ドラマ版掟上今日子の備忘録 第2話
≪あらすじ≫
隠館厄介(岡田将生)は、掟上今日子(新垣結衣)との出会いを忘れられないでいたが、一方忘却探偵の今日子は、厄介と出会ったことすら忘れてしまっていた。そんな中、アパルトマン兼探偵斡旋所「サンドグラス」を訪れたのは鯨井留可(くじらいるか)(堀井新太)。鯨井は殺人事件の容疑者にされており、犯行時間に一緒にいた、アリバイを証明できる女性を探していた。総白髪で、調査の仕事、推理小説が好きなその女性…その人こそ、掟上今日子であった。
記憶が1日でリセットされる今日子には、数日前のアリバイ証言は不可能だった。その代わり今日子は、鯨井を依頼人として助けるべく、事件の調査を請け負う。鯨井と二人で楽しそうに調査に出かける今日子を恨めしそうに見つめる厄介。さらには持ち前の不運さで、鯨井の代わりに殺人事件の重要参考人として指名手配されてしまうのだった!
事件の被害者は、宇奈木九五(うなききゅうご)(篤海)。鯨井と宇奈木は、大学時代の級友で、競泳選手としてのライバル。「サンドグラス」のメンバーが、鯨井のアリバイ証言に違和感を持ち始めた頃、今日子と鯨井は犯行現場のマンションで二人きりになり、今日子の首に鯨井の手が伸びていた…!?
(公式HP STORY より抜粋)
≪感想≫
一話を絶賛した『忘却探偵』の実写ドラマ版二話。今回も前回同様、文字演出や紙芝居のような切り貼り演出が随所に見られ、ああいったアニメ化された西尾作品(シャフト作品)を意識した演出が初回だけのものじゃないことにまずは一安心。鯨井さんと瑠可さんで呼称がバラバラになってたような気もしたけどw
原作は『掟上今日子の挑戦状』の第一話『掟上今日子のアリバイ証言』から。ほぼ原作通りと言っていい内容だが、ガラリと変わった部分がある。
それは視点。
原作では犯人(?)である鯨井視点で描かれている作品だったのだが、そもそもドラマ版では『古畑』などのような倒叙形式を用いていなかったこと、原作未読の一般層でもウケが良いだろうことなどを考えたのか、三人称視点を軸としていた。それが最大の違い。
まぁ、これはこの作品に恋愛要素を投入するためにそちらの方が都合が良い――というか、そうじゃないと都合が悪いということなのだろう。
あくまで私の個人的な印象に過ぎないが、原作だとここまで露骨な恋愛要素というのは見受けない。現在読んでいる途中の『遺言書』だと辛うじてそういう要素がないわけではないし、今回「厄介さん」「今日子さん」と名前で呼び合うことになった要素も実は『遺言書』で描かれていた内容だと思うくらいなのだが、さすがにそれだとドラマとしては微妙なのだろう。
もちろん、掟上今日子という忘却探偵としての特性を考えればこの作品でそもそも恋愛を描こうとする試みそのものが無駄なことであり、意味のないことだとも思わなくもないが、一方で「記憶をなくすといっても、その時感じた今日子さんの想いはどこへ行くのか(恋心含めて)」というのは、「魂とは身体のどこにあるのか」という問いかけと上手くマッチしていたと思う。
そういう意味では原作の話と設定と、ドラマにした時にどうしても入れたい(ウケを良くするために入れなくてはいけなかった)要素を上手く折衷案的に取り入れたのかな、と思った。
- at 01:04
- [特集:忘却探偵(掟上今日子)シリーズ]
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