地獄少女 二籠 第11話
地獄少女 二籠 第11話「遠い隣室」
<あらすじ>
201号室に越して来たライター・天城志津子(あまぎ・しずこ)は部屋に駆け込むと、机の中にしまっておいた赤い絃の巻かれた藁人形を取り出し、そして容赦なく絃を引いた。
志津子の記憶は過去へと飛ぶ。
連という男性に手伝ってもらって引越しを済ませた志津子。隣に引越し蕎麦でも、と思い訊ねるも不在。ふと、外を見かければそこには少女が遊んでいる。外に出てみると少女はいなかったが、代わりに白い野良猫がいた。野良猫が餌にしているのは、腐った肉のようなもの。これではいけないと思って志津子は、市販の猫缶を飼って来て与えてあげようとするが、あまり食べようとはしない。
昔、猫を飼っていて喪ったショックから二度と猫を飼うまいと決めていた志津子。その時の知識もあって、とりあえず野良猫を獣医に見せてみることに。獣医によれば、軽い口内炎が食べない原因だが腎臓に障害を持つ傾向があると言う。
二度と猫は飼わない
そう決めた心はあっさり揺らぎ、志津子は猫に「ムル」と言う名前をつけて部屋で飼うことにした。
続きはOPENからどうぞ。
<あらすじ・ネタバレ>
しかし、猫を飼い始めてしばらくして無言電話がかかるようになって来た。深夜にもお構いなしでかかってくる無言電話や頼んでもいない出前や通信販売の品、そして置手紙に、睡眠時間や仕事時間を削られ、精神的にも疲弊していく。それは、結果として仕事にも大きく影響してきて、遂には上司から咎められる事態に。そんな中でも、猫と言う存在は志津子の心に安らぎを与えてくれ、志津子の中で猫への感情も日に日に増してくる。
引っ越すことも考えたが、引っ越して間もない志津子に引っ越せるだけのお金があるわけない。おまけに、今度はペット可の場所を探さなければならない。そうなれば、今の場所から遠かったり、敷金3か月分を先に納めなければいけなかったりと条件が高過ぎる。探偵に頼んで嫌がらせをしている相手は、隣の202号室に住む立花今日子(たちばな・きょうこ)だと解り、早速謝罪と半年待って欲しい旨をしたためた手紙を送る。だが、手紙は逆効果。今度は部屋の壁を叩かれ始めた。
志津子はまだこのとき知らなかった。手紙に書いたように、今日子は別に猫嫌いで志津子に嫌がらせをしているのではない、と言うことに。
そんな折、志津子が自宅に帰ると扉が開いている。部屋の中を探してもムルの姿は見つからない。連も呼んで、一生懸命探す志津子。公園で遊ぶきくりに猫を知らないか、と訊ねるときくりは真っ直ぐ志津子の住む部屋の隣―――今日子の部屋を指した。
まさか、と思い今日子の部屋の前にまで駆けつける志津子。そこには大きなビニール袋が。袋を開けると、そこには血の滴る幾つも分断された肉が。猫嫌いの立花今日子が、ムルを引き裂いた。そう思った志津子の我慢は限界を突破した。部屋に戻り、藁人形を掴むと赤い絃を解いた。
だが、何かが違った
藁人形が消えない。手の中に納まったまま。気づけば、部屋の廊下には連の姿があった。いや、それだけではない。彼女を囲むように輪入道や骨女の姿も見られる。
「無言電話をかけられ続けて消耗しただろ?」
「壁を叩かれて怖くなかったかい?」
「大事な猫を奪われる気持ちはどうだい?」
「天城志津子さんの気持ちがわかったかい? 立花今日子さん?」
「え?」
突きつけられた鏡に映るその姿は、立花今日子だった。そう、今までの全ては立花今日子に、天城志津子が味わった憎しみや苦しみを全て疑似体験させるためのものだったのだ。自分が用意した肉の渦に飲み込まれる今日子。頭上に現れたあいの声も心なしか、怒りが篭っているようにも聞こえた。
「いっぺん、死んでみる?」
地獄に流される今日子。今日子は猫が嫌いなわけではなかった。むしろ、ようやく懐いてくれた「ムル」―――今日子が実は「ミー」と名づけていた野良猫が、友達のいない今日子にとっては唯一の友達のようなものだった。だから今日子は志津子が許せなかった。後から着て、ミーを奪っていく彼女が。
「話し合う? そんなの、思いもしなかった」
人付き合いが下手な今日子に、歩み寄るという手段はすでに最初から頭の中には存在していなかった。それは確かに今日子の欠点ではあるが、得手不得手は誰にでもあるもの。
誰が悪いわけでもない依頼の結末。
それを見た一目連は、どこか憂いの表情を浮かべていた。
その頃、本物の天城志津子は今日子の部屋で生きているムルを見つけた。だが、そこで志津子は愕然とする。彼女の部屋は、ムルの写真がいっぱい貼り付けてあったのだ。少し異常とも取れるが、それだけ猫を愛していた証拠だった。本当に怨むべき相手だったのか、本当に地獄に流す必要があったのか。先に猫が出て行った部屋の中、1人志津子は立ち尽くすのだった。
<感想>
ちょっと意外な感じでしたねぇ。まさか、本編全体がお仕置きシーンだったとは驚きです。いや、確かにお仕置きシーンカムバック!と願ったのは事実ですが、いきなりこんな長くやらなくても( ̄∇ ̄;)
今回は、地獄に流す相手に恨みを抱くとはどういうことか、と言うことを依頼者の記憶を基に疑似体験させたものでした。結構、効果的ですよね……お仕置きになっているかどうかは別として。
一応配役を。
○一目連
志津子の男友達
○輪入道
蕎麦屋・寿司屋の出前、探偵、志津子の勤める会社の上司(?)
