地獄少女 二籠 第8話
地獄少女 二籠 第8話「偽地獄通信」
<あらすじ>
体育及び水泳部の非常勤講師としてとある中学に「曽根」と名乗り潜入した骨女と、生徒に紛れ込むあい。水泳教師として、水泳部に指導をする骨女。
「先生って何歳? 凄く肌、綺麗だけど」
「うふふっ、200歳ぐらいかしら」
なんて、冗談なのか本当なのか微妙な会話をしていると、そこに1人の教師が入って来た。同じく体育教師・馬場翔子(ばば・しょうこ)だった。翔子は、何度注意しても髪を切らない生徒を見つけると再度注意し、今度切っていなかったら私が切る、とまで言って立ち去った。当然、その娘を含め他の生徒からの評判は最悪。すでに教え子が新任教師として赴任してくるほど、長い間の教師生活の馬場は、その厚化粧から「化粧ババァ」と呼ばれるほどだった。
その夜、その日馬場にこっ酷く叱られた女子生徒の元に地獄通信を名乗るメールが届く。その女子生徒がアクセスすると、そこには自分の名前と相手の名前を記入する欄が。これだ、とばかりに馬場の名前を打ち込む女子生徒だが、何度送信してもそれはエラーで送信出来なかった。
偽の地獄通信
骨女や一目連はもちろん、あいまで動き出した理由はこれだった。「歪んでいるの、怨みの念が。放って置くわけにはいかないの」と言うあいの一言で、骨女たちは調査に乗り出したのだ。きくりの世話(?)を輪入道に任せ、3人は連日のような調査の結果、偽の地獄通信に書き込まれる全ての怨まれた相手の名前が、あの馬場翔子だと突き止める。
そんな折、屋上に地獄少女を名乗る者が紙を貼り付けていった。そして、伊神(いかみ)と言う名の女子生徒が、教師の間でその犯人として取り上げられた。
続きはOPENからどうぞ。
・2006年11月26日
訂正しました。
<あらすじ・ネタバレ>
やった記憶のない伊神は、当然それを認めない。認めないため、教師側はそれを「反省がない」として自宅謹慎を命じることに。ただ一人、その場で伊神を庇おうとした教師・栗山真美(くりやま・まみ)は職員室で泣き崩れている。
その夜、伊神がメールを発信したと思われるパソコンでなにやら作業を進める栗山。携帯電話で、事前に聞きだしていた伊神と連絡を取ると、「あなたのメールアドレスを利用して、今回の事件を起こしたのは馬場先生よ」と言い、このままでは高校に進学すら出来なくなると言う。どうすれば良いかと訊ねる伊神に、地獄に流すしかないと答え、地獄通信に繋がるアドレスを教えると言って学校に呼び出す。
深夜の学校。栗山は、先ほど自分が座っていた席に伊神を誘導する。電気をつけないように言うなど様子がおかしいものの、伊神は言われたとおりのパソコンの前に着く。0時になったらリターンキーを押すだけで良いようにしてあるらしく、準備は万端。案の定、本物の地獄通信へと繋がった。「さぁ早く、そこに馬場先生の名前を書き込むのよ」やたらとそうせかしてくる栗山。だが、伊神はキーボードを押す気配すらない。もう我慢ならない、と伊神に近づいた栗山は、そこで初めて気づく。
―――招き入れた少女が伊神ではないことに
「閻魔……あい!?」
「9年ぶりね、栗山真美。いえ、真中真美さん」
一目見ただけで、あいを閻魔あいだと見抜いた栗山真美。その昔、実は彼女は地獄通信へのアクセス経験を持っていた。当時の苗字は、真中。当時から変わらない指導方針を貫く馬場翔子を怨みに怨んでいた真美は、自分も地獄に落ちると聞いて、代償を拒絶し馬場翔子を地獄に流す結果だけを求め、結果契約は成立しなかった者だった。
「化粧ババァのせいで、私の中学時代は暗黒だった」
馬場翔子から注意を受け続け、それを本命校への受験失敗、そしてこともあろうに両親の離婚にまで結び付けていた真美。その腹いせに馬場に無数の誹謗・中傷を繰り返し、夫との離婚にまで辿り着かせていた。その時、パソコン室を開ける音が響く。
「あなただったのね、栗山先生……いえ、真中さん」
「馬場先生、私のこと……」
翔子は、最初から栗山が延々と続いている女子生徒だと知っていた。それほどまでに怨まれているなんて知らなかった。そう言って翔子は、地獄通信に繋がったままのパソコンの前に座った。そこに刻まれた名前は、
「栗山真美」
あいは、翔子と契約を成立させる。真美は、話の内容から地獄に流される対象が自分だと判ると、叫び喚くも、あなたのような教師を生みだしてしまった報い、として翔子は、死後地獄に流されることを「当然の代償ね」と受け入れた。
「あなたのような人が……教師を続けるべきではない」
「私も……あんたは教師失格だと思うよ」
「ついでに、人間失格かも」
真美の妨害工作と逃亡を阻止するように現れた骨女と一目連。そして、翔子は受け取った藁人形の糸を解いた。
「こんなこと……頼むの、おかしいかもしれないけど、出来るだけ苦しまないようにしてあげて……一応、教え子だから」
誰よりも教師として生徒を思っていたからこその厳しい言葉の連続。その中で、翔子はやはり生徒を愛していたのだ。愛していたからこその、鞭。それが、真美には何年経っても解らなかった。大粒の涙を零し、あいたちに懇願する翔子。それが果たされたかのように、気が付いた真美はもう地獄に流される舟の上で、別段目立ったこともなく真美は地獄へと流された。
真美は地獄に流されたため姿を消し、当然骨女もいなくなり、代わりに教師がやってきた。その教師も、翔子の元教え子・二瓶今日子(にへい・きょうこ)。着任の挨拶を済ませると、今日子は真っ先に翔子の下へとやってきて、頭を下げた。
「てっきり怨まれてると思ったけど」
事実、つい先日までいた教え子の真美は、自分を怨んでいた。だが、今日子はそれを笑って吹き飛ばして見せた。
「そりゃあ、中学の時は相当……でも、今じゃあれが愛の鞭だったってこと、解りますよ」
「そう、あなたは解ってくれたのね」
愛の鞭が解らない生徒だけではない。「これからもビシバシ指導して下さいね」と言う新しく着任したその教師であり元教え子を見送った翔子は、その顔に微笑みを浮かべていた。胸に刻まれた地獄印。それを抱えて、翔子はこれからも教鞭を取り続ける。文字通り、生徒を教える愛の鞭を振るうために。
<今週のきくり>
非常勤の体育教師として潜り込んだ骨女。御年200歳(?)の体に水泳は堪えるらしく、連日シップで誤魔化す日々。シップに興味を持ったきくりはそれで遊びつつ、試したくなって骨女に貼り付けてやろうとするが、
「ダメ」
とあいが一喝。それでも、別の日に今度は骨女の顔に貼り付けてしまった時も、「やめなさい、きくり」と言われて剥がし、輪入道の頭に貼ろうとするのも叱られていた。
どうやら、きくりにはシップが格好のおもちゃだったようである。
<感想>
久々に、救われた終わり方だった( ̄∇ ̄;) 前回までの雰囲気だと、最後に現れた元教え子も怨んでいて~とエンドレスになりそうな感じでしたからね。
ストーリーとしては、予想していたのものとは良い意味で大きく違っていた感じ。まさか、単なる脇役と思っていたあの教師が黒幕だったなんて誰も思わないでしょう(まぁ、泣いているシーン辺りから怪しかったですが)。そして、その教師が単なる黒幕ではなく、昔地獄通信を使いそうになった経験がある、と言うのも意外。
まぁ、全体としては二期では一番纏まっているようでさらに鬱ではない感じとは言え、もしこれを馬場翔子の視点で描いていたら大変なことになっていたんですけどね。栗山真美による誹謗・中傷で悩む日々、それによる離婚、兎にも角にも辛すぎる日々でしょうから。
それでも最後、出来るだけ苦しまないように、と願うその姿は教え導く教師らしいセリフであり、人間として大人だな、と感銘を受けました(大げさだけど)。フツー、あんなセリフは出て来ませんよ。
そして栗山真美。かつて、地獄通信へのアクセス経験者であり、閻魔あいと会ったことのある経験者でもある。あいもそれを覚えているところが、スゴイ。なんつー、記憶力だ。
にしても、自分の手を汚さず復讐を達成しようなんて……変な方向で頭がキレるな、この女。本当に人間としてどうかと思うよ。全ての失敗や不幸を1教師のせいにしてるなんて。おまけに両親の離婚なんて関係ないだろうに。あまつさえ、自分は天国に行くと言って、代償無しで地獄流しを頼むなんて……。代償も支払わず、地獄流しを頼む人ってはじめて見たかも(前のござるなオタク君は、代償を拒否して地獄流しも拒否してるし)。
こう言う時こそ、以前みたいに輪入道に「お天道様が観て無くても、閻魔様は観てるぜ」と言って欲しかった( ̄∇ ̄;) まぁ、今回のような展開だとお仕置きがなくても、ちょっとは納得出来ますね。
今回は、日本の抱える教育問題を取り上げたのか? なんかタイムリーな感じです。馬場のような教師は減ってるでしょうし、逆に教師に「楽そうだからなる」「とりあえずなる」「(教育学部だったら)この学部にいるからなる」と言うのが目立っていたりいなかったり。
「いじめ」問題に限定すれば、いじめの発生率が高いのは、馬場翔子のような管理型の教師のクラスではなく、言ってみれば栗山真美のような馴れ合い型の教師のクラスなんだそうです(新聞に載ってました)。まぁ、栗山のように馴れ合い型は、教師と生徒の線引きが曖昧なので一緒に特定の生徒をイジメる(今回の馬場の言い方では「教師が生徒を犠牲にする」)こともあるくらいで……。
馬場のような教師が減り、栗山のような教師が増えた日本。今ある姿は、もしかしたら必然なのかもしれません。まぁ、今回の話を観たでは結果論になってしまいますけどね。
さらに言ってしまえば、教育に関する問題って「いじめ」だけではないので、その観点だけで教師として優劣はつけられませんけどね。
「人を呪わば穴2つ」
地獄通信を介すと、それが実際に形として目に見える(地獄印)だけで、強く歪み人を傷つけるようなほど呪えば、それはいつか自分に返ってくる、と言う典型的なお話でしたね。
次回は「あにいもうと」。えっと……兄が妹の恋人を取るってどんな状況なんですか( ̄∇ ̄;) えっと、同性愛ネタ??
<MVC>
閻魔あい
「(きくりに対して)ダメ。止めなさい」
あいが怒ってる━━キタヨキタヨヽ(゚∀゚=゚∀゚)ノキチャッタヨ-!!!!!!━━━!!! まさかこんな日が来ようとは。さすがのあいもきくりのいたずらには、堪忍袋の緒が切れた?? いや、まぁ普通に躾けだとは思いますけどね。してはいけないことはダメとちゃんと言うことが、大切ですから。個人的には、それに素直に従うきくりがまた良くて、ちょっときくりに対する印象がアップしました。
ちなみに、今回、あいも潜入したため普段とは違う夏服セーラーで登場だぁ!(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ
<TB先 参照リンク(URLアルファベット順)>
・http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/50677532.html
・http://blog.livedoor.jp/natsu_ki00/archives/50460278.html
・http://blog.livedoor.jp/radical_weapon/archives/50776633.html
・http://chalcograhie.blog21.fc2.com/blog-entry-1909.html
・http://futarinoneko.blog61.fc2.com/blog-entry-425.html
・http://hashinomierufuukei.blog41.fc2.com/blog-entry-804.html
・http://omochiyasan.blog69.fc2.com/blog-entry-375.html
・http://penpen-shogi.moe-nifty.com/sasayaki/2006/11/post_3789.html
・http://raitoningu.at.webry.info/200611/article_22.html
・http://rincolu.blog15.fc2.com/blog-entry-1012.html
・http://seraraku.blog58.fc2.com/blog-entry-252.html
・http://takoyaki-tako-tako.de-blog.jp/takotako/2006/11/post_e1ee.html
・http://yaplog.jp/miracle-8m/archive/14
こんにちわ♪
私のところで、コメントの返事をさせていただいておりますw
地獄少女・第8話にTBしてくださりありがとうがざいます!この間TBに不具合があったようなのですが、もぅ一度TBしています!ご確認いただけると幸いですw
これからもよろしくお願いいたしますvv