ブラッディ・クロス 第12巻(完)

≪あらすじ≫
最後の聖戦、運命の戦いに勝利するのは誰か?
13個の神の遺産が揃い、ついに神座が開く。次期神の座を手にする者は一体誰か?
そして、日向の前世からの悲願である「聖戦の破壊」は成るのか?
血の運命と宿命が交差する物語、堂々完結!
(コミックス12巻カバーより引用)
≪感想≫
半年に一度の楽しみのブラクロ最新刊。ガンガンを毎月買えば良いんでしょうけど、コミックス派にはそれはそれで楽しみがあるんですよね。まぁ、それはさておいて。
これより先、ネタバレあります。ネタバレが嫌な方は今すぐ戻ってくださいね。
ネタバレOK? では、感想どうぞ。
まずは表紙。
あれ最終巻の表紙だけ絵柄違くないですか、米山先生?(笑
今回は主人公コンビ二人が一巻以来の表紙になったわけですが、帯の二人と表紙の二人とのギャップがw これは次の連載の絵柄なんですかね?
表紙と巻頭イラスト、巻末おまけ漫画が新規、かな? 帯も新規? もちろん連載当時と比べて加筆修正している部分はあるんでしょうけど、もう少しいろいろなエピローグも見てみたかったです。
さて、本編は聖戦クライマックス。バッタバッタと人が死んでいくw まぁ、それはともかくとして感想は勢力ごとに書いていきたいと思います。
まずはアルカナ組。和泉の企みと最期は、この作品の中で最後まで終始一貫して「らしさ」があったんじゃないかな。一番キャラクターとしてしっかりしていたキャラクターだったかもしれない。目的が明確で、その言動も明白。だけど腹の内側であれこれと策略を常に練っていて、相手の一手二手先を考え、それを実現するための頭脳とアルカナの技術力を活かしている(そしてそれを破るのが、神候補の奇跡の力や幸運だというのが対立しているのが面白い)。
策士が最後、策によって目的を目の前にして倒れるっていうのも彼の終わりとしてはベストだったのだろう。変にバトルをしてやられるっていうよりはずっとね。
牧野くんにはもう少し頑張って欲しかったけどね。というかアルカナ全体か。ある種の魔族結社で、序盤以降は天使や堕天使が軸となってしまって魔族・純魔族の存在が薄れてしまった中でもう少し魔族という種族として盛り上げてくれると良かったかも。新しい世界でも社畜なのかな?(爆
そう言えば九妃、三体残ったけど新しい世界には行けたんだろうか? 新しい世界で生き残っているとしたら彼女たちは「三つ子の秘書」とかそんな感じか?
次は神葬組。隊長たちでの生存者は結局菊坂ただ一人。新しい世界でも記憶を保持している、というのが輪廻転生の輪から外れているからという理由も妙に納得。この辺は上手いな、と思った。
ただ組織としては割とあっさり瓦解してしまったな、というのが本音。常盤さんも最終巻前に死んでしまったし、市川もあっさりやられてしまったし。まぁ、組織の性質上「四つ巴」には出来なかったんだろうけどね。中盤では大きな存在感を示した神葬だけど、終盤につれて存在感が薄れてしまったのは勿体ない感じがしてしまった。
そして天使・堕天使組。結局、彼らだけがちゃんと次の世界でも生き残っている、というのがやっぱり大きな救いなんだと思う。月宮・日向を除けば最初の方から出ているキャラクターだし、続と皐のバックボーンにあるものを知っている以上、最後にこの二人が元のような兄弟に戻れたっていうのが重要だったんだと思う。
花村と桃瀬も生き残っているし、彼らのエピローグっていうのも見てみたかった。
最後は月宮・日向。主人公たちもしっかりと生き残った上に、ちゃんと前の世界の記憶を結果として保持しているという、ある意味で最も良いハッピーエンドだったのかもしれない。
月宮が一巻からずっと「生き残るために頑張る」キャラだったのは終始一貫していて、日向の方は昴のこともあって最初の方は混血の呪いを解くために生きることを強く言っていたキャラだけど、途中から自己犠牲の強いキャラになっていたのを最後の最後で月宮が強引に生きることを再び望むキャラに引き戻したのが、なんとなくこの二人の関係を象徴しているのかも、と思えた。
さて、そういえば「聖戦のない世界」っていうのが最後に構築されたわけだけど、それって考察してみるともしかしたら今のこの私たちの現実世界なのかもしれない、と考えた。天使も魔族も分類がない世界ってつまり、人の形をした物をを「人間」「人類」という種族としているこの世界なんじゃないかな、と。もし仮に天使としての力も悪魔としての力もなく、混血も純潔も関係なくただ「人間」というひとくくりになっているのであれば、だけどね。
そう考えるとある意味でブラクロは神話なんかに多い創世記に近い作品だったのかもしれないね、となんか拡大解釈してみたり。
全十二巻。確か読み切りを立ち読みか何かで偶然ガンガンで目にして「良い絵だ」と思って記憶の片隅に残り、その後連載されていることを知って単行本を手にして早八年? 六年? 一つの作品のスタートからゴールまでをコミック派ながらリアルタイムで追えたことをとても幸せに思っています。短い連載期間の作品ならあるかもしれないけど、全十二巻分となると意外と長いからね。
ベストエピソードは、個人的に第四巻十八話ですかね。アルカナのスパイだと思われていた日向が、実は続のスパイというダブルスパイだった、という部分が裏切りと策略を駆使するこの作品らしいところかな、と。
表紙は八巻が好きですね。今でも当時配布された壁紙をPCの壁紙の一つに設定しています。
連載六年、読み切り合わせれば八年、まずは米山先生、お疲れ様でした。今冬連載予定の次回作も期待しています。
おまけ
アニメイトでの複製色紙

イケメンですw
- at 11:47
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