○骨女
ピザ屋及び宅配・不動産屋
○きくり
少女
○あい
宅配屋( ̄∇ ̄;)
まさか、あいまで加わっているなんて。しかもセリフ付き。リアルタイムで観てると「あぁ、調査か」とか思うんですが、全部知った後で見直すと微笑ましいというか笑える。
今回の事件、全ての始まりは志津子が猫を飼ったこと。首輪が付いているわけでもないし、特に飼っていたと言う事実が今日子には無かった。ただ公園で餌をあげていただけ。どこから飼育している、と言う線引きが難しい問題ではありますけどね。ここだけの話、最初は猫を奪われた(?)今日子が依頼人で志津子を地獄流ししようとしている、と思ってました( ̄∇ ̄;)
「話し合おうとは思わなかったのか」と一目連に流される時、訊ねられましたがおそらく無いでしょうね。もし今日子が、私たち視聴者のように志津子の性格(温和で優しそうで、共同飼育を受け入れてくれそう)を知っていればその余地はあったかもしれません。ですが、リアルに今日子の気持ちになってみれば相手はもしかしたら猫の飼育について、変な言い方ですが独占権を主張するかもしれない。そうなれば、話し合うには話し合えるだけの確証や裏づけが必要でしょう。そして今日子にはそれが無い。
良くも悪くも今日子は、そう言った対人交渉能力(コミュニケーション能力)に欠けた現代人だな、と思います。
最後、猫が生きていたこと、今日子がどれだけ猫を愛していたかと言うことが解ったことが救いであり、苦しみです。自分の苛立つ感情に任せ、猫に八つ当たりし殺すことの無かった動物を慈しむその気持ちは立派で素晴らしいし、動物虐待を予想していただけに見ていて救われた。だからこそ、それを同じ動物である人間にも少しでいいから向けて欲しかった。向けていれば、と思うと苦しいですね。
今週のきくりは、だいぶあいに弱いということが判明。そして遂に三藁と本格対立??? 確かに甘やかして育てすぎだと思いますね、うん。
次回は「黒い轍(わだち)」。 次回も今回と似たような形でしょうか? あいたちが地獄少女とその仲間と言うことを隠して、依頼候補者に接近する感じ?
<MVC>
あい
「……御代を」
あいにあんなこと言われたら頼んで無くても払ってしまいそうだ(マテ まぁ、それは冗談にしてもなんか新鮮だ、あいのああ言う姿は。セーラー服はこの前、別Ver.で出てきましたけどね。
<TB先 参照リンク(URLアルファベット順)>
・http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/50690746.html
・http://blog.livedoor.jp/natsu_ki00/archives/50467404.html
・http://blog.livedoor.jp/radical_weapon/archives/50796896.html
・http://blogs.yahoo.co.jp/nanajigo/43321220.html
・http://chalcograhie.blog21.fc2.com/blog-entry-1983.html
・http://futarinoneko.blog61.fc2.com/blog-entry-453.html
・http://hashinomierufuukei.blog41.fc2.com/blog-entry-818.html
・http://omochiyasan.blog69.fc2.com/blog-entry-423.html
・http://raitoningu.at.webry.info/200612/article_12.html
・http://rincolu.blog15.fc2.com/blog-entry-1061.html
・http://takoyaki-tako-tako.de-blog.jp/takotako/2006/12/post_4e87.html
Comment
Comment_form