パラダイス・ロスト

作:柳 広司 発行元(出版):KADOKAWA
≪あらすじ≫
大日本帝国陸軍内にスパイ養成組織“D機関”を作り上げ、異能の精鋭たちを統べる元締め、結城中佐。その正体を暴こうとする男が現れた。英国タイムズ紙極東特派員アーロン・プライス。結城の隠された生い立ちに迫るが…(「追跡」)。ハワイ沖の豪華客船を舞台にした初の中篇「暗号名ケルベロス」を含む全5篇。世界各国、シリーズ最大のスケールで展開する、究極の頭脳戦!「ジョーカー・ゲーム」シリーズ、待望の第3弾。
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
D機関シリーズの第三弾。
結構このシリーズの中では異色というか多彩な形の一冊だと思う。いろいろな角度からD機関の暗躍を描く、みたいな。
アニメ化されたエピソードの感想は割愛。以下、アニメ化されなかったエピソードの個別感想。
【失楽園】
英領シンガポールにある最高峰のホテル、ラッフルズ・ホテル。日英同盟破棄後、日本人禁制となったこのホテルで殺人事件が起きる。米海軍士官キャンベルは独自に調査を始める。なぜならその殺人事件の犯人として疑われているのが愛する恋人・ジュリアだから、というエピソード。
D機関のメンバーがいかに誘導していく技術も持っているか、ということを証明するかのようなエピソードだった。完全に裏方に回っていてその中で文字通り「暗躍」することで自分の望む結末へと導く。
誰も気付かず、ほとんどの人の記憶に残ることすらせずに任務を完遂する。スパイとして究極の在り方みたいなものを読めた。
評価は、★★★★(4点 / 5点)。
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