地獄少女 二籠 第6話
地獄少女 二籠 第6話「陽のあたる場所」
<あらすじ>
クラスに馴染めず、保健室登校を余儀なくされていた高校生・細野颯太(ほその・そうた)。保健室でも特に勉強する風でもなく、ただ下校時間になるまでそこで過ごすだけ。保健室登校自体は皮肉を込めながらも担任も学校側も、特に解決しようとせず放置。家庭では、過剰なほど甘い母とコミュニケーションをとろうとせずただ突き放すだけの父と、颯太が保健室登校となってしまった一因がまだ残っていて、改善される見込みはなかった。
そんな颯太が保健室でやることと言えば、カーテンで仕切られ個室状態になったベッドの上で寝ながら、携帯電話のカメラで隠し撮りしたクラスの女子・新田紀和子(にった・きわこ)の画像を眺めること。颯太は彼女にとある理由で惚れていた。下校時には、わざわざ彼女が出て来るのを待って家のあるマンションまで尾行していくような、ストーカー状態。それでも、弱気で内気な颯太はただ見ているだけだった。
紀和子には、恋人・杉田宏久(すぎた・ひろひさ)がいた。普通のカップルのようにデートを繰り返す2人。さすがの颯太もそこから先を尾行することだけはなかったが、序々に尾行をし始める。
保健室で依頼人になる可能性がある颯太の事前調査をするため、保険医として潜り込んでいた骨女が、「見てたぞ」と言って紀和子について颯太に追求する。しかし、颯太の反応は鈍い。
「見ているだけで良いんだ」
もし、ちゃんと知り合えば自分が彼女を嫌いになるかもしれないし、彼女が自分を嫌いになるかもしれないから、見ているだけで良いと言う颯太。その反応に骨女は何も言えなくなった。
ある日の、ボーリング場でのダブルデート。そこにまで颯太は着けていた。
「誰かに見られているような気がするの」
さすがの紀和子も颯太の視線に薄々誰かが見ていると感じ始める。何とか隠れて、その場を逃れた颯太。トイレの個室で息を整えていると、紀和子の彼氏である宏久が、友人・沢崎を連れてトイレに入って来た。
続きはOPENからどうぞ。
<あらすじ・ネタバレ>
「女なんてコツだよ、コツ」
颯太はトイレの鏡の前で、髪型をセットし直す宏久を見る。だが、話は思わぬ方向へと転じ始めた。
「紀和子、貸してやるよ」
耳を疑う颯太だったが、話の内容は具体的なものへと進んでいく。明日の晩、空けとけよ、と沢崎と話しながら宏久はトイレから出て行った。
その頃、颯太の依頼をあいが受けるかどうかで話し合う輪入道と一目連。そこにトンボを追いかけて遊ぶきくり。トンボが輪入道の頭に止まると
「ハゲ!」
と。そして颯太の偵察から帰ってきた骨女にトンボが止まると
「年増!」
と。そんな会話を、あいは部屋の中で横になりながら聞いていた。
その夜、地獄通信にアクセスしようとしたところで悩む颯太。だが、まだ送信していないところで、あいは姿を現す。怨む相手を地獄に落とせば、死んだ後自分も地獄に落ちる、と言う条件を聞いても「僕のことはどうなっても良い」と依頼を受ける覚悟を示す颯太。だが、あいは依頼を受けるのをあいの側から断った。
「私は、正義の味方じゃないわ」
消えたあい。何度も何度も地獄通信へのアクセスを試みるが、もう出来ない。翌日もただそのことで悩む颯太。どこから手に入れたのか、紀和子の携帯電話にも電話しようとしたが、結局何も言えずに終わった。
「どうせ僕には何も出来ない」
「僕が行ったって、彼女も迷惑かもしれない」
「そうだ……僕なんて」
自分にトコトン悲観的な颯太。そのまま結局、朝を迎えた。
しばらくした日の保健室。颯太は、あの日以来一層無気力になっていた。骨女の問いかけにすら答えない。そんな時、友人に連れられなんと保健室に紀和子がやってきた。
「細野君、起きてる?」
隣り合ったベッドをカーテンで仕切って2人で寝ている時、声をかけてきたのは紀和子の方だった。保健室を。落ち着く、と言う紀和子は颯太のように保健室登校しようかな、と言い出す。颯太は自分のことを棚にあげてダメだと言うものの、紀和子に自分のことを突かれて返答に困る。
「地獄通信って知ってる?」
それは颯太が数日前に依頼しようとして断られたサイト。だが、紀和子の話が進むに連れて様子がおかしい。地獄通信や地獄少女について紀和子の知っていることが具体的過ぎた。まさか、と思ったら、案の定紀和子は地獄少女と契約を交わしていた。
あわててカーテンを払って、紀和子に問いかける颯太。だが、もう遅かった。すでに紀和子は、正式な契約となる「藁人形の紐を解く」と言う行為を済ませ、相手も地獄に流していた。胸にはハッキリと将来地獄に送られる刻印が見えていた。だが、それでも彼女の表情は優れないまま。むしろ、曇る一方。
スッキリしないの、と言う紀和子。地獄に落ちるって解ってて、これからどうやって生きていけば良いか不安だと言った。
しばらくして彼女が帰った保健室で、颯太は初めて骨女に自分の想いを泣きながら打ち明けた。彼女だけが自分を普通に扱ってくれた、と。彼女だけが自分を笑わなかった、と。そんな彼女を自分は見殺しにしたも同然。この時、颯太は自分の判断が間違っていたことを痛感した。
その頃、あいは宏久を地獄へと送っている最中だった。この期に及んで、あいの前で嘘を吐く宏久の身体に、水面から無数の手が伸びる。それは宏久の服を破り、皮膚を傷つける。それは紀和子が受けた行為をそのまま宏久が受けているようだった。
その後、颯太は1つの決心をしていた。紀和子が地獄に送った相手は、恋人の宏久。だが、実際に紀和子を犯した宏久の友人・沢崎はまだ生きているのだ。手に入れたナイフ。暗闇で目立たないフード付きのパーカーを羽織って、今夜決行することを決める。
「この間、君がいなくなっちゃった理由、何となく解ったよ」
「依頼はいいよ。自分で何とかする」
颯太の前に再び現れたあい。ここであいと契約を交わせれば、沢崎もまた地獄に流される。だが、颯太はあいと契約を結ぶ道を選ばなかった。
「今度はお嬢がフラれたな」
「これじゃ、こっちの商売あがったりだな」
「およしよ。自分で地獄に落ちるって決めたんだ。私たちの出る幕がなくて、当然さ」
彼は自分の手で、地獄へ送り地獄に行く決意をしたのだ。許せない相手と許せない自分、それをどちらも自分の手で地獄へ送るために。軽口を叩く一目連に、少しの間とは言え颯太を傍で見てきた骨女はそう断言した。
夜の街に繰り出す颯太。調べはついているのか、目の前には沢崎の姿が。ポケットに入れたナイフの柄を持つ手に力を込めて、颯太は後戻りの出来ない一歩を踏み出した。
<感想>
「いっぺん、死んでみる?」
これが出て来なかったー!Σ( ̄□ ̄|||) ガビーン!
