予知夢

著:東野 圭吾 発行元(出版):文藝春秋
≪あらすじ≫
深夜、16歳の少女の部屋に男が侵入し、気がついた母親が猟銃を発砲した。とりおさえられた男は、17年前に少女と結ばれる夢を見たと主張。その証拠は、男が小学四年生の時に書いた作文。果たして偶然か、妄想か…。常識ではありえない事件を、天才物理学者・湯川が解明する、人気連作ミステリー第二弾。
(文庫本裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
探偵ガリレオシリーズの第二段。
全体的に今回はタイトル通りの予知夢であったり、幽体離脱であったりと、一見するとオカルト的な出来事とそれが結びついてしまった殺人事件に対して、湯川学が物理学・科学の観点から真実とは何かを切り込んでいく。事件を解決するために物理学を用いるのではなく、予知夢や幽体離脱は実際に起きたのか、その是非はもちろん科学的にどういう状況だったのかという部分の解明によって謎を解いていくスタイルが面白い。
短編集としても良く纏まっていると言っていいだろう。先に挙げたようにオカルト的なことを科学的に解明していくことを一つのテーマに作られていながらも、読みやすさを決して阻害していない。
むしろ、これだけのネタがありながら無駄に文章で引っ張ることはせずに、良い意味で淡々と簡潔に構成された文章はリズムよく読めるから読者を飽きさせないのだと思う。
評価は、★★★★☆(4.5点 / 5点)。満点と言えるのかどうかというと微妙なところだが短編集としてはネタの数、読みやすさ、質を含め総合的に観ればこれくらいの評価はあっていいと思う。
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