殺人現場は雲の上

著:東野 圭吾 発行元(出版): 光文社
≪あらすじ≫
新日本航空の花のスチュワーデス、通称・エー子とビー子。同期入社でルームメイトという誰もが知る仲よしコンビ。容姿と性格にはかなり差がある凸凹コンビではあるけれど…。この二人が奇妙な事件に遭遇する。昼間、乗務中にお世話した男の妻が、自動ロックのホテルの室内で殺害されたのだ。雲をつかむような難事件の謎に挑む二人の推理はいかに?
(文庫本裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
東野圭吾さんの作品の一つ。
容姿・性格が真逆なのに親友同士のスチュワーデス、エー子とビー子。そんな二人が舞いこまれる事件の数々、という短編集。設定はどこにでもありそうなもので、ミステリーとしても秀逸というわけではないが、どちらにせよ安定感がある感じかな。
以下、個別感想。
ステイの夜は殺人の夜
もしかしたら一番ミステリらしいミステリだったかもしれない。とjはいえ、トリック的には九十年代に書かれたものだな、と時代を感じてしまう部分もあるけどね。
忘れ物に御注意ください
正直、犯人にはもっとキツイおしおきがあって然るべきだったような気がしたエピソード。謎そのものよりも、終わり方がちょっと微妙だった。
お見合いシートのシンデレラ
これを果たしてミステリーと呼んでいいかは分からないけれど、まぁ謎のあるエピソードだったとは思う。欲を言えば、もう少しその真相に読者が読んでて辿り着けるだけのネタだしはして欲しかった。
旅は道連れミステリアス
自殺を他殺に見せかけるために他人を殺すって、正直迷惑極まりない犯人のエピソード。もう完全にとばっちり。もうひとひねりくらいは欲しかったかもしれない。
とても大事な落とし物
犯人探しというか、差出人探しのエピソード。数少ない情報と手がかりから差出人を見つけるというのは、土台がしっかりしていて面白いエピソードだった。
マボロシの乗客
はた迷惑な乗客その二。まぁ、それだけだね、ほんと。
狙われたエー子
ミステリーとしては正直ご都合主義というか、ちょっと作り過ぎた感がある。まぁ、そこを「作ら」ないと成り立たないトリックでもあるんだけどさ。
評価は、★★★(3点 / 5点)。飛び抜けて面白いわけではないが、短編ならではの読みやすさと安定感のある一冊。
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