。
だがそれ以上に引っかかったのは、その二人が会話劇をやっている間にマリア・Tに逃げられているという部分だ。小物がやるならいざ知らずIQ300設定のラスボスがあの隙に逃げるというのも情けない話だが、逃げられる方も逃げられる方。沙羅駆と賢正(と奏子)の会話は完全にこの二人だけの世界に入っていて、「いや、ラスボス目の前に拘束もされずにいるけれど」とツッコんでしまった……。
結局、ハイレベルなIQ同士の対決としてのお粗末さというのが結果的に9話全体の失望に繋がっている。沙羅駆がマリア・Tの先を読んでアレコレしてたシーンはまだ面白かったんだけどねぇ。
10話がどういう展開になるかは分からないが、数値上はIQが上のマリア・Tに挑む展開ならば9話はソコをもっと掘り下げて演出していくべきだったように思えた。
つまり、IQ246の沙羅駆ではIQ300のマリア・Tを上回れない、という展開だ。そこで沙羅駆が敗北した上で立ち上がり、予告にあったように賢正や奏子などの親しい者たちと協力して立ち向かえばIQ300にも勝てるということを実証すれば一応「流れ」としては纏まるのかな、と思うんだよね。
正直、その可能性は観ていて感じた。例えば銃を持った賢正。実はその賢正の行動すらマリア・Tが意図したもので、賢正は思惑にはまってマリア・Tと誤認して沙羅駆を撃ってしまう、とかそういう展開になるのではないかとすら中盤までは思っていたのだ。
というか、沙羅駆が撃たれるなら普通に胸とか腹とか撃たれてほしかった。もちろん、それを見越して以前帽子に鉄板を仕込んだように防弾チョッキを仕込んで、だけどさ。どう見ても撃たれたのは肩で、それに対して警察官の奏子があそこまで取り乱すっていうのが不自然過ぎて…。
あと、マリア・Tの入れ替わりもネタ明かしはして欲しかったかな。差し入れられた薬が仮死状態を意図的に作るような薬で脱獄後に蘇生して入れ替わったのか(そんな薬あるかどうか知らないけど)、独房に入った段階ですでに入れ替わっていたのか…。
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