雛菊こころのブレイクタイム1

著:ひなた 華月 イラスト:笹森 トモエ 発行元(出版): 講談社
≪あらすじ≫
伊莉也は実家の喫茶店に現れた美少女に思いを馳せていたが、再び会う事も叶わずにいた。進学した高校では勉学に追われ友人作りに乗り遅れたりと、少々ブルーな毎日…。そんな時、生徒の悩みを聞いてくれる“お雛様”の噂を耳にする。その人物こそ、伊莉也が思い焦がれていた少女・雛菊こころだったのだ。不思議な縁から相談事にやってきた生徒にコーヒーを入れる役目を仰せ付かった伊莉也。バレー部の部長や恋に悩む上級生、こころのライバルや生徒会長まで!様々な相談事をこころはちょっとした心理学を用いて解決していく。しかし、こころが相談室を開いた理由にはある過去が関係していた!?第4回講談社ラノベチャレンジカップ“佳作”受賞作。
(文庫本裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
時々、ラノベを手に取る。今回はこの作品。
ラノベと言ってもどちらかといえば普段読んでる日常系の文庫に近い感じのあらすじに惹かれ、序盤はそんな感じ。高校デビューで乗り遅れ友達作りに失敗した主人公が出会ったのは、「お雛様」と呼ばれる文字通り学生(の)相談員的存在の雛菊こころ。多くの著書を読むことで心理学を学んだ彼女はその知識を駆使して今日も相談に来る学生たちの悩みを解決していく、と。
ただ終盤にかけてそう言った心理学的部分が消えてしまう部分や、こころが主人公の伊莉也のことを覚えて居たりと、完成度としてはイマイチ。まぁ、終盤の青春っぽいところが「中高生向けのラノベ向き」といえばそうかもしれないが。
評価は、★★★(3点 / 5点)。アイディアとしては悪くないしキャラクターも濃さと物語とのバランスも良いが、終盤にかけて「心理学を用いて解決していく」という部分が消えたり途端に熱血漢になったりとラノベらしい反面、一冊の本としてのまとまりに欠けたようにも見えた。
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