機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第22話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]
『まだ還れない』
≪あらすじ≫
ギャラルホルンとの度重なる戦闘で疲弊する鉄華団だが、エドモントンへ向かう意志は強く、歩みを進める。
(公式HP あらすじ より抜粋)
≪感想≫
◆悪魔との契約
オルガにとって、三日月との幼少時に交わした約束は正しくソレなのかもしれないし、今日ほどそれを強く感じた日もなかっただろう。詳しいことは分からない。ただ怪我をしたオルガに代わって三日月が誰かを殺した。それだけは事実で、たぶん三日月が殺した「誰か」が、オルガにとって三日月に対する負い目と恐怖心と走り続けなければならない理由になっている。あるいは「誰か」ではなく、幼い子供ながらに友人の一人に殺人をさせたということ自体がそうなっているのか。
三日月の発破に応えてしまったオルガ。素直にとらえればオルガは自棄っぱちになっている、ということ。ビスケットが死んでも止まらない三日月に掴み起こされて、そこで彼の言葉で自分が背負っているモノ、三日月に背負わせたモノに気付かされた。止まることは出来ないなら進むしかない。自棄になってでも、と。
流れとしては、やはり第三者としては不安な立ち直り方だ。実際、メリビットもそう感じたのだろう。一方で、オルガがそれによって立ち直ったのも事実だ。
「次どうすればいい」
なんて言われれば、普通は「自分で考えろ」と返してしまうだろう。オルガももしかしたらそれだけならそう返したかもしれない。けれど、それで終わらない。
「次は誰を殺せばいい」「何人殺せばそこに辿り着ける」「連れて行ってくれるんだろう、俺たちを」「俺はそのためならなんだってやる」「次は誰を殺して何を壊せばいい」
その問いは、オルガを追い詰めただろう。
なぜか。それは彼が今まで散々自分が三日月にしてきたことだからではないか。三日月が誰を殺しても、何を壊しても、壊されても、「次に何をすればいい」と言ってくれる三日月に甘えてオルガはずっと無情に指示を出してきていたのだとすれば……。
『鉄血のオルフェンズ』と言う作品を「『次は何をすればいい』とオルガに依存している三日月が成長し、オルガから離れて自分で考える物語」という解釈をしている視聴者も少なくないが、私は違う。私から見てオルガと三日月の関係性は対等だ。オルガは三日月に命令し、三日月はそれに応える。これだけなら二人は上下関係にも見えるが、実際には三日月は彼が言う「誰も見たことのない場所」へ連れて行く対価としてオルガに代わってその手を血で穢し、汚れ仕事を請け負っている。故に二人の関係は対等。ある種の契約関係。
だからこそあの三日月の問い掛けは、ある意味でオルガへの借金取り立てに近いようにも見えた。「今まで散々貸してきた分、お前は俺に返してくれてるのか」と。それは実際に返し切れてはいないだろう。「鉄華団」という一つの居場所は設立した。しかし、オルガが、三日月が言うようにCGSだけでなくギャラルホルンを敵に回しての独立だっただけに今後もギャラルホルンに追われ続ける。それでは足りないはずだから。
あとは、三日月が笑ったんだよね、オルガの啖呵に。もしかしたらそれはどこか一話のオルガに近いからなのかもしれない。一話や序盤を見返してみないと精確なことは言えないけど、鉄華団を作ってそのトップとしてやり取りし鉄華団を家族として考えて動いていた今までのオルガは、三日月からすれば昔ような必死さだったり泥臭さだったり闘争心だったりしたものが欠けて物足りなく感じていたのかもしれない、とも思ったり。
余談。
メリビットのことが言っていることが正しいか否か、というのは賛否が分かれそうだ。確かに仕事は議会までの護送だ。目的が不明瞭になって本来すべきことを見失っては本末転倒だ。それを考えればトップは冷静でなければならないだろう。
だが、三日月が言っていることも間違いとは言い切れない。今度の仕事が終わればすべてがリセットではない。仕事が終わってもギャラルホルンは鉄華団を追い続けるだろう。その仕事が終わった瞬間、蒔苗が裏切らないとも限らない(実は個人的に、議会に到着した瞬間に蒔苗がクーデリアを生贄にして裏切りそうだとはずっと思ってる)。
そうなった時にどうするのか。いや、「そうなった時」ではない。現在進行形で、今がまさに「そうなっている時」なのだ。ギャラルホルンは少しずつ鉄華団を目の敵にして追ってくる部隊が増えている。目の前の火の粉を払っていても、大元の火種があり続ける限り、火の粉は永遠に降り注ぐしそれを振り払い続けなければいけない。たとえ相手と組織の規模がまるで違うとしても、だ。
今更ギャラルホルンと和解も出来ないだろうし、その道があるとも思えない。というか、「目の前の立ちはだかる敵をぶっ潰す」ってぶっちゃけ今までそんな大差あるとも思えないしね(苦笑
余談その二。
マクギリスさん、貴方がその内通者じゃん(笑
さて、マクギリスの真の狙いはなんだろう。ガリエオに発破をかけてアインの機械化と秘匿されていたMSの持ち出しをさせ、さらに鉄華団へと狙いを向けさせている。普通に考えれば、両者をぶつけて力を消耗させたところで漁夫の利を得る、というところだろう。だが、ギャラルホルンと鉄華団では組織の規模がまるで違う。
両者をぶつけての利点。戦績を考えれば鉄華団(三日月とバルバトス)が、ガエリオやカルタに勝つことを期待している、ということか。当然勝つことで相手を殺して排除すること、という意味だ。マクギリスは養父の計略も見抜いているはず。それらを踏まえた上で鉄華団を、極秘裏の私設兵団としてギャラルホルンの土台を揺るがすような使い方をしたいのだろうが……。
余談その三。
三日月の「あと何人殺せばいい」ってヒイロを思い出した。ただ、言っている言葉の意味がちょっと違うけどね。オペレーションメテオを経ているからもう誰も殺したくないと思っていたヒイロと、今なおミッション中で何人殺してでも目的地まで辿り着いてみせるという三日月って感じ。
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僕も三日月とオルガ、2人のシーンを観ていて、三日月に何か「悪魔」っぽさを感じたんですよね…。
全話通して初めてじゃないですかね、三日月が「オルガ・イツカ!」ってフルネームで呼んだの。とても印象的でした。
「蒔苗がクーデリアを生贄にして裏切りそう」
やっぱそっちの方向ですかね?
基本この作品に登場する「大人」達は「黒い」ヤツばっかりですからねぇ…。
と言って対する鉄華団やクーデリアが「白い」純粋、無垢な人間とは言えないですけど。
(直接、間接でも「人殺し」ですからね)
(余談)カルタはこのまま「ドロンジョ様」的な扱いでいいかな、と思ってます(笑)。