放課後はミステリーとともに

著:東川 篤哉 発行元(出版):実業之日本社
≪あらすじ≫
霧ケ峰涼が通う鯉ケ窪学園高校にはなぜか事件が多い。校舎から消えた泥棒、クラスメートと毒入り珈琲一族との関わり、校外学習のUFO騒動、密室状態の屋上から転落した女子…etc.それらの謎を解くはずの涼だが、ギャグが冴えるばかりで推理はなぜか発展途上。解決へ導くのは探偵部副部長なのか、それとも意外なあの人か?ユーモア学園推理の結末は?
(文庫本裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
『謎解きはディナーのあとで』などで知られる東川篤哉さんのシリーズの一つ。タイトルからなんとなくこの人の作品なんだろうなと思いながらもなかなか手を出さなかったのだが、今回読みたい本があまりなかったので試しに手に取ってみた。
内容としては学園を軸とした、人の死なない日常系ミステリ。ミステリーとしては割と王道というか、そこまで外したトリックを使っているわけではないので、賛否は分かれそうだ。
キャラクターの作り方は上手いと思う一方で、くどくも感じた。短編集みたいな形だったが、そのせいなのか探偵部副部長の割に推理力があと一歩足りない霧ケ峰に代わる、真の探偵役があっちこっちでころころと別キャラになってしまったのは個人的にマイナスだった気がする。
ある種の定型句というか、決まりきった形として道化探偵の霧ケ峰と、本当の意味で事件を解決する真の探偵役とで役割を分離しつつやった方が「お決まり」が出来て良かった気がした。
評価は、★★(2点 / 5点)。キャラクターは良く言えば個性があり、悪く言えばくどすぎる。せめて主人公くらいはもう少し読み手のことを考えて落ち着いたキャラの方が良かったのでは?
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