インサイド・フェイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻

≪あらすじ≫
行動心理学を用いて相手のしぐさから嘘を見破る、美人刑事・楯岡絵麻。その手腕から“エンマ様”と呼ばれる。離婚した元夫に刺されたという被害者女性の証言により、被疑者の取調べに当たった絵麻。しかし、ふたりの娘が三年前に殺されていた事実を知った絵麻は、筆談でしか応じようとしない不可解な行動をする被疑者から、ある可能性を感じ、後輩の西野とともに調査に乗り出すと…。自供率100%を誇る美人取調官「エンマ様」シリーズ第3弾!
(文庫本裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
エンマ様シリーズ第三弾。まさか三巻目が出るとは思わなかった。正直、それくらい二巻目の内容はお世辞にもあまり良かったとは思えなかったのだ。
三巻目は、二巻で過去のことに一区切りつけたこともあって割とフラットなエンマ様の言動で一巻に近い感じがした。内容としては一冊の中で通しの部分もあるので、ある種の長編と位置付けることも出来る。
エンマ様こと絵麻が行動心理学を使うならば、相手も似たような形で相手の心理を支配するやり方を取っていた、というのもよくよく考えればこの作品にふさわしい相手だったかもしれない。ただ、その割に全てが明らかになったあとはあまりに小物すぎだったが(苦笑
警官として絵麻を敵視する第三者を登場させるなど、作品としても幅は広がったように思う。行動心理学に関しても中盤でだいぶ活用していて、相手の言動から詰問しながら相手の心理状態を見破ったり、脅迫される中で相手を巧みに誘導したりと、単に取り調べだけに活用されないところも見れた。
あと、西野はそろそろ取り調べのたびにイライラしないでほしい(笑
評価は、★★★★☆(4.5点 / 5点)。 一巻と同等かそれ以上に出来が良い。行動心理学を駆使する刑事らしい展開も多いので、そういう部分でのネタ選びはこれまでのシリーズの中でも優秀。
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