ドラマ版掟上今日子の備忘録 第5話
≪あらすじ≫
厄介(岡田将生)は編集者の重信(神保悟志)から、今日子(新垣結衣)と共に、人気推理作家・須永昼兵衛が開催する“須永フェスタ”に参加しないかと持ちかけられる。
須永フェスタとは、須永が書きあげた新作原稿を自らの手でどこかに隠し、ヒントを元に編集者たちが探し出すというイベント。次の日曜日に軽井沢の須永の別荘で開かれるという。今日子は須永の大ファンで、絶対に参加すると大喜び。
須永フェスタ当日、待ち合わせ場所に来た今日子は、“人生最良の日”とテンションが高い。厄介は、須永邸に到着するまでの間、二人きりの時間を過ごせると胸をときめかせるが、二人の前に止まったバスは塗(有岡大貴)が運転し、法郎(及川光博)とまくる(内田理央)が乗っていた。今日子たちの軽井沢行きをうらやましく思った“サンドグラス”のメンバーも、今日はみんなで休みを取り軽井沢にバス旅行へ行くのだという。今日子と厄介もそのバスに乗って、軽井沢まで行くことに。
今日子たちは、須永の別荘に到着。厄介は重信から、須永の急死を知らされる。今度は正式な仕事として須永の原稿探しを依頼されるが、厄介は、須永が亡くなったことを今日子に知らせず、須永フェスタだと思わせたまま原稿を探すことに。厄介は、今日子にとって“人生最良の日”の喜びを壊したくないと思ったからだった。須永ファンの遠浅刑事(工藤俊作)もフェスタの噂を聞きつけやってくる。今日子と遠浅は我先にと争うように原稿を探し、須永の私生活を垣間見ようとする。
何も知らず、原稿探しを楽しむ今日子。そこに須永の死を聞きつけた様々な客がやってくる。
厄介は、今日子が原稿を見つけるまで須永の死を隠し通し、今日子の“最良の日”を守ることができるのか?
(公式HP STORY より抜粋)
≪感想≫
忘却探偵第五話。
大はしゃぎする今日子さん、がある意味でテーマであり、そこにある厄介の優しさの見え隠れがどう今日子さんの心を動かしたのか、というのが裏にあった一話。
一見すると厄介の「須永先生は来ませんから」の一点張りはむしろ怪しいことこの上ないが、今日子さんが嘘に敏感なことを考えれば下手に嘘を吐く方が見破られやすかったのかもしれない……とポジティブに解釈してみる。それにしたって嘘じゃなくても、もう少し誤魔化す言い方は出来た気がするが(苦笑
今日子さんのため最良の一日を守ろうとした厄介と、そんな厄介の嘘をなんだかんだで見ぬけてしまう今日子さんが敢えて吐いた優しい嘘。
積み重ねなんてものはすでにない忘却探偵の心を、きっと厄介に限らず誰だって動かすことは出来ないのだろう。その日一日、もしかしての展開はあってもそれはその日だけ。次の日には続かない。要はそこを厄介が受け入れられるのかってところなのかな。まぁ、懲りずにこうも頑張っている時点で、厄介は受け入れている気もするが。
ストーリー的には、まぁ単純なミステリーか。視聴者としてもあのヒントだけで解けた人はもしかしたら解けていたかもしれなくて、さらに四番目のヒントも途中で出てきて、ってところ。原作読んでたのでさすがに知っていたのだが、改めて短編日常系ミステリーとしての謎解き要素としてはそこそこうまく纏まっているんじゃなかろうかと思った。
また単純なミステリーに留まらず、遠浅刑事に指摘されたように積み重ねが出来ない忘却探偵には解けない謎があるという指摘に、最後は記憶を積み重ねるからこそ忘れてしまうこともあってそういう意味で記憶をこれ以上積み重ねない忘却探偵だから解けた謎があった、というのは皮肉が利いていて面白い。
さて、ナレーションにあったように須永先生が絡むエピソードはあと一つあるわけだが、まぁもしかしたらアレは最終話かな。次回は、最新刊「遺言状」編のようだ。一応長編なのだが、一話で全部やってしまうのか、前後編くらいには分けるのか?
- at 23:25
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