機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第23話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]
『最後の嘘』
≪あらすじ≫
エドモントンを目指す鉄華団の前に、決闘を望むカルタが立ち塞がる。しかし、三日月たちはその歩みを止めることなく前に進む。
(公式HP あらすじ より抜粋)
≪感想≫
◆貴族としての名誉と戦場と -カルタの最期-
セブンスターズ。それが、かつて厄災戦において戦場で多大なる戦果をあげ、ギャラルホルン設立の一因となった家柄であることは前回マクギリスが指摘したことだ。言ってみれば、セブンスターズとは戦場での活躍で今の地位を作った戦士の家系なのだともいえるのだろう。
しかし、カルタの現状は腐敗したギャラルホルンを現していたのかもしれない。手厳しい言い方になるかもしれないが、カルタ・イシューはプライドばかり高く、戦場を競技場、戦争をスポーツか何かと勘違いしたまま死んでいった。
戦いとは生きるか死ぬか、だ。敵を前に自らコックピットから出て姿を見せ、名乗りを上げて、場所をセッティングして正面からぶつかり合う。彼女が望んだ戦場はまるでスポーツだ。その「勘違い」が、もしかしたらマクギリスからしたらギャラルホルンが地球圏の支配者かのように振る舞い腐敗の温床となっている「勘違い」に似ていたのかもしれない。
三日月の先制攻撃に、もしかしたら批判はあるのかもしれない。まぁ、賛否はあるだろう。ただ、戦場で斃すべき敵を前にした時にカルタたちの言動の方が私には異常に見えた。常に数で圧倒し、敵の指令が乗っていると分かればモビルワーカーすらモビルスーツで攻撃してきたのはカルタたちではないか。そもそも30分の間、敵の増援が来ないとも限らない。あの場所で30分も立ち止まらせること自体がギャラルホルンの狙いではないか。そういうことを考えれば、三日月からすれば「正々堂々? あんたたちギャラルホルンが今更それを言うのか」ってところだろう。ダブルスタンダード、自分たちのことを棚に上げて、とはまさにこのことのようにも見えた。
さて、物語としては実に三日月とカルタという二人のキャラクターを「演じ切らせた」という点で私は高く評価したい。カルタ・イシューというキャラクターは、初登場の時から戦場や戦争というものを命のやり取りが欠如した勘違いをしていたキャラクターだと思っていた。部下たちにわざわざポージングさせたり台詞を言わせたりと、それは軍隊というより部活動的で、それを戦場でモビルスーツに乗ってもやってしまう辺りが特にそうだったわけだ。
今回カルタは、そんなキャラクターのまま死んでいった。それはとても作品として、あるいは物語として「正しい」ことだったんじゃないだろうか。これを観た視聴者、特に若い世代には三日月の先制攻撃の是非と共にカルタの言動は本当に軍人として、戦場という地で指示を出す責任者として正しかったかどうかというのを自分なりに考えて欲しいと思う。その回答はともかくとして、「考える」ということをさせられたならカルタ・イシューというキャラクターは、意味ある成功したキャラクターと言っていいだろう。
そして三日月。彼の先制攻撃には、あの昭弘ですらドン引きし、「グロイ」とまで言わせた。オルガもその攻撃に「三日月、お前…」と漏らしている。しかし、彼のその言動には一貫性がある。「立ちはだかるものは叩き潰す」というのは、彼自身が前回自ら宣言していたことで、それを彼は実行したに過ぎない。
大きいのは、彼の背中を観ている多くの子供たちがいる、ということだ。メリビットはたぶん三日月のその残虐性や狂気性を子供たちに見せて学ばせてはいけないと感じたのだろう。一方で子供たちは三日月の有言実行さや自ら先陣を切って弔い合戦を戦う勇猛さ(あるいはそこにある哀しみ)みたいなものを感じ取っている気がする。
これって、今の親と子に近いものがある気がする。親や保護者たちが自分たちの価値観で勝手に決めた有害物から子供たちを遠ざけようとしている。それは残忍なゲームだったり書籍だったり。けれど、子供たちが観ているのはそんな残虐性とか狂気性じゃない所を実は観ているのではないか、と今回観ていて思った。
遠巻きにそういったサブカルに携わり序盤のクランク二尉の殺害シーンでBPOに視聴者から苦情が回ったことに対する、脚本に携わった岡田さんなりスタッフさんなりの皮肉なのかな、とも思った。
こういう部分から三日月とカルタ、二人のキャラクターはそれぞれちゃんと自分のキャラクターというものを演じきったのかな、と。
余談。
アインは強化人間、か。っていうより、たぶん半分くらい機械化してるよね、あれ。まぁ、復讐者のなれの果て、としては一つの形なのかもしれないが…来週は何人アインに殺されるのだろうか……。
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- [アニメ(放送終了):機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]
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NoTitle
戦場の暗黙の了解による戦いから、流血を伴わない競技としてのスポーツが生じたことを考えると、カルタ氏の言動は、行き過ぎた軍人の姿の一つと言えるのかも知れませんね。