探偵倶楽部

≪あらすじ≫
「お母さん、殺されたのよ」―学校から帰ってきた美幸は、家で母が殺害されたことを知らされる。警察は第一発見者である父を疑うが、彼には確かなアリバイがあった。しかしその言動に不審を抱いた美幸は、VIP専用の調査機関“探偵倶楽部”に調査を依頼する。探偵の捜査の結果、明らかになった意外な真相とは?冷静かつ迅速。会員制調査機関“探偵倶楽部”が難事件を鮮やかに解決。
(文庫本裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
文庫本としては2005年に出たらしい探偵倶楽部。この本を手に取ったのは単純に東野圭吾さんの文庫作品の中で、短編集だったから。他の作品は良くも悪くもボリュームがあるので、もう少し「読みたい本」が少ない時の方が良いなと思っていたので。あとは、ミステリー作品を読みたかったというのもある。さすがにこのタイトルでミステリーじゃないってこともないだろうし。
作品としては短編集、という感じ。本来は主役になりそうな探偵とその助手を完全に脇役として描いている点がまず視点として面白い。彼らがどういう手法で情報を集め推理をしているのかというのが一切明らかになっていないが、そういった「謎」な存在が余計に好奇心を掻き立ててくれる。
ただ肝心のストーリーはちょっと微妙なものが多い。序盤こそ読んでいて面白かったしミステリーとしても(短編という文章の制限を踏まえれば)かなり出来が良いと思っていたが、進むにつれて謎や話が陳腐になっていった感じは否めない。よく言うのなら王道・古典的、悪く言えば全く捻りがない。
まぁ、短編でそこまで望むなよという話なのかもしれないが……。
評価は、★★☆(2.5点 / 5点)。短編集として観るならこれくらいの出来、か。設定やキャラの使い方は上手いが、もう少しミステリーとしてはどんでん返しや度肝を抜くような展開が欲しかったところ。
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