長野殺人事件

作:内田 康夫 発行元(出版): KADOKAWA
≪あらすじ≫
長野県内で発見された男の遺体。品川区役所に勤める直子は、死んだ男・岡根から一カ月前に「長野県人の義務」として謎の角封筒を託されていたことを思い出す。そこに入っていたのは、長野のパンドラの箱。困り果てた直子は、夫の学生時代の同期である浅見光彦に相談をするが…。一方長野県では殺人事件の捜査を“信濃のコロンボ”竹村警部が取り仕切っていた。何故、男は殺されたのか。信濃を巡る巨悪に、浅見と竹村が挑む!
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
知人に「読む?」と言われたので借りた一冊。日本を代表する現代ミステリー作家の一人である内田康夫さんの「浅見光彦シリーズ」であり、同時に「信濃のコロンボシリーズ」との合作ないしクロスオーバー的な要素のある作品。
私自身内田さんの作品を多数読んでいるわけではないので、あれこれと過去作を引きあいに出して語ることは出来ないのだが、全体的な印象としてはさすがに多数のシリーズを抱えているミステリー作家ではないな、という感じで良い意味の様式美がしっかりと完成している印象。
光彦や竹村警部単体とはたぶん違った風合いというか味が出て居るのかもしれないけど、それより二人の視点があることでスムーズに話が流れていたことの方が特徴なのかな。
話のストーリーとしては、タイトル通り長野県を舞台とした殺人。いろいろとモデルがありそうだ。まぁ、そんなのは語るまでもないか。名刺を折られた文筆業出身の知事とかね。そういったリアリティがいろいろと読者の妄想力を刺激してくれるのかもしれない。
ミステリーとしてはちょっと落としどころとしてはもう一つといったところ? 意外性はあまりなく、終盤駆け足だった割には普通な落としどころに落ち着いてしまった感じがする。
評価は、★★★☆(3.5点 / 5点)。
Comment
Comment_form