ドラマ版掟上今日子の備忘録 第10話(最終回)
≪あらすじ≫
今日子(新垣結衣)が姿を消して以来、厄介(岡田将生)は彼女を探し続けていた。10日目、厄介は、デートの約束をしていた映画館の前で黒髪になった今日子を見つける。しかし、厄介が声をかけても、今日子は“掟上今日子”という名前も忘れており、厄介を冷たくあしらって去っていく。厄介は今日子の後を追うが、途中で見失ってしまう。
翌日、今日子を見失った場所を再び訪れる厄介。今日子の姿を見つけ、声を掛けようとすると厄介の前に、澤野(要潤)が立ちはだかる。今日子は、いまは澤野の妻・里美として暮らしているという。二人は昔出会って結婚までしたが、彼女が突然いなくなってしまい、何年も探していたのだと聞かされる厄介。里美と呼ばれる今日子は、澤野に守られて穏やかな暮らしをしているようだった。厄介は今日子の幸せを壊したくないと思い、彼女に別れを告げる。
一方、「サンドグラス」は、閉鎖の危機に。スポンサーだった大金持ちの態条が亡くなったため、法郎(及川光博)は「サンドグラス」の経営を続けていくのは難しいと考えていた。それは、同時に“探偵・掟上今日子”の居場所が無くなることも意味する…。態条の死のタイミングで今日子が失踪し、夫という男まで現れた。今日子の過去と態条の死には何か関係があるのか?謎は深まるばかり。
今日子が探偵として生きてきた痕跡は、次々と消されつつあった。厄介は、今日子を忘れようとするものの、忘れられない。そんな中、刑事の遠浅(工藤俊作)が厄介を訪ねてくる。厄介は遠浅から、4年前に今日子が解決した殺人事件に澤野が関わっていたことを知らされ…。
(公式HP STORY より抜粋)
≪感想≫
忘却探偵最終話。
ドラマオリジナルの展開だが、展開としては及第点といったところではないだろうか。特に土曜九時という時間帯を考えれば原作にはほとんどないラブロマンスを取り入れ、サスペンスにも近い逃走劇でハラハラ要素を組み込んで盛り上がりを作ったと思う。「今日」と「明日」という、掟上今日子にとって大きな違いを組み入れたセリフ回しもグッド。
一方で最終回としては合格点には遠いかな、と思ってしまう。何と言っても記憶のない今日子さん相手のラブロマンスの難しさがやっぱりネック。結局忘れてしまう彼女に対する、厄介の出来ることとはなんだったのか。それが覚えているだけ、というのは回答としては厳しいのではないかと思ってしまう。もうひと押し、青臭い台詞でも良いので欲しかったかな。
それにしても結局結納坂への制裁がないっていうのがね。拉致監禁の容疑……になるのかどうかというのは分からないけどさ。犯人やその裏にある黒幕へのお咎めが何もないっていうのは、最終回ということを踏まえると不完全燃焼か。またミステリー要素がほとんどなかったのもいただけない。
何より、今日子さんならもう少し何とか出来た気がしてならない。寝たふりをしただけで寝てなかった、というのは苦しい言い訳だった。徹夜という要素はかつてのエピソードから引っ張ってきたんだろうが、脅迫され拉致され眠らされるまでに今日子さんならなんとか出来そうで、その「なんとか」によって今日子さんは実は「掟上今日子」としての記憶をこっそり保っていた、くらいのどんでん返しはやっぱり欲しかったかな。
総評としては、原作既読者として臨んだドラマだったが結構楽しめたと思う。キャラクターは予想以上にしっかりとハマっていたと思うし、法郎始めオリジナルキャラクターたちの存在感も十分。視聴率的には平均かやや下と苦戦しているようだが、数字以上の面白さはあるんじゃないかな、と思う。
基本的に原作にあるエピソードを実写化しているだけなので原作既読からするとミステリーやストーリーでの目新しさというのは薄いのだが、それを差し引いても面白かった。今週末には原作最新刊も出ることだし、特番一本分くらいは期待したい。
- at 22:25
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