な、なんてこったぁ。まさか、これを言わない話があるなんて(1期はほとんど見れていないので、1期にはあったのかもしれませんが)。と言うわけで、ここで使っておきます(マテ
さて、それはさておき、今回のお話。救われない……と言われれば、救われない話だったかなぁ、って。慣れたのか、鬱ではなかった。やるせない気持ち、みたいな気持ちにはなったけど。
颯太は、はっきり言ってストーカー。一歩間違えれば、宏久とどっちが地獄に流されたか解ったものじゃない。と言うか、紀和子もあれだけ携帯で撮られてたら気づけよorz 携帯のカメラって割と音、デカイはずなのに(もしかして改造してる?)。 そして度胸なしで根性なし……なわけだが、気持ちが解らないわけじゃない。まぁ、ストーカー行為の結果とは言え、危険が迫っている、と言うことを知ったところで、どうすれば良いのかは疑問なわけですよ。私たちは視聴者の立場だから、宏久の言ったことが冗談などではなく真実であることを含め全部知っているが、颯太は知らないわけだし。 とは言え、せめて電話したなら何か伝えれば良いのに、とは思う。向こうが、かけてきた相手を知らないということは、相手は誰だか判らないわけだし。しかしまぁ、どうやって紀和子の電話番号なんて手に入れたんだ、アイツは( ̄∇ ̄;) これじゃ、どっちが犯罪者か判ったもんじゃ……いや、これだけなら間違いなく颯太の方が犯罪者じゃん。
しかし、颯太はずいぶんと典型的な保健室登校者に仕立て上げられているなぁ、と思います。過剰に甘い母、ロクに子供とコミュニケーションを取らずこう言うときだけ口を出す父、何もしようとしない担任。今、日本の教育現場がもっとも抱えていそうな問題をそのまま典型的に写し取った感じだ。この際、ここで誰が悪いのか、なんて言えない。颯太自身の生まれ持った気質と言うものもあるわけだし。ただ、誰一人問題解決をしようとしなかったことが問題だと思います(母親がやろうとしていたのは、一時的なしのぎであって根本的な解決にはならない。むしろ逆効果であり、問題解決には程遠い)。
紀和子は……男を見る目が無かったとしか言いようが無いです。だって、仮に颯太が絡まなかったとしても、ああなった可能性は十二分にあるわけだし。
次回は「絆」。今度は親子だろうか。と言うか、お仕置きパートの充実を切実に希望(ぉ なんか、最近簡略化されてません?
<MVC>
閻魔あい
「私は、正義の味方じゃないわ」
「いっぺん、死んで見る?」がなかった代わりともいえる名セリフ炸裂。確かにあいは、もしかしたら代償を求める救済者ではありえるかもしれないけど、正義の味方じゃあないしね。
<TB先 参照リンク(URLアルファベット順)>
・http://blog.livedoor.jp/kabekabe123/archives/50799612.html
・http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/50668689.html
・http://blog.livedoor.jp/kuma_road51/archives/50817485.html
・http://blog.livedoor.jp/natsu_ki00/archives/50455139.html
・http://blog.livedoor.jp/poohreeter55/archives/50762152.html
・http://blog.livedoor.jp/radical_weapon/archives/50763144.html
・http://chalcograhie.blog21.fc2.com/blog-entry-1845.html
・http://futarinoneko.blog61.fc2.com/blog-entry-404.html
・http://igneele.blog58.fc2.com/blog-entry-211.html
・http://omochiyasan.blog69.fc2.com/blog-entry-343.html
・http://penpen-shogi.moe-nifty.com/sasayaki/2006/11/post_1c0b.html
・http://raitoningu.at.webry.info/200611/article_11.html
・http://rincolu.blog15.fc2.com/blog-entry-981.html
・http://seraraku.blog58.fc2.com/blog-entry-218.html
・http://takoyaki-tako-tako.de-blog.jp/takotako/2006/11/post_2e9b.html
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