日曜劇場「IQ246~華麗なる事件簿~」 第5話
(公式ホームページ)
キャラクター、トリックともに変化をつけてきた。変かと言っても思いっきり全く違うモノになったわけではないが、随所にこれまで意図的に「方程式」としてきた言動や演出を崩すことで変化をつけてきた。
例えば沙羅駆。その天才的な頭脳でパッパと事件を解決してきた彼だが、今回ばかりは謎という壁に一度立ち止まることを余儀なくされた。謎を解く「囲碁の間」シーンでも、一手を指しても事件の全容は見えないという「お約束(方程式)」を崩した最も大きなシーンだ。まぁ、一話完結なので時間の都合もあってその後、奏子のひと言で事件を解決してしまうわけだが。
その奏子。基本的に空回りでコミカルさがメインだった彼女。それは変わらないのだけど、そのコミカルな言動の一つが沙羅駆に事件解決へ直結する最大のヒントになるという展開。さらに「凡人でも時に天才の頭脳を刺激する」と、明確に褒められるほど。奏子と沙羅駆のやり取りも、沙羅駆の演技するシーンがあったこともあっていろいろな面が観れたことも変化かもしれない。
他にも今回は「一人で行動する」ということから、賢正が沙羅駆の傍に居られない時間帯があり、その時間帯は沙羅駆ではなく賢正が推理をしたり、あるいは沙羅駆に置いていかれたということでしょげるという貴重なシーンも。
一見すればただのコミカルなシーンではあるが、裏を返せば賢正の沙羅駆への忠誠度というものが強く量れるシーンでもあった。
トリックとしては最先端技術の仮想現実が出て来た事件らしく、トリックも最先端技術の一つ。「普通の人は知らねぇよ」と批判するのは簡単だが、そういう技術は実際にある。実際にある以上、「知らねぇよ」ではなくてそれは謎を解く側の知識不足でもある。本作ではさまざまなミステリードラマや映画のパロディも多いが、今回は「『あまり一般的ではない科学技術を駆使したトリックは用いない』という暗黙の了解を破る」という意味で東野圭吾の『ガリレオ』シリーズのオマージュだったのかも?
個人的に少しずつではあるが、一話完結のミステリーとして質は上がっているのかな、と思う。まぁ、観続けているという愛着やそれによる好感度補正もあるんだろうけれど。そろそろ「13」に辿り着いてさらなるサプライズも欲しいところだが、果たしてどうなるか。
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