天使の耳

著:東野 圭吾 発行元(出版): 講談社
≪あらすじ≫
深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か。死んだドライバーの妹が同乗していたが、少女は目が不自由だった。しかし、彼女は交通警察官も経験したことがないような驚くべき方法で兄の正当性を証明した。日常起こりうる交通事故がもたらす人々の運命の急転を活写した連作ミステリー。
(BOOK データベースより抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
東野圭吾さんの95年に講談社から出した作品(厳密には91年に実業之日本社から出した?)。
交通事故や交通絡みをテーマにした連作の短編ミステリー集。ただ、私はそれ以上に「警察の頼りなさ」を感じずにはいられなかった作品だった。もちろんすべてがそうではないのだけど、結局のところ多くのエピソードの結末に「警察や法律は頼りにならないから……」という感じのものが占めていた気がする。
登場人物が狡猾で巧みだなと思ったのは『天使の耳』と『危険な若葉』。
ある種狂気じみていたのは『分離帯』かな。その行動は「確かに」と思ったが、それを実際に出来てしまう辺りが凄い。
小説として「巧い」と思ったのは『捨てないで』。ポイ捨てした空き缶が捨てられることが一つの鍵になっている流れは上手いなと。
評価は、★★★★(4点 / 5点)。連作なのでやはり当たり外れは若干あるものの、そこはさすが東野圭吾さんといったところだと思う。
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