映画『攻殻機動隊 新劇場版』感想

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《感想》
ARISEのTV版を4月から放映していてそれを見ていた影響もあって見てきました。「暇があったら観るか」くらいには思っていたので、それならと割と早々に。

こういう言い方が正しいかどうかは分かりませんが、『攻殻』自体はTVシリーズや一部劇場版を見ているだけでそこまで設定や世界観に詳しいわけではなく、思い入れも強くないからなのかもしれませんが、結構楽しめました。一時間四十分程度のエンターテイメントとしては、（攻殻のキャラやARISEでの展開をバックグラウンドとして持っていないといけませんが）起承転結、良く纏まっていたかな、と。

基本的には素子が主人公ではありますが、バトーやトグサたちにもそれなりにちゃんと見せ場があり、物語が進むにつれて分かる敵の正体も「草薙素子」という事実。敵の「素子」は何者なのか。素子vs素子。分かってしまえば当然すぎるキャラクターではあるものの、その分かりやすさが劇場版というより劇場エンターテイメントとしてはベターな選択だったと思えました。

また素子が自分の集めた仲間たちを「パーツ」と表現する口下手・伝え下手なところから、隊員の面々がその意味を汲み取る意思。スタンドアローンとも言われることになる九課のメンバーたちが、それぞれのゴースト（己の魂、意志）によって動くことによって動く「攻殻機動隊」という部隊の優秀さみたいなところも楽しめたかな、と思います。


今作で最大のキーワードは、個人的に「デッドエンド」だと思っています。新製品の規格変更によって、その規格に合わない旧製品はバージョンアップを行うことが出来ずに朽ちて行く。「義体」という商品もまたその例外ではなく、全身義体なんて存在がウヨウヨといるあの世界において、自分の義体がデッドエンドになってしまう恐怖というのは人間の「死」とはまた異なる恐怖なんだろうな、と。

攻殻では義体や電脳というものがただの万能技術ではなく、欠点があり、弱点もある諸刃の技術として描かれているのが他のSF作品とは少し毛色の違う部分だと思うのですが、そういうのを外すことなく描いている印象です。

キャラクターとしてはトグサが良かったですね。電脳化しているものの大半が生身の彼だからこそ、面と向かうコミュニケーションを主張するのは良かったし、こういう部分含めて素子は生身のトグサをそれでも自分の部隊へ、パーツとしてスカウトしたのかな、と。だからこそ、最後のシーンでの「花見」というのは感慨深い部分もあったのかもしれません。

そういえば最後のシーンと言えばロジコマもコックピット付きに最後になって改良されましたねw　あとは素子がビルの屋上から飛び降りて暗殺するシーンはどこかのシーズンのオマージュ、ですよねたぶん。


全体としては楽しめた、のひと言でしょう。ただ全てを理解出来たかというと割とそうでもないので、そこはパッケージ版が出るまで待てないなら何度か劇場に足を運ぶ必要はあるかもしれません。


《おまけ》

劇場に足を運ぶと記念としてパンフレットとかちょっとしたグッズが欲しくなってしまうタチです（笑



パンフレット。トップの画像はその中の一部です。まだ読んでいないのであとでじっくり読みます。



最後の一個だったLED付クリスタルキーホルダー。


正直、キーホルダーとしてはクリスタルの部分が邪魔www


ロジコマが内部に。


ボタンを押すと光ります。それだけw　別に灯りの代わりになるような光量じゃないので、ほんとただのおまけ。


劇場来場特典。複製原画です。

素子。みんなこれなのか運がいいのかは不明w


『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』より。どこのシーンだろ？


三枚目も素子。どこかで見た記憶があるような……ないような？