結婚指輪は経費ですか? 東京芸能会計事務所

≪あらすじ≫
「結婚指輪は経費にならないのか?」ある女優と婚約をした青年実業家の質問に、東京芸能会計事務所の雑用係・竜ヶ水隼人は疑惑を深めた―所長の元アイドル税理士・天王洲あいるの命令で、後輩・有明青海と実業家の正体を探る調査をしていたのだ。華やかな婚約に隠された、予想外の真実とは?競馬好き俳優の秘密の出店、消費税を利用したアイドルの企み…税金の仕組みが事件解決への鍵!?超お役立ち、お仕事ミステリ!
(文庫本裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
あいるさんシリーズ、あるいは東京芸能会計事務所シリーズの第二段。
本編は基本的に前作同様、経理や税務の話を毎エピソードテーマに据えつつ、初心者でも読めるように簡素化しているという感じ。税務の話が細かくないため、素人からするとそこに凝り過ぎている感じがなくてスムーズに読めるのが何と言っても最大のメリットと言えるだろう。
ストーリーそのものは前作と大差ない。
その分キャラクターでは新キャラ・有明が登場。まぁ、ソッチ系を思わせる言動があるのがかなりキャラとして濃いな、と。あいるの様子も相変わらずなのだが、その中で竜ヶ水への恋というかそんな感じのニュアンスを匂わせているのは、ベタだけで悪くない。
しかしながら竜ヶ水のキャラクターがだいぶ弱くなっている印象がちょっと残念。前作同様、破滅的機動力・行動力をもう少し見せて欲しかったなというのが本音だ。ストーキングの件が面白かったように、あらゆる面で実はいろいろと才能を持っていてそれを直接的に使う竜ヶ水だから面白いのであって、そこの影が薄くなってしまうのはどうなのかな、と。
評価は、★★★★(4点 / 5点)。全体的には安定して読める。ただ前述のようにキャラクターの個性という意味では前巻よりも明らかに死んでいる部分が目に見えるのが残念。